惡の華5話および6話感想(考察)

 皆さん別マガ6月号の惡の華45話見ました?やばくないですか??「お・・おおおおお。そうきたか。そうかそうか…」ってじわじわ来る感じたまらんですね。8巻待ち遠しすぎですね。楽しみですね。


 それはそうと、アニメもすごいおもろいです。自分は仲村さんの側に立って「この時はこういうことを考えていたのでは」とか考えながら見るのが好きです。
その辺を踏まえて感想を書きます。アニメ6話までのネタバレを含みます。



この辺の話は漫画だと2巻の終わりくらいだったと記憶してます。まだ2巻とか大丈夫か?
まぁ、それはいいとして、漫画を読んだ当時はスピード感がすごいなと思った記憶があります。好きな娘とデートの約束ができたと思ったら、(自分が盗んだ好きな娘の)体操服を着せられてデートに行くことになり、キスをしろと脅された挙句、テンパって告白したら謎OKが出て、やったああああああって所で水バッシャーンって流れが爆笑ものでした。
ところで、当時この一連の流れで、仲村さんの心理が全然わかりませんでした。体操服着せたりキスしろと脅すまではまだ、面白そうと思ったのかなくらいの説明はできますが、キスではなく告白した瞬間に怒って水をかけたり、その後「裏切り野郎」と春日君に言い放ったりその辺がよくわかりません。キスしろと言ったところではワクワクテカテカしておきながら、告白した瞬間にブチ切れした理由は??そもそも、春日君は何を裏切ったと言うのでしょうか。また、春日君が佐伯さんと付き合い始めた後に「セックス!!セックス!!」と突然叫ぶようになったのも妙です。「突然何言いだすのこの子…」っていうのが正直な感想なんですが・・・。なぜ仲村さんは「セックス」という単語を連発するようになったのか…
これら一連の疑問を「仲村さんは変態だから」の一言で片づけてしまうのは何か違うと感じました。そう考えた方が楽ですけどね。で、なんか引っかかったので、何度か読み返していてふと「仲村さんは春日君が好き」という大前提で仮説を立てていくと、これらの疑問に対して、つじつまの合う、少なくとも自分が納得のいく説明ができる、ということに気づきました。今回の話はもちろん、それ以前、そして今回以降もです。これは、仲村さんがガッチガチのMeタイプとして描かれており、つまり究極的に自己中心的であり、自分もそうであるというのが大きいと思います。普通はそんなことはないと一蹴するようなことでも、自分の場合は共感できるポイントとして(勝手に)見えます。少し具体的に書きます。

5話

5話は春日君と佐伯さんがデートしているのを仲村さんが追跡するシーンからスタートします。追跡している仲村さんがやたら楽しそうです。しかも「隠れる気あるのか」って突っ込みたくなるくらい見え見えの追跡をして春日君をビクンビクンさせます。

サササッ
仲村さんは春日君に体操着を着せるのに成功しているので、春日君は常に仲村さんに脅されている状況です。従って、追跡がばれたとき一番困るのは春日君であり、むしろバレバレの追跡をすることで春日君を揺さぶることができ、結果としてデートの邪魔ができます。これ以降の行動を含め。仲村さんの行動はデートの邪魔をするという点で一貫しています。
その後、古本屋へ行って2人がいい感じ?になったところで再度呼び出しを行い、「キスをしろ」と指令をします。近い近い近い

4話で仲村さんは春日君に「俺のこと好きなの」的なことを言われ逆切れしており、春日君が好きというわけではないというスタンスを明確にしています。従って、お前のことを好きではないアピールをしていくのはむしろ自然です。好きな子をいじめちゃう小学生とかと同じですね。
そう考えると、キスをしろというのはなかなか秀逸な(?)提案です。胸をもめとかスカートをめくれはだめです。これらは好きではない娘にできるからです。キスは好きな相手にしか普通行いません。キスをしろというメッセージには「私はあなたが他人とキスしても構わない」というメッセージを乗せることができ、好きではないアピールができます。加えて実際にキスを行ったらデートが気まずくなるのは明白ですので、デートの邪魔をするという方針とも矛盾しません。そう考えると「キスをしろ!」はOKですが「告白しろ!」はだめです。なぜなら、前者は本当にキスを行ってもデート失敗という保険がありますが、後者は告白が成功してしまうと、最悪デート大成功の可能性があります。
そして…テンパった春日君は本当に告白をしてしまいます。
「キスしろ!」とワクワクテカテカしていた仲村さん

告白後

告白が受け入れられ大天使サエキエル登場

そして水ばしゃーん

半べそかいて逃げてきた春日君に仲村さんは「裏切り野郎」と罵倒します。裏切り野郎とは・・・?


自分は何度か話を見返して、2つの仮説を立てることでこれらの流れに説明がつくと考えました。
一つ目は「仲村さんの中では、このデートが仲村&春日のデートに置き換わっている」というものです。
たとえば、仲村さんが着ている黒い服ですが、佐伯さんの白い服と対比しているとよく感想に書いてるのを見かけますが、そもそもこの服妙に気合入ってると感じませんか??また、デートの追跡をしている仲村さんはとても楽しそうで、まるで自分がデートしているみたいです。そういえば、仲村さんは「春日君の皮を全部剥く」的なことを言ってました。つまり、仲村さんは春日君に何かすると宣言しています。そう考えると、仲村さん視点では「仲村さんが春日君に指令をだし本性を暴く」行為をしているのであり、誠に勝手な話ですが、傍から見ても、当事者も、読者でさえ、佐伯さんと春日君のデートととらえているものを「仲村と春日のやり取り(デート)」と、自己中心的な拡大解釈をしている可能性があります。


もう一つの仮説は、仲村さんは春日君に「本当の気持ちを偽らず表に出してほしい」と期待を寄せている。というものです。
大前提として、仲村さんは自分の気持ちを隠したり、偽ったり、建前を述べごまかす人間を「クソムシ」と言い見下しています。春日君が自分の本当の気持ち(煩悩)に対して、忠実に動いた、つまり「体操服を盗んだ」という行為を、仲村さんは自分の価値観と照らし合わせ、高く評価している、そしてそれが春日君に好意を寄せるきっかけとなった。と自分は考えています。
仲村さんは、本当の気持ちを隠す行為を皮を被ると表現しており、仲村さんが春日君に宛てた言葉を直訳すると「本当の気持ちを偽らず表に出してほしい」となります。「キスをしろ」というのは、春日君は本当はキスをしたいと思っているはず、と、考えているという事であり、それを偽って告白に逃げたことを「本当の気持ちを偽ってごまかした」と感じ、期待を裏切られたと感じたのではないか、というのが自分の考えです。


また、上記が仮に正しいとすると、もう一つ仮説がたちます。それは「本当にキスをしたいのは仲村さんである」というものです。
仲村さんは「春日君が佐伯さんのことを好きならキスをしたいと考えるはずだ」と思ったという事になりますが、そう思った根拠が「自分がそう思っているから」と考えると辻褄が合います。一般論で考えるなら、付き合ってない2人はキスをする前に交際したいと考えるのは別に変ではないと思います。キスをしたいはずという発想は、仲村さん特有のものです。仲村さんの中には「好きな人と交際したいはずだ」という発想はなく「好きな人とキスをしたいはず」という発想があるということになります。つまり、仲村さんが自分の立場におきかえたらキスをしたいということです。
この時点では考えすぎと思われるかもしれませんが、第6話の行動もこの仮説で説明がつくと考えます。

6話

佐伯さんと交際が始まったことが、クラスの連中にばれることから始まります。(仲村さんつまらなさそう)
そして、テンションあがる春日君が、佐伯さんと仲村さんと話しているところを目撃しビビりまくります。
その後、一緒に帰ろうと佐伯さんに言われ、仲村さんが佐伯さんに「友達になりたい」と話したことがわかります。それを聞いた春日君は「仲村さんは実はいい人かも」とか甘いこと考えます。そんなわけなかろう…常にクラスで一人の仲村さんが、他人に話しかけ、友達になろうなんて不自然すぎます。何らかの意図があるのは明白です。


昼飯時、佐伯さんが仲村さんに一緒にどう?と声をかけます。仲村さんは常に一人で飯を食っていた模様。

自分が仲村さんの立場なら、同情心ありありのこの呼びかけに殺意を覚えブチ切れですが、仲村さんはちょっと間を置き、肯定の意を返します。目が死んでる。

仲村さんは本当のところはネガティブな感情を持っていると考えられます。それはこの後の「友達になってあげた」発言もありますし、というか、今までの言動からも、過去に同じようなケースで暴言を吐いてやらかしている可能性大です。
彼女は何らかの打算があって、この申し出を受けたと考えるのが自然です。


ここからの流れがすごいです(誰もうまそうに飯を食っていないという所がみそですね)
食事中、飯を食わず何かしている仲村さん。そしてすぐさま佐伯さんに「春日君のこと好きって本当」と質問し始めます。この質問の意図はなんなのか??そしてすかさず「春日君が変態ならどうする」とか聞きます。2つめの質問は春日君への脅しなのは明白で、同時に(さっき作ったと思われる)放課後来い的なメッセージを渡します。彼女はやり手やで…

放課後、図書室にホイホイやってきた春日君は「本当に好きなら中身もぱっくりみなよ」と仲村さんに迫られ、「佐伯さんは春日君とセックスしたいんって」と言われてしまいます。しかも佐伯さんに目撃されます(たぶんこれは偶然)。

ここで、自分はすごい違和感を感じました。佐伯さんが仲村さんにセックスしたいなんて言うはずがないからです。99%ないと断言できます。では、仲村さんはあからさまな嘘をついたのでしょうか??しかし、それもおかしいと思いました。仲村さんは今までの一連の流れを見ていて嘘をつくのが嫌いだと思われます。彼女は、正直すぎるほど正直で、嘘偽る行為をクソムシと言い嫌悪しています。(春日君のことを好きだという事は例外となりますが・・・)じゃあ、この発言はなんなんだということになります。(なりませんか?)


自分はこの矛盾に対して、5話の時と同じ仮説で説明がつくと考えました。つまり「本当にセックスしたいのは仲村さんである」と考えれば辻褄が合うということです。
まず仲村さんは佐伯さんに「本当に春日君のことを好きなのか」確認をしました。この行為にはちゃんと意味があったということです。そしてその結果をもって「佐伯さんが春日君のことを本当に好きならセックスしたいと考えているはずだ」と判断したのです。彼女は適当を言っているのではなく根拠を持って発言しているということです。
「好きだからセックスしたい」というのは些か乱暴ですが、仲村さんがそう思っているのであれば、むしろ自然と言えるのではないでしょうか。つまり「仲村さんは好きな人とセックスをしたい」のです。「仲村さんは春日君が好きでセックスがしたいと考えている。従って同じく春日君のことを好きな佐伯さんも、同様にセックスしたいと考えているはずである」という発想です。
この後、仲村さんは、春日君も佐伯さんとセックスをしたいと考えているはずだという前提でガンガン話をしてきます。同時に、5話同様、それを隠そうとする皮をはがそうとアプローチしてきます。
面白いのはこれら一連の行動が春日君と佐伯さんの間をぶち壊すのに一役買っているという点です。


自分は6話の時点で「仲村さんが春日君を好きだ」という点と「仲村さんが建前と恰好に拘り、嘘偽る行為で飾る」やつ(クソムシ)が大嫌い(要はバッキバキのMeタイプ)であるという事を確信しました。そして、そう考えて1話から読み返すと「変態ギャグ漫画」である今作が「仲村さんの恋物語」という見方もできてしまいます。ゴミみたいな文章を書き殴りましたが、こういう見方もあるくらいに思って作品を見返せば、また違った視点で楽しめてお得かと思います。


余談ですが、「仲村さんが建前と恰好に拘り、嘘偽る行為で飾る」奴が嫌いと書きました。しかし例外があります。それは春日君です。春日君を前にしたとき、仲村さんはクソムシになります。ボディータッチやら、においをかぐやら、距離が近かったり、メガネ外すやら、罪悪感をえぐる言葉をかけまくって「お前に佐伯さんはふさわしくない。お前にふさわしいのは私だ」と暗示をかけたり、嫉妬してると言われて逆切れしたりしてます。「仲村さんは春日君が好き」と仮定するなら、この強烈な自己矛盾が彼女の中にあるはずです。
これについては、自分がクソムシで周りと変わらないということを彼女は自覚しており、原作通りならアニメ最終話に本人の口から吐露されることになると自分は考えています。


余談の余談ですが、仲村さんは佐伯さんが春日君のことを本当に好きなのか疑っていると思います。自分が仲村さんの立場なら、佐伯さんが自分を嫌っているのではないかと感じ取るケースですので、自分へのあてつけも可能性として考えます。だとしたら、佐伯さんに遠慮する必要などありませんし。