ライブ・ア・ライブの時代考察

ライブ・ア・ライブにおける各編の時代や年代を考察し、古い順に並べる試み。
ライブ・ア・ライブは各編が独立したシステム、独立したキャラクターデザインであるため各編が同じ世界、同じ時間軸でない可能性もある。しかし、別々の世界とするとオディオがわざわざ各編の主人公を集める意味が薄れる。同じ世界の同じ時間軸にある時代の話と考えた方がオディオが各編に干渉できる理由付けにもなるだろう。

ライブ・ア・ライブは我々の世界と良く似ているが同じではない。非常に近いパラレルワールドと考えた方が、各編の時代交渉をする上でも有意義であろう。

原始編

サブタイトルは「接触」。

主人公であるポゴ達が火や道具を使っていることから旧石器時代頃だと考えられる。言葉は擬音にとどまっており十分に発達していない。マンモスが生息していることから200万~1万年前だと推定できる。フィクションを例に取ればギャートルズに良く似た時代であろう。

ただし、旧石器時代と考えると矛盾も残る。一つはポゴはゴリラのゴリと一緒に暮らしている点。CTBNL (Column To Be Named Later) : ヒト進化についてのシラミ的考察 によるとシラミはゴリラから人間に移り、その後人間の毛が減ったことで頭と陰毛に隔たりができ頭シラミと毛ジラミに分化したとする説もあるそうだ。シラミから人間とゴリラは近しい時期があったと推測できる、しかし、旧石器時代に仲良く暮らしていたという話は聞いたことがない。その説では少なくとも300万年前に頭シラミと毛ジラミ分化したと推定している。
もう一つはおーでぃーおーの存在。おーでぃーおーはティラノサウルスに似た恐竜である。恐竜が滅んだとされるのは6500万年前で、旧石器時代とは大きな隔たりがある。
以上の二点が原始編が旧石器時代ではないことを示している。もちろん、フィクションだからと割り切ることもできる。一方で、フィクショだからと考えるとあるアイテムが解決の糸口になる。それが、レアモンスターのキングマンモーが落とす「コーラのビン」だ。コーラのビンが原始編が原始時代ではないことを示している。
見ただけでコーラのビンと分かるということは、くびれた形のコカ・コーラのビンなのだろう。コーラのビンが象徴的に扱われる映画といえばミラクル・ワールド ブッシュマンであるが、この場合ポゴ達は現代から隔離された世界にいることになる。もう一つの可能性は渚にて。つまり、核戦争などで文明が滅びた遥か未来であるとも解釈できる。マンモスや恐竜はバイテクノロジーにより復活させられ、ポゴとゴリが仲良しなのは猿の惑星のあり得た可能性と解釈できる。原始編は遥か未来であると考えた方がSF的に辻褄を合わせることができる。

幕末編

サブタイトルは「密命」。

幕末編の時代は名前からも容易に推測できるが、年月日まで特定可能だ。
ラストシーンで主人公おぼろ丸はとらわれの男である坂本竜馬と共に黒船を見ている。坂本龍馬のセリフである「あの黒船はワシの仲間じゃきに!」からも黒船であることは明らかだ。つまり幕末編は嘉永6年6月3日、西暦では1853年7月8日である。あるいは、翌年の再来校の可能性もある。

日時は明らかであるものの、おぼろ丸が忍び込んだ尾手城がどこにあるか不明である。一つの可能性は小田原城だ。小田原城から浦賀は見えないが、黒船は小笠原経由で浦賀に来ているので経路によっては見えたかもしれない。また小田原と尾手の音が似ていることからも小田原城説を推したい。

功夫

サブタイトルは「伝承」。

功夫編は時代を推察できる要素が少なく、ライブ・ア・ライブの中で最も時代の特定が難しい。地域もよくわからない。アイテムにパンダがあることから四川省の辺りと推察されるが、料理は四川風ではなく回復アイテムとしてフカヒレマンが登場する。フカヒレは潮州料理明(広東省)などに使われる高級食材で明から清の頃に食べられようになった。フカヒレが山奥に流通している点を考えると明の後期以降と判断できるだろうか。

心山拳から時代を推定しようにも、心山拳自体が良くわからない武術だ。
心山拳は肉体よりも内面を鍛える武術であろう。いわゆる内家拳に分類され、太極拳に近そうである。ただし、外家拳内家拳といった分類は必ずしも正しくはない。太極拳は元の時代に張三豊なる道士が少林寺に弟子入りした後に陰陽五行を取り入れて体系化した武術とされるが、これはなかば伝説であり実際は明代末期から清代初期に成立したと考えられている。ちなみに、少林寺禅宗の開祖である達磨大師が創始したとされているが、学術的には明の頃に成立したと見られる。心山拳は老狐の舞など動物を模した技が主体である。十二支を模した拳法である形意拳の一種である可能性も考えられる。形意拳清朝末期に成立したようだ。
心山拳から推定すると功夫編は明から清の時代であると考えられ、これはフカヒレの推測とも近い。

もう一つの手がかりは、心山拳と対立するオディワン・リー率いる義破門団だ。義破門団は義和団を意識したネーミングだろう。義和団の乱清朝末期の1900年に起こった。義和団は単一の集団から成立したものではない。白蓮教の流れを汲む拳法や自警団が由来とされる。何かしらの武力集団であったのだろう。この点は義破門団と一致する。功夫編を武術を主体とする集団の成立から判断すると清朝の中期から末期の1800年から1900年頃の話と思われ、幕末編と同じ時代である可能性が高い。

西部編

サブタイトルは「放浪」。

西部編は時代の推察が容易である。アメリカの西部開拓時代の1860~1890年代頃であろう。O・ディオがガトリング砲を使うことからも1861年以降であると考えれれる。つまり、幕末編の少し後の話であり、功夫編とほぼ同じ時代であるようだ。ただし、マカロニウエスタンと考えると時代設定はあまり意味をなさない。
舞台はサンチョ、デロス、パンチョがメキシコ人であることからメキシコに近く西部劇の舞台としても有名なアリゾナ州であろう。

現代編

サブタイトルは「最強」。
現代編は文字通り現代だ。ライブ・ア・ライブの発売が1994年であるから1990年代前半である。

近未来編

サブタイトルは「流動」。

近未来も正確な年代を予想するのは難しい。技術から推定するにも近未来編に登場する技術は実現されていないものが多い。一方で近未来ではあるものの、話の要素は80年代の熱血スーパーロボットであり、プロレスが昼間にテレビ放映されている70年代テイストというか正に「昭和」である。しかし、近未来編の年代を推定するキーワードは「昭和」である。
未来編の終盤、主人公アキラが兄と慕う無法松は昭和生まれの男の維持を見せ絶命する。つまり、無法松の年齢が分かれば未来編の年代が推測できる。

無法松は反体制を訴えていたが現在は暴走集団と成り果てているクルセイダースの初代リーダーであり、アキラの父親を殺した過去持つ。アキラの年齢は16、7歳で父親が亡くなったのが5歳頃とすると無法松がクルセイダースとして活動していたのは10年前だろう。恐らくクルセイダースのメンバーは20代が中心であろう。その中のリーダーならな25歳くらいだろうか。作中では35歳くらいと考えると、ちょっと頼れるアニキという気がしないでもない。
さて、昭和の男を自称するからにはせめて思春期は昭和を過ごして欲しい。すると、昭和45~50年、つまり1970~1975年生まれで近未来編は2005~2010年頃となる。ちょうどライブ・ア・ライブ発売の10~15年後であり近未来と言うに相応しいのではないか。

SF編

サブタイトルは「機心」。

SF編は2001年宇宙の旅やエイリアンを意識した作品である。ただし、これらの作品から年代は推測できない。キャプテンスクウェアが2099年のゲームであることからそれ以降であろう。
SF編は恒星間を行き来する輸送船である。コールドスリープを利用していることから航行にはそれなりの時間がかかりそうである。この点からSF編は2100~2150年位の話でなかろうか。

中世編

サブタイトルは「魔王」

中世編は文字通りに受け取ると中世ヨーロッパの頃であろう。一般に西ローマ帝国滅亡(476年)のあたりから東ローマ帝国滅亡(1453年)のあたりとされる。ただし、中世編は剣と魔法のRPGの世界であり文字通り解釈しても良いのか疑問が残る。

オルステッドは御前試合で優勝し王女アリシアに求婚する権利を得る。御前試合は一騎打ちのトーナメント方式である。トーナメントは馬上槍試合に由来する。馬上試合は11世紀ごろから始まったとされている。また、一介の騎士が御前試合で優勝したとは言え王女に求婚する権利を得られることから、16世紀のような絶対王制政権下ではなさそうである。このことから中世編は中世盛期の1000~1300年頃ではないだろうか。

各編を古い時代順に並べる

  • 原始編(旧石器時代:200万~1万年前)
  • 中世編(中世盛期:1000~1300年頃)
  • 功夫編(清朝中期~後期:1800年~1900年頃)
  • 幕末編(黒船来航:1853年7月8日)
  • 西部編(アメリカの西部開拓時代:1860~1890年代頃)
  • 現代編(ライブ・ア・ライブ発売日付近:1994年前後)
  • 近未来編(1994年からの近未来。推定で2005~2015年)
  • SF編(作中のキャプテンスクウェア発売以降。2099年以降)
  • 原始編(コーラのビン説を取るならば人類文明が滅びた未来)