オーストラリアで売れている車
オーストラリアは車が高いです.10年前の走行距離10万Kmを遙かに突破したセダン(例えばカムリ)が1万ドル以上で売られていることも多いです.
80年代のおわりまで,オーストラリアは車について自国産業を保護する政策を取っていたため,輸入車に多大な関税を課していました.その当時はおよそ60%の関税がかかっていたそうです.しかし,過剰な保護政策では,オーストラリア車の競争力は下がるばかりですし,消費者にとっては多大な負担になります.そこで,この10年で段階的に関税を下げ,現在は10%にまで下がりました.その結果として,多くの車がオーストラリアに輸入されるようになりました.
このへんの記事を参考にオーストラリアで売れている車を調べてみました.
最も売れている車は,HoldenのCommodore,つづいてFordのFalconでした.この2台とも排気量が4000cc近い大型のセダン or ワゴンです.実際,町中でもこの2台は本当によく見ます.Holden, Fordとも,米国資本の会社ですが(HoldenはGM系),製造はオーストラリアで行っています.ですから,この2台は最も典型的なオーストラリアの車と言えると思います.
日本車も頑張っています.人気車種の10位に,日本由来の車種は4台含まれています(Toyota 3,Mazda 1.残りはHolden4, Ford 2).なお,3位,4位にはToyotaのカムリ,MazdaのMazda 3 (日本名,Axela)が入っています.カムリはトヨタがオーストラリアで生産している車種のため,値段も安く,サイズも手頃で人気があるようです.一方,Mazda 3は,各国の賞を受賞するなど評価が高く,輸入車として最大の売り上げを誇っています.見た目も実際かっこいい.
日本のメーカーはとても人気があります.メーカー別の売り上げ第1位はToyotaですし,上位10社のうち6社は日本由来です(Toyota, Mazda, Mitsubishi, Nissan, Honda, Subaru).もっとも,ToyotaとMitsubishiはこちらで多くの車を生産していますし,Mitsubishiは実質ドイツ系とも言えるので,純粋な輸入車としてのMazdaが注目されるべきでしょうか?でも,MazdaもFord系?
まだまだ,オーストラリアで車は高いですが,このところの関税引き下げの効果もあり,近頃は新車がそれこそ飛ぶように売れているそうです.一昔前はぼろぼろの車を自分でなおして乗るのが当たり前だったそうです.もちろん今でもたくさんのぼろぼろの車が町中を走っています.しかし,このような文化(?)も,小型車なら2万ドル出せば新車が買えるようになってきたことを考えると,これからだいぶ変わってくるでしょう.
あと10年も経つと中古車市場も一変するかもしれません.日本並みとはいいませんが,せいぜいアメリカ並みくらいには安くなるかもしれません.