落ち着いたラノベのお気に入りなど

友人が探していたので、ちょっと簡単な紹介含めまとめてみました。

・落ち着いたラノベ

私の解釈では、落ち着いたラノベというのは、


・話がマクロに広がらない=世界とか救ったりしない
・感情がが極端に振れることが比較的少ない(熱すぎる、欝過ぎる)
・文章での遊びが比較的少ない


こんな感じでしょうか。極限的に突き詰めると文学とかになっちゃいそうなので、もちろん程度の問題です。

参考も兼ねて、彼が読んでいるかは斟酌しないでリストアップします。ジャンル分けは適当です。


<現代もの>

東雲侑子シリーズ

東雲侑子は短編小説をあいしている (ファミ通文庫)

東雲侑子は短編小説をあいしている (ファミ通文庫)

詳しくはこちらで。いつも寡黙で無表情、何を考えているのか分からない現役女子女子高生作家、東雲侑子と、ひょんなことから彼女の「恋愛小説」を書くための疑似体験に協力することになって……。主人公の心情を丁寧に描いた恋愛小説。


・スロウ・ハイツの神様

スロウハイツの神様(上) (講談社文庫)

スロウハイツの神様(上) (講談社文庫)

しまったラノベじゃない。しかしこれは必須。落ち着いた作品というと、辻村深月の作品はだいたいオススメになりそうですが、特にこれを推したいと思います。個人的には、人の気持ちが自己中心性を越えて届いて人を救う、奇跡を描いた話だと思っています。めちゃくちゃ面白い、美しい話です。★で言ったら文句なく5つ。




<シニカル>


付喪堂骨董店

付喪堂骨董店―“不思議”取り扱います (電撃文庫)

付喪堂骨董店―“不思議”取り扱います (電撃文庫)

不思議な力を秘めた「骨董品(アンティーク)」を巡る、だいぶシニカルでちょっとミステリテイストな話。無表情なのに実は色々考えていて空回りしまくるヒロインと、何気に一生懸命な主人公、それらを包み込む厳しい世界観が魅力的だと思います。

・キーリ

「まわりくどい性格の頑固な少女(キーリ)と面倒くさい性格の大人げない男(ハーヴェイ)がくっついたり離れたりしながら旅をしていく作品」。これは作者の方があとがきで紹介に使うキャッチコピーですね。キャラが素直じゃない分、話も素ではありませんが、独特の面白みがあります。同作者の現代ものであれば『鳥籠荘の今日も眠たい住人たち』もオススメです。



<ファンタジー

ミミズクと夜の王

ミミズクと夜の王 (電撃文庫)

ミミズクと夜の王 (電撃文庫)

おとぎ話のような雰囲気を持ったファンタジー。中身について触れたくないので外堀から言うと、とりあえずストーリーが素晴らしく洗練されていると思います。一人の少女と成長と愛(これは恥ずかしいが、言わないわけにはいかない)を描きます。同作者の現代ものなら『ガーデン・ロスト』もオススメです。


・ICO

ICO-霧の城-(上) (講談社文庫)

ICO-霧の城-(上) (講談社文庫)

宮部みゆきから一冊チョイスするのにこれはどうなんだと思いましたが、一応。またラノベじゃないかも。「この人の手を離さない。僕の魂ごと離してしまう気がするから」がキャッチコピーであるゲームのノベライズです。一人の少年が、一人の少女を救う話です。

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あんまりたくさん挙げてもなんなので、とりあえずこんな所で。

しかしまあ、出てこない。いかに自分の好みが偏っているか痛感しました。もう少しダークな方面だとたくさんあるのですが…