2012-05-06 (Sun)
■[books] 日通体操
以前ここのページで、「日通体操」のことを書いたことがあった。
そのときのわたしは「日通社史」を追って「日通体操」の起源をさぐったのだが、けっきょく分からずじまいだった。
だがその後、日記のコメント欄にて、
日通体操は塩谷宗雄(柔道八段、東大医学部卒、日本体育大学教授、勲三等瑞宝章)氏が作ったものです。
2012/02/20 10:39
と教えていただけた。
なるほど、塩谷宗雄教授が生みの親か…と、分かったことで先日、都立中央図書館まで出向きその資料を探してみた。
以上は、塩谷宗雄教授業績目録編集員会『塩谷宗雄教授研究業績目録』 ,1986
からコピーした「日通体操」である。わたしが参照した資料はあくまで「目録」であったため、この体操が生まれた背景やストーリーなどはいっさい、分からずじまいだった。まあでも、オリジナルの振り付け絵が手に入っただけでも、成果があったかも。
今回、この塩谷宗雄氏の著作を読んでみて気づいたのが、あの一世を風靡した「ぶら下がり健康法」の発案者がこの教授であったということに、なによりもいちばん驚いた。わたしが子どもの頃、この「ぶら下がり健康法」が大ブームだったのですよ。当時の通販広告には、ひょっとしたら氏の顔写真や文章がくっついて宣伝されていたのかもしれないが、子どもにはそんなこと関係ないもの。ともかく、ぶらさがって健康になるということに、不思議な運動方法だと感じたものだった。そのぶら下がり健康法が、どのような研究に基づいて生まれたのか、学術的な面での資料が読むことができ、面白かった。もし「ぶら下がり健康法をはじめとする○○健康法の歴史」を調べている方がいたら、氏の著作をあたれば多くのヒントが得られるだろう。
また、同時にわたしが気になっていた「国鉄体操」,「チェーンソー体操」といった数々の労働災害防止の体操の考案・発案者が、同じく塩谷宗雄氏であったということも大きな収穫だった。とはいえこちらも、わたしが手にした資料が「業績目録」であったため、オリジナルの発表資料ないし研究論文、関連資料などはまったく読むことが出来なかった。これは残念でならなかったのだが、やむをえない。もしこういった数々の労働体操の歴史を調べている人があれば、この「業績目録」を手がかりにして、一次資料を見つけ出せばなんとかなることだろう。
最後に。こうやって「目録」に附いていた「日通体操」の資料をネット上にアップロードしてみるのだが、この場合、気になるのは「振り付けにおける著作権」である。…やはりいけないことかな? ……いけないことのような気もするのだが、ついアップロードしてしまった。
問題があるようでしたら、ひとこと連絡ください。ただちに対処します。
2012-04-29 (Sun)
■[linux] センザンコウ
Ubuntu 12.04 LTS "Precise Pangolin" にアップグレードしてみたのだが、前評判通り、かなりバグを残してのリリースであった。
インストールは無事終了できたが、起動後、バギーすぎてしょっちゅうエラーが起こる。
当初、「自分のせい?」と思っていたのだが、やはりあちこちにバグを残してのリリースだった模様。しょっちゅう表示されるエラーは前倒しすぎたリリースのせいとして、あきらめることにした。
あとそうそう。オリジナルの Ubuntu (Unity + Gnome) だとバギーすぎるのだが、(二台あるうちの片方のノートブックPCにインストールした)lubuntu (LXDE) だとぜんぜん問題なしなんだよなー。けっきょく Gnome まわり、高度で美しい画面描写まわり、Unity まわりにバグが残りまくっているのかもしれない。
ならば Debian sid に戻ればいいのだろうが、うーむ。もう Debian sid に戻れなくなっているんだよなぁ。Ubuntu の、易しい仕組みに慣れすぎてしまったのかもしれない。
うーん。うーん。
2012-04-01 (Sun)
■[net] Amazon で遊ぼう
エイプリルフールだからといって、とくに思いつくこともないわけで。暇つぶしネタでも、あれこれ。
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ステマ(苦笑)を目指すならば、この時期、こういうのを貼っておけばいいのか? …高価格だしなぁ。
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ドン・キホーテで売っているようなオモチャとは、ちょっと違うらしい。…ちょっとでは済まないか。
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ちょっと待て。なんでこれが「¥ 941,710」もするの??
エアロパーツって高いんだな…。
2012-03-25 (Sun)
■[news] 武道・ダンス、必修化
開始の是非はどうあれ、来年度から中学校の体育の授業にて、武道とダンスの必修化が開始されるとのこと。
- 中学校武道・ダンスの必修化 - 文部科学省
「はて? いつ頃、この中学校学習指導要領の改訂がおこなわれたのだっけ?」と調べたら、2008 年 3 月告示の「中学校学習指導要領 (生きる力)」にて、この決定がなされたのとこと。
てっきり民主党政権下でこの改訂がおこなわれたのかと思ったら、なんのことはない、自由民主党・公明党 連立政権下での学習指導要領の改訂の結果だった。なにしろ民主党はそれから 1 年半後の、2009 年夏以降に成立した政権だからねぇ。それになによりこの学習指導要領、賛否両論ある「ゆとり教育」と称されるかつての学習指導要領の撤廃を大きなスローガンとして掲げた、安倍晋三内閣最大の決定法案であったわけだし。
となると、つまりは安倍晋三内閣が武道とダンスの必修化を生んだといえるのかもしれない。右寄りだった安倍内閣らしい、決定ではある。
戦前社会体育は厚生省が所管していたが、終戦直後の昭和二十年九月文部省に体育局が復活し、翌二十一年一月厚生省の社会体育行政が文部省に移管され、我が国の体育行政は文部省に一元化された。
文部省ではまず、学校体育については、銃剣道、教練、武道(剣道・柔道・なぎなた・弓道)を禁止するなど軍事的色彩を除去した。また、社会体育については、二十一年八月「社会体育実施に関する件」を通達し、同時に「社会体育実施の参考」を公表した。
第二編 戦後教育改革と教育制度の発展 | 第一章 戦後の教育改革 | 第八節 体育・学校保健・学校給食 - 文部科学省
でも、銃剣道、教練、武道の復活を安倍晋三氏が成功させたのは、氏の日頃の言動からしてとても分かりやすい。であるが、なんでダンスを義務教育化したのか。憶測だけれどそれは、安倍晋三氏の功績ではぜったいになく、文部科学省官僚たちの働きであったのだろうな。
ちなみにこの武道とダンスの必修化を生んだ「中央教育審議会 初等中等教育分科会 教育課程部会 健やかな体を育む教育の在り方に関する専門部会」の会議は、2004 年 10 月(第二次 小泉純一郎内閣)から始まっている*1。
ちなみにこの会議の第一回目では、体力向上、身体能力の養成という内容が話し合われている。第二回では「体を動かすことは楽しい」(ならびに、基本的な動きをしっかりと教え、動ける体になるようにしていく)ということを体育授業でめざしたいということが。さらには第三回ではイギリスでのムーブメント・エデュケーション*2についての言及があり、これが今回の改訂においてのダンス必修化につながったのでは、と推測できてしまう。第六回では、これまでは(体育または運動は)楽しければいいという誤解・曲解があったという発言。または学校以外で動く経験がほとんどないので、学校の運動のなかで動きを獲得していくということ。さらには身につけるべきこととして、「ルール」,「フェアプレイをおこなう」,「勝った経験」や「負けた経験」,「努力して競い合うことは楽しい」という話し合いがされている。第八回では「集団的達成の経験」。などなどなどなど。
そして第十回では、ちょっと面白いやりとりがされている。議事に記載されてあるのは妙録なので、これはいったい具体的になにを指していたのか、文面だけではまったく不明であるのだが。
社会生活において必要な身体能力、生涯にわたってスポーツに親しむための身体能力のなかで「転がる」「飛び降りる」があるが、安全確保あるいは危険回避の行動を体育の目的と位置づけるべきなのか。
「転がる」というのであれば、前転、後転、側転という言葉が入るのがおかしい。前転、後転、側転というのは、ある課題性を持った運動で、その課題をいかに自分の体で解決していくか、そのときのできばえというものが、この前転、後転、側転の技と呼ばれている運動である。転がるというのは、それを応用するのか、それ以前の問題で、転がることができたものをうまく学習させていくと前転になると考えると、器械運動そのものが危険回避のための領域ととらえられるのではないか。
教育課程部会 健やかな体を育む教育の在り方に関する専門部会(第10回) 議事録 - 文部科学省
ここまでの会議のなかでは、じつのところ「ダンス」,「武道」,「柔道」といった文言はいっさい出てきていないのである。上記の話し合いでは器械運動の改善について話し合っていたように思えてならない。だがどうして「武道」の必修へとつながっていってしまったのか。それはその後の法案作成時において身体能力向上の方法を、器械運動ではないものにうまくすり替え、「武道」導入への流れにつなげていってしまったのでは、と、わたしは考えていたりする。
じつは「武道」ならびに「ダンス」を義務教育の必修にすると言及されたのは、2007 年 7 月 25 日の、第15回(第4期第1回)会議が初めてのことなのである。それまではいっさい、「ダンス」または「武道」といったことについて、会議でいっさい語られていなかった。そのような言及そのものがなかった。
ちなみに第14回会議が 2006 年 8 月 16 日におこなわれて以降、この会議はいったん終了状態にあり、長いあいだ休止していた。そして安倍晋三内閣がスタートしたのは 2006 年 9 月 26 日のことである。つまり文部科学省としては、安倍晋三内閣の意向を受け、そのあいだ一年間をかけて、本格的な法案改正に向けての具体的な作業をおこなっていたと見るのが妥当であろう。
ちなみに安倍晋三氏が教育再生をうたった第166回国会施政方針演説は、2007 年 1 月 25 日におこなわれている。そして具体的な教育基本法改正案が話し合われた 第15回「教育課程部会 健やかな体を育む教育の在り方に関する専門部会」は、その半年後の 2007 年 7 月 25 日にひらかれた。
つまり「武道」を体育の必修にするというという流れは、文部科学省と安倍晋三の組み合わせで生まれたのだとしか、思えてしかたなかったりする。
第15回会議においては、以下のような発言も見られた。
【杉山委員】
資料9に、教育基本法の改正に関する教育内容の在り方の中に、我が国の伝統、文化を受け止めそれを継承・発展するための教育の充実というのが出ているんですけれども、従来からこの問題と関連する体育の中身は、武道という我が国の伝統・文化を積極的に取り上げている格好になっているんです。
改善の方向性の中に武道の取り扱いについて、少なくとも現状を保持して、できればもうちょっと充実してぐらいなふうな形のものを入れ込んでおいたほうがいいんではないだろうかという気がいたしますが、いかがでしょうか。【浅見主査】
それについて、どなたかほかにご意見ありますか。このペーパーの中では内容として、現状で武道がほかのものと並列的にあるということを記述してある。【杉山委員】
そうです。【浅見主査】
ほかの内容も、器械運動をこう改善しようというようなのはほとんどないわけで、武道だけをここで取り上げるというのはどうなのかな。【杉山委員】
それでも教育基本法という教育の一番基本となる規定の中に伝統・文化の教育の問題を挙げているとすれば、体育は武道が従来から日本の伝統・文化の教育だと言ってきていますから、むしろ挙げておくほうが教育基本法の改正の精神と一致するのではないだろうかという気がするんですけれども。【浅見主査】
いかがでしょう。【佐藤調査官】
教育課程部会 健やかな体を育む教育の在り方に関する専門部会(第15回) 議事録 - 文部科学省
ご意見をいただきましたので、検討させていただきたいと思います。
やはり安倍晋三念願の政策に、文部科学省も乗っかっていたのだろうな、という発言であったりする。
まあしかし、さまざまな問題を抱えながらも、まもなく中学校の体育授業においての武道必修が始まるわけで、うまくいくのかな? 大きな事故やケガなく、うまくいけばいいよな。とりあえずは、そういったところ。
*1:さらにその分科会、「中央教育審議会 初等中等教育分科会 教育課程部会 健やかな体を育む教育の在り方に関する専門部会 体育分野ワーキンググループ」は 1 年後の、2005 年 8 月から始まっている。
*2:Movement Education. 日本語では「ムーブメント教育・療法」と訳されている。この理論が誕生したアメリカでは障害児だけに限定せず、成長にある子どもへむけておこなわれているようであるが、日本ではどちらかというと理論導入の経緯もあり、発達障害児教育(のひとつの方法)として活用されているようである。会議中ではなぜ「イギリスのムーブメント・エデュケーション」と、イギリスにこだわって言及されていたのかは不明。アメリカとイギリスで教育理論が違ったかたちで発展をとげることなどよくある話だから、そういうことだったのかもしれない。


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