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赤錆拾い このページをアンテナに追加 RSSフィード

2003/07/16(Wed) 急ぎ歩きの迷い子

やることがたくさんあるが、何も手をつけないで、気だけ焦っている。

[]vermilion::text:70階「流れ星」 vermilion::text:70階「流れ星」を含むブックマーク vermilion::text:70階「流れ星」のブックマークコメント

「ねえ、暑いから何か買ってきてよ」

僕に犯されたままの、上半身にシャツを着ただけの姿で君が言う。流しっぱなしの水ですら、あの老婆の血を流しきれない。あの古い血が、水の流れをさかのぼって君の白いシャツを紅く染め上げる。

「こんな夜中に何が売っているって言うんだよ」

割れた窓から生ぬるい夜風が吹き込んでくる。

「お金はあるでしょ」

ベッドにはさまざまな体液が染み付いて、夏の暑さもあいまって異様な匂いを発している。

「君が殺した婆さんのお金がね」

君は窓の外の星を見て、僕を見ない。

「現金を持っている人でよかったじゃない」

破れ窓から吹き込んだ夜風が床に散らばる紙幣をまきあげた。

「工場の爆発でここらへんの商店なんか全部潰れたさ」

「あ、流れ星」

僕に流れ星は見えない。

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