読書漬け

 朝から空模様があやしかったので、午前中にさっと用事を済ませてから、行きつけの喫茶店で読書。「むずかしい愛」、「水に流して―カルヴィーノ文学・社会評論集」、「ウンベルト・サバ詩集」を交代で読む。

 なんとか「水に流して」を読みきるつもりだったのだけれど、なれない言葉ばかりで四苦八苦。マルコバルドの物語ですっかりはまったイタロ・カルヴィーノをこの際読みつくそうと思い、「文学評論」の方に目が行って気楽に借りたのだけれど、実際は社会学、哲学、美学の用語がたっぷり。語学用に買った電子辞書の広辞苑機能をフルに使うことになるとは、思ってもいませんでした…。
 頭が固くなるたびに、サバと「むずかしい愛」を読んでリラックス。

 サバの詩をまとまって読むのは初めて。シンプルで、土と雨のにおいがします。

 「むずかしい愛」は、何も考えずに読める、というか、はまってしまうのだけれど、後になっていろいろ考えさせられる短編集。登場人物たちの社会と自分、自分の中でも日常の意識と無意識とのあいだでずれていく感覚が、時におかしかったり、こわかったり。

 詩と小説の世界って、深い。そんな、当たり前のことなのだけれど、手軽な読み物になれていた私の目を覚まさせてくれた一日と三冊。