アクセル・ワールド 第24話(最終話)「Reincarnation;再生」

逆転の決め手となったチユの能力については“お見事!”の一言に尽きる。
しかしやっぱり『このタイミングでなくてももっと早く解決出来たろ…』と思ってしまう幕切れではあった。
能美編だけでじわじわ長引いてしまったのも、能美のいやらしいキャラとともに都合のいい詰めの甘さがどんどんクローズアップされてしまったのでマイナス。
全体として気付いた点は以下の通り。

  • 主人公がチビデブという独特の要素が見せ場に繋がっていない。

まず誰もが抱くであろうビジュアル面での違和感を“慣れ”以外で緩和できておらず、チビネタもデブネタもほとんど無い、という状態で2クール終わってしまったのにはガッカリだ。
2クールかけた後にこの絵面を見て受け手が達成感や満足感を共有できずに違和感や不快感を覚えてしまうのは間違ってる。

  • ゲーム内の設定を数値化している割に段取りや伏線抜きの後付け要素やノリ&勢いで押し切ってしまう。

レベル9が神聖化されている割に数人がかりであれば倒せちゃいそう、ってのがな…。
ブラックロータスは“ちょっと力を込めただけの一振りで数キロを割断してしまう”くらいして欲しかったわ。

  • 肩書きや長所がキャラに見合っていない。

SAOもそうだけど『みんなで心底ヨイショするに足るキャラか?』という違和感がつきまとう。
例えば黒雪姫はあんな豆腐メンタル&短絡キャラで過酷なレベル上げや権謀術数渦巻くギルド運営をこなせていたとは思えないし、ハルユキは分析能力が売りみたいになっているのは『じゃあそれでいじめをなんとか出来なかったの?』となってしまうわけで。
『実はこんなキャラだったの』という意外性を楽しむにしても、そういう場合は表向き完璧なわけだし、尺やテンポの関係で表現しきれない部分があるとしても一言解説や日常の言動でフォローできるだろう。

  • 総括

総括としては

アバターのデザインや特性、映像としての仕上がりは良かっただけに、上記の雑な部分が惜しくてならない。

ということに尽きる。
円盤の売り上げ的にも原作ストック的にも二期やりそうだけど、せっかくのアイデアを雑な段取りで潰してしまう箇所が減っているといいな…。