最近観た映画の記録

インセプション [DVD]
(映画の感想52) インセプション ★★★☆☆
クリストファー・ノーラン監督のSF大作。TVでやってたCMがあまりにも惹かれましたので、映画館に観に行ってきました。クリストファー・ノーラン監督は、「メメント」「ダークナイト」といずれの作品もとても楽しめ、最も好きな監督の1人です。人の夢に入り込み、他人のアイデアを盗む技術を持つ主人公が、最後にアイデアを盗むのではなく植え付けるという危険なミッションに挑むのだが…、というストーリー。何よりもこの作品が面白いのは夢の中の世界に入っていくというところにあります。そこには色々とルールもあり、かなり緻密に描かれています。夢の世界ということで、世界描写は素晴らしい(特にCMでも流れていた、都市が折り紙のように折り曲げられるという描写は素晴らしい!)と思いました。ストーリーは面白かったのですが、ちょっと残念だったのは、ストーリー展開が少し直感的でなかったこと。もう1つは映画後半になるにつれ、夢描写が陳腐化していくところです。夢なんだから、もっと夢っぽさがあっても良かったのではないかと思いました(世界を思い通りに変化させるとか。やり過ぎると本人が夢だと気付いてしまうという設定でしたが、もうちょっと夢っぽくても良かったんじゃないかと)。★3つ。


シャッター アイランド [DVD]
(映画の感想51) シャッターアイランド ★★★☆☆
インセプションに引き続き、ディカプリオです。原作は「ミスティックリバー」の著者(デニス・ルヘイン)らしいです。これはレンタル屋で惹かれDVDで見ました。失踪した女性患者の謎を探るために、孤島にある犯罪者用精神病院を調べに来た連邦保安官だったが、その身に次々と不可解な出来事が起こる、というストーリー。最後には、「あぁ、そういうことか」と納得させられるミステリーというか、サスペンスというか、そんな感じのストーリーです。ストーリーはとても丁寧に作られておりまして、すっきり見終わることができました。最後の結末は、人によっては何通りかに解釈できるという方もいると思うのですが、僕的には1つの解釈に行き着くのではないかと思いました。詳しく書くとネタバレになりますので、本編を御覧下さい。ディカプリオは、昔のタイタニック以降、あまり好きな俳優ではなかったのですが、年を取って渋くなりいい味出すようになったなぁと感じました。★3つ。


プレデターズ [DVD]
(映画の感想50) プレデターズ ★★☆☆☆
ネット情報では評価は散々だったのですが、やはりプレデターということで、これは見逃せないということでうちで見ました。初代のアーノルド・シュワルツェネッガー主演『プレデター』を一応リメイクした感じの本作。舞台を惑星に置き換え、集められたエリート傭兵部隊とプレデターとが死闘を繰り広げるさまが描かれております。プレデター好きですので、それなりにドキドキする場面はありましたが、やはりちょっと脚本がいまいちで、展開が?というところが多々ありました。元々、プレデターという戦士は、人間の科学力からかなり進んだ武装をして、肉体的にも強靭であることが恐怖を作り出しているんだと思います。事実、原作『プレデター』ではシュワちゃんが苦労して苦労して接近して肉弾戦して、という展開でしたが、近作ではハイテク攻撃やら肉弾戦やら、果ては刀での切り合い(笑)まであるので、よくわからん感じに仕上がっています。本作を見て、改めて原作の『プレデター』がいかに素晴らしかったかがわかりました。★2つ。


素晴らしき哉、人生! [DVD]
(映画の感想49) 素晴らしき哉、人生 ★★★★★
1946年のアメリカ映画。往年の名作。様々なランキングなどで見て、ずっと気になっていましたのでついに観ました。アメリカでは不朽の名作らしく、年末やクリスマス時期にこの映画が流されるのは定番となっているそうです。またアメリカの大学の映画学科では、教科書的な扱いとして学生の指針にしている映画であるそうです。主人公のジョージは、いつも何処かでツキに見放され、逆境にばかり遭う運命でした。ある時、大金を失うという絶望に打ちひしがれ自殺を図る。ところが、冬の冷たい河に身投げしようとしたとき、ジョージより先に1人の男が河に落ちてジョージは彼を救う。その男は見習い天使だと告げるが…、というストーリー。極めてシンプルなストーリーですが、極めて後味の良い、そして極めてメッセージ性の深い、まさに感動物の王道である映画でした。題名通り、人生は素晴らしいと言いたくなる心温まる名作です。現実はこうはいかないとか、あまりにもハッピーエンド過ぎると感じる方もいるかもしれませんが、この映画はこれでいいのだと思いました。人生に疲れている時や、困難に遭っている時に、温かい気持ちにしてくれる名作だと思います。★5つ。


陽のあたる教室 [DVD]
(映画の感想48) 陽のあたる教室 ★★★★★
何がきっかけでこの映画を観たのか。それは忘れてしまいましたが、それほど頻繁に取り上げられる映画ではないですが、実に心温まる名作だと思います。主人公のリチャード・ドレイファスの演技が素晴らしいものも原因かもしれません。僕が大学生ぐらいのときに一度見て、それ以来、4回か5回ぐらい観ているほど好きな映画です。主人公は作曲時間欲しさにバンド活動をやめ、高校の音楽教師となる。しかし、まったく音楽に対してやる気のない学生達の姿を見て、彼は音楽の素晴らしさを教えようと決心する。ある時、彼にも息子が産まれて喜ぶ彼であったが、その子は生まれつき耳が聞こえなかった…、というストーリー。人生のよくわからない運命的な幸不幸。それから逃げずに、一人の人間が必死に人生を築き上げるうちに、いかに素晴らしい財産が築かれているかというメッセージを強く受けます。★5つ。


ノーカントリー スペシャル・コレクターズ・エディション [DVD]
(映画の感想47) ノーカントリー ★★★★★
2008年アカデミー賞で作品賞・監督賞受賞ということで、2,3年ほど前に見ました。テキサスを舞台に、麻薬密売に絡んだ大金を手にした男を殺し屋が追っていくというサスペンスストーリー。この映画を観て、何と言っても記憶に鮮明に残るのはハビエル・バルデムが演じる殺し屋の異様な迫力でしょう。恐ろしいまでの異様感、圧倒的な緊迫感は見事でした。また、まったく予想できない展開と結末。観終わったときは「なんだ、この映画は」と思いましたが、その圧倒的な異様感が、いつまでも頭に残る感じがしました。★5つ。


ファーゴ [DVD]
(映画の感想46) ファーゴ ★★★☆☆
ノーカントリー』でコーエン兄弟に興味を持ちまして、各誌などで評価の高いファーゴを観てみることにしました。雪深い情景のアメリカの田舎町が舞台で、単純な偽装誘拐をチンピラに依頼した主人公だが、細かな手違いが積み重なり、連鎖する血生臭い殺人劇へと発展していく顛末を描いたストーリー。ノーカントリーの方が、何倍も「異様」でしたが、コーエン兄弟の独特な雰囲気が出ていました。淡々と、しかし、重厚に連鎖していく物語の展開が、次はどうなるんだろうとゾクゾクさせ、見るものを飽きさせない展開にするのがとても上手だなと感じました。まあ、でも、ノーカントリーの方が圧倒的に良かったので、★はこんなもんで。★3つ。


Tron Legacy /
(映画の感想45) トロン レガシー ★★★★☆
往年の傑作、トロンの続編。前作は1982年だったんですね。小さい時にトロンを見て衝撃を受けて、心から感動したのを覚えています。ライトサイクルのバトルなんかは、本当にゾクゾクしましたね。7歳の息子サムをひとり残し、デジタル界のカリスマであり、仮想世界「トロン」を創り出したケビン・フリンがこつ然と姿を消す。20年後、サムは父から届いたメッセージに従い、「トロン」へ向かう。そこで未知の敵と激戦を繰り広げながら、「トロン」に隠された秘密に迫る、というストーリー。前作は世界初のデジタル・コンピュータ・グラフィックスの導入という、現在では当たり前の技術ですが、当時は画期的な技術が盛り込まれていました。さて、前作からなんと28年の時を経て、3D映画として完成されたトロン レガシー。今回も、最先端の技術が盛り込まれています。恥ずかしながら観に行く前は(そして観ている間も)、その事実を知らなかった(はっきりと気付けなかった)んですが、今回は完全CGによる登場人物が居ます。登場人物・生の人間が「加工」されて登場するSF映画は山のようにありますが、トロンレガシーでは完全に人工物だそうです。すごいですね…。★4つ。


十二人の怒れる男 [DVD]
(映画の感想44) 12人の怒れる男 ★★★★☆
いろんな映画紹介誌などで繰り返し紹介されているのを見て、観てみようと思った映画です。1957年という古い映画です。17歳の少年が起こした殺人事件に関する陪審員の討論が始まったが、誰が見ても有罪と思えたその状況下で、ひとりの陪審員が無罪を主張した事から物語は動き始める、というストーリー。1つの密室で陪審員たちが討論していく様を刻々と描いただけのある意味極めて単純な設定であるが、見る者をまったく飽きさせない構成と、12人の個性・演技力はすごいと感じました。徹底したリアリティーの追及が面白くさせているのでしょうか。これまでに観た、同じ系統の映画としては、「笑の大学」が思い浮かびます。人間のやり取りを徹底的に描くと、それだけで面白いんですね。★4つ。


インソムニア [DVD]
(映画の感想43) インソムニア ★★★☆☆
メメント」でファンになったクリストファー・ノーラン監督の作品ということで観ました。観終わった時の正直な感想は、まあまあでしょうか。もう少し奇想天外というか奇異さが欲しかったと思いました。調べてみたら、1997年に発表されたノルウェー映画のリメイクということで、その辺りに残念ながら制限があったのかもしれません。太陽が沈まないアラスカの大地で、少女殺人事件を追う警部と、その犯人との心理戦が描かれているストーリー。アル・パチーノロビン・ウィリアムズヒラリー・スワンクの競演は見応えでした。特に、不眠症を演じたアル・パチーノの演技はすごいと思いました。★3つ。


ブレードランナー ファイナル・カット [DVD]
(映画の感想42) ブレードランナー ★★★☆☆
ちょっと年が上のSF映画ファンから絶賛を浴びているこの作品。ということで気になって観ました。いくつかの版があるそうなのですが、1992年の最終版をおそらく観ました。正直な感想は、重要なストーリー展開がかなりわかりにくい。後で解説などを観て、ストーリー顛末を理解しました。あと、CGをふんだんに使った今のSF映画を知っている若い人が(僕もおそらくここに含まれますが)、この映画を観てもそれほど心に来るものはないかなと思いました。当時のスターウォーズなどと比較すると近未来描写の仕方が斬新だということでしょうか。また、スターウォーズは、誰もが喜ぶSF映画の王道ですが、ブレードランナーはかなりマニアックな、おそらくオタク達を惹き付ける様々な要素が散りばめられている感じがしました。近未来描写は、実にリアリスティックで、暗く、その辺りも他のSF作品とは対照的だと感じました。いい映画だと思いますが、1回観ただけではなかなか難しいので、★はこんなもので。★3つ。


ナイル殺人事件 [DVD]
(映画の感想41) ナイル殺人事件 ★★★☆☆
アガサ・クリスティー原作(原作は「ナイルに死す」)の往年のミステリー大作。ナイル河をさかのぼる豪華遊覧船で起きた連続殺人事件を描くミステリー。去年、新婚旅行で行ったエジプトの要所要所が沢山出てきて、かなり楽しめました。旅行の時も、ルクソール神殿にて、ガイドさんから「ここが映画で有名な撮影場所ですよ」と柱の立ち並ぶ場所を紹介してもらいましたが、その時はわかりませんでした。ストーリーと結末は、さすがのミステリーの王道(というか原点?)で楽しめましたが、ただ1つひっかかったのが、ポアロの演技。俳優さんが悪いというわけではなく、僕の中でのポアロのイメージがデヴィッド・スーシェで固まってしまっているので、そこがどうしても受け入れられませんでした。デヴィッド・スーシェ版を観たいと思いました。そういえば、最近、deagostiniからマガジン出てますね。あと名探偵ポワロ 完全版 DVD-BOXというのも売っているそうです。欲しいなぁ…。★3つ。


フォーン・ブース [DVD]
(映画の感想40) フォーンブース ★★★☆☆
たまたま手にとってまあまあ面白そうかなと思ったので観ました。結果、まあまあでした(笑)。結構短い映画だった印象があります。ニューヨークで電話ボックスに入った主人公が、売り出し中の新進女優に電話をし誘いだそうとするが、失敗。しかし、受話器を置いて外に出ようとした時、公衆電話のベルが鳴る。思わず電話に出てしまう主人公の耳に入ってきた声は…電話を切ったら殺す、と告げる。そんな感じのストーリー。サスペンスというか、緊張感たっぷりのスリラーというか、そんな感じの映画でした。まあ最後まで飽きませんでしたが、ちょっとストーリー展開・結末に満足はできませんでしたが、さくっと観る感じにはいい感じの映画だと思いました。★3つ。