極私的松田聖子エピソード集 part20

kzroom2016-03-02波乱と激動の1985年。今回は時系列に沿って書いてみる。


●1月14日

夜のヒットスタジオ」にて「天使のウィンク」がテレビ初披露された。

冒頭のテロップに映し出されたのは“天使のウインク Ami Ozaki 作詞/作曲”の文字だった。“えーっ!松本さんじゃないの?”と、思わずテレビの画面に向かって突っ込みを入れてしまった。ついにこの時が来てしまったのか、と複雑な思いで番組を最後まで見た。

しかしこれは一時的なものなのか、松本隆さんが完全に“松田聖子プロジェクト”から外れてしまったのか、この時点ではまだ何もわからなかったので、今後の松田聖子がどうなってしまうのか考えてたらなかなか寝付けなかった。

そんな1月14日の夜だった。


●1月15日

そう言えば「夜のヒットスタジオ」のテロップって、たまに間違ってることあるよな、ということを思い出し、ひょっとして昨晩の「天使のウィンク」のテロップは間違いだったんじゃないの?という気がしてきた。

間違いなのか間違いじゃないのか、もしも間違いだったとすれば、“作詞:松本隆、作曲:尾崎亜美”という組み合わせかもしれないわけで、それはそれで楽しみじゃないか、とか妄想して過ごしていた.


●1月23日

そんな妄想が渦巻いていた中、郷ひろみさんとの破局会見が行われた。

僕はこれをバイト先の休憩時間にリアルタイムで見ていた。前年の夏くらいから、いよいよ結婚が近いかもな、という空気だったので覚悟はしていただけに、拍子抜けしてしまった。

しかしこの破局会見に関しては、前向きに受け止めることができた。


●1月30日

天使のウィンク」発売。

購入後真っ先に作家クレジットを確認。あぁ、本当に松本さんじゃないんだ、という事実を受け入れた。

結婚はなくなった。そして松本さんは松田聖子プロジェクトを離れた。全く予想していなかったこの二つの事象により、今後の動向や方向性がさっぱりわからなくなった。


●2月1日

一体、松田聖子はどこに向かってしまうのか?なんてことを考え始めた矢先に、神田氏との恋人宣言。

これにはかなりがっかりした、というか失望した。その気持ちの裏で、どうか映画の宣伝の為の話題作りであってくれ、と願った。


●4月8日

そんな願いも虚しく、「ザ・トップテン」の番組内で司会の堺正章さんの口から、神田氏との婚約が決まり、明日記者会見することが告げられた。

この日の夕方くらいにマスコミ関係には婚約の第一報が流れたらしいが、我々一般人のほとんどは、この堺さんの報告で婚約のことを知った。


●4月9日

ホテル・ニューオータニにて婚約発表。


●4月13日

映画「カリブ・愛のシンフォニー」公開。

初日の舞台挨拶に行ける精神状態ではなかったので、映画自体はしばらく経ってから見に行った。


●4月25日

結婚・休業前最後のコンサートツアー「SEIKO PRISM AGENCY」スタート。

この時点では、結婚・休業することは発表されていたものの、果たして復帰はあるのか?、復帰するにしてもどれくらい休業するのか?、作品発表のみなのか?、ライブ活動はするのか?、全く未定だった。

これが見納めになるかもしれない、そんな思いで挑んだ日本武道館3days。


三日目の4月27日(武道館最終日)のみ当日券で入場したためチケットが違う。これが最後だとわかっていれば当然前売りを買っていたけど、チケット発売後に婚約発表したためにこうなった。当日券であるにも関わらず結果的にアリーナ2列目というラッキーな席が巡ってきたのは、最後の最後に、まだ僕に“聖子運”が残っていたからかもしれない。

二日目の4月26日、「密林少女」の時にステージの階段を降りて客席の目の前まで来る演出があったのだが、アリーナ最前列で見ていた僕は、気がついたら立ち上がって手を伸ばし、係員に制止されていた。普段はそんなことする人じゃないんだけど、あの時は明らかにどうかしてたと思う。

この武道館3daysで僕は完全に燃え尽きてしまった。キザな言い方をすれば、1985年4月27日のあの日、武道館に魂を置いてきてしまった。

その後、聖子さんは復帰してから何度も日本武道館のステージに立ち、僕もそれを何度となく見に行ってるけど、それは1985年4月27日に置いてきた魂を確認しに行ってるだけなのかもしれない。

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【追記】

余談1:郷ひろみさんとの破局会見があった日、そのまま帰宅する気になれなかったので、渋谷で「生徒諸君!」(主演:小泉今日子)を見て帰った。そのおかげで、今でも主題歌の「The Stardust Memory」を聴くと、例の「生まれ変わったら・・」会見映像が一気にフラッシュバックしてくる。


余談2:チケットの半券を整理してたら、菊池桃子さんのファーストコンサートのチケットが見つかって、日付を見てみたら神田氏との恋人宣言の翌日だった。あのコンサートは精神的にどん底状態で見てたのか、ということを思い出し、当時のことを書いたので参考まで。
https://kzroom.hatenablog.com/entry/2020/02/02/000000


余談3:さらにブルース・スプリングスティーンの初来日公演のチケットを見てみたら、日付が神田氏との婚約会見の翌日だった。こちらも当時のことを書いたので参考まで。
https://kzroom.hatenablog.com/entry/2018/04/10/000000

会場となった代々木第一体育館は聖子さんも91年のコンサートツアーで使用したけど、代々木でやったのはこの時だけかも(未確認)。このツアーは代々木と武道館で見ました。

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これは「カリブ・愛のシンフォニー」のビデオカセットの予約特典で貰ったビデオケースだが、あまりのショボさに絶句した。

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