大豆に思いを巡らせる,上海万博 日本産業館の映像を見ながら

 自分の弟を愚弟と表現することがあるが,こっちも十分に愚兄なので,愚弟とは呼びにくい.その弟,友之は,映像監督を生業としていて,上海万博で大塚製薬提供の映像を監督したが,私は残念ながら現物を見ていない.10台のHDプロジェクターを使用して,ドームシアターに360度投影されるそうである.最大のハイライトは,天女の羽衣衣装をリアルかつ幻想的に見せるVFXとのこと.
 その2次元映像を下記で見ることができるとの連絡が本人から来た.

「人類と地球のたからもの」(2次元映像版)

上海万博 日本産業館「人類と地球のたからもの」

 ここで語られている「たからもの」とは大豆のことであるが,上記の映像を見て大豆のことに思いを巡らせられた.
 味噌,醤油,豆腐,納豆,枝豆等,日本の食文化で重要な位置を占める.
 Wikipedia大豆」を見て思ったが,大豆にはいくつか興味深いことがある.

1.人類は食糧危機問題を考えていかねばならず,肉を人工的に合成する研究が行われているらしいが,大豆という解も相当に重要であろう.

 植物の中では唯一肉に匹敵するだけの蛋白質を含有する特徴から、近年の世界的な健康志向の中で「ミラクルフード」として脚光を浴びている。

2.原産地と歴史

 説が各種あり定かではないが、原産地は中国東北部からシベリアとの説が有力で、日本にも自生しているツルマメが原種と考えられている。

 栽培の歴史も諸説あるが、約4000年前に中国で野生種大豆の栽培が始められたと考えられている。日本には朝鮮半島を経由して約2000年前に伝来したと考えられているが。また、近年は縄文時代の遺跡から炭化物や土器内部の植物圧痕として確認された例があり、その頃から栽培が始められたと可能性も考えられており、縄文農耕の観点からも注目されている。

 ヨーロッパ,アメリカに伝わったのはつい最近ということは大変に興味深い.とても長いこと,彼の国の人達は,タンパク質といえば「肉」だったのだ.とすれば,大豆があったかどうかで,欧米とアジア文化は大きく分かれたと言えるかもしれない.

 ヨーロッパやアメリカに伝わったのは意外にも新しく、ヨーロッパには18世紀、アメリカには19世紀のことである。

 彼らにとって肉が食えるかどうかは一大事だ.日本は,肉は一つの選択肢.日本には,大豆,そして魚があったおかげで,「狩猟競争」をしなくて済んだ.米,大豆,魚があればご馳走が作れる.