メルボルンでこつこつとやる

2007-03-14 英語は必要か?

[][]英語は必要か? 15:05

研究者として英語は絶対に必要です。特に心理学学問体系の基礎をヨーロッパベースの文化においています。ですから,その文化における学術的公用語である英語なしに研究はできないでしょう。きちんとデータをとる分野でこの傾向は顕著になります。

ただ,英語を学ぶことによる損失も存在します。まず,時間および労力の損失です。非英語圏研究者は英語を学ぶことに非常に大きな時間と労力を費やします。英語にあてる勉強時間をそのまま研究にあてられたら,生産性はもっとあがるかもしれません。また,英語を学ぶことにより文化の独自性が失われるかもしれません。昔から言われていることですが,日本では海外の研究を焼き直したようなものがとても多く行われています。この傾向は英語の重要性が高い分野や文化による差があまりない分野で特に強いかもしれません。心理学に限れば,知覚の実験心理学などが当てはまるでしょうか。日本の知覚心理学研究レベルは国際的にも高いですが,研究の源流は海外にあります。また,レベルが高い研究者も海外で教育を受けたり,トレーニングを受けたりしています。臨床系の研究者のなかには英語と無縁の人もいます。こういった人の中には独自の世界を創り上げている人もいてこれはすごいなと思うことがあります。あくまでも印象論ですが,外国語を軸にしないことで,独創的なものができるのかもしれません。

研究面で,レベルの高い英語圏からの影響が強いのはしょうがないと言えばしょうがない。しかし,研究以外の面では,英語圏からの影響があまりにも強いのはどうかなと思っています。なにごとも価値観が多様な方がよいと私はおもっているので。

価値観の多様性を失わないためにはあまり英語を一生懸命やらない方がいいのかもしれません。日本が独自の文化を発展させてきた背景には地理的な断絶と言語的な断絶があります。これらが外国からの直接的影響をだいぶ小さくしてきました。いまでも日本国内で生活する限り,英語を含め,外国語を使う必要はほぼ全くありません。もちろん日本鎖国をしているわけではありませんし,貿易をせずには存続できません。ですから外国語を理解して使う人もいなくてはなりません。でも,そんなひとは人口の5%くらいいればいいんじゃないですかね。ほとんどの人は日本語だけでもまったく困らないでしょう。実際ほとんどのひとは困ってないでしょう?

日本はとてもユニークな文化を持って,しかもそれをある程度維持して発展してきました。アジアアフリカ東欧の国々ではその点を非常に評価しています。これら以外の国でも,ユニークな文化を評価する人はたくさんいます。日本食にしろ,日本庭園にしろ賞賛する人はたくさんいます。この辺は金持ちが好むものになっています。別の角度ではマンガ,アニメ,電気製品などをとてもカッコイイものだと評価する人も多いわけです。これは主に若者中心でしょうか。

一生懸命,英語を勉強してこういうユニークでカッコイイものを失うのもばかげているよなあと,英語の国への出張中に考えておりました。

izugaeruizugaeru 2007/03/16 01:26 臨床系にいる身としては,英語と無縁な臨床系研究(?)者の独自の世界って,わけわからんことが多いというのが感想です。それでも,最近世界から注目をあびている森田療法のように,独自の世界が評価される側面もあります。

とりあえず,日本のマンガ,アニメ文化は世界一です。これはゆずれない。最近,日本に生まれて本当に良かったと思う理由はそいつだったり・・・

lateral55lateral55 2007/03/16 08:01 >>わけわからんことが多いというのが感想です。

たしかに,妥当性には疑問がつくこともあります.
ただ,発想可能性や新奇性という面だけから
考えると非常に関心することがあるのです.

>>日本のマンガ,アニメ文化は世界一です。

ですです.

2007-01-05 Borat

[][]Borat 06:35

友達に勧められて見てみた.爆笑.ここ2時間くらいYouTubeで片っ端からmovieを見て笑いっぱなしです.

例えば,こんなのとか.

D

How much is she? はタイミングといい内容といい -Priceless!

他にも

D

How do you recommend to cook this? は掛け値なしに -Cooooool!

まだまだまだまだ見切れないくらいある.ほんとに久々に大笑いしました.

2006-12-26 いじめ問題について少し

[]いじめ問題について少し 10:03

新聞テレビで連日報道されるように,小中学校におけるいじめは現在最大の関心を集める社会問題です.文部科学大臣がいじめられっ子,いじめっ子に対するメッセージを繰り返し発する様子からもそれが見て取れます.大臣だけでなくテレビや新聞でも著名人が様々なメッセージを出しています.このような取り組みは配慮もしつつどんどんやっていただければと思います.

一方で,気になることもあります.

いじめの当事者である子供たちへのメッセージは確かに多くあります.いじめられっ子を勇気づけるものもあれば,いじめっ子を諭すものもあります.しかし,学校や教育委員会などについてはただ怠慢を避難するばかりのものしか目に付きません.

こういう学校を避難するような報道を見ていて気になるのは,いじめという事態を把握することの難しさ,解決のための手段を講じる困難さ,そしてそれらに対する動機付けがまるで棚上げになっていることです.

一般に事態の重要性を認識することは簡単なことではありません.目の前で起こった火事や殺人事件ですら,それを何だか認識できないことはままあるのです(*1).さらに,いじめは往々にして隠れた場面で起こるのですから,事態は非常に把握しづらいでしょう.

また,いじめを認識したとしてもそれを解決する効果的な手法をどれほどの学校関係者が知っているというのでしょうか?ただ,子供たちを注意すればよいというのでは,あまりにも素朴すぎますし,稚拙です.

加えて,いじめを把握することの利益も,解決することの利益も,学校関係者には,残念ながらあまり多くないことを認識しておかなくてはなりません.むしろ,大局的に見れば現状は損失が大きいといえるかと思います.

いじめの全体件数から見えれば自殺など深刻な事態となるのはごく少数です.絶対的多数では,被害者側が一方的に苦難と我慢を強いられ,卒業やクラス替えなど何らかの形で事態が収束するのをまつばかりです.このような被害者には残酷な現状があったとしても,現場はそれなりに機能しています.被害者から見れば何事もないように学校はきわめて日常的に機能するのです.いじめを把握し,それを解決することは,「それなりに機能している」現状を大きく変えなければなりません.それには大きなコストがかかります.しかし,それに対する見返りはそれほど多くないでしょう.下品なはなしかもしれませんが給料が増えるわけではありません.業務評価があがるわけでもないでしょう.むしろ,いじめが表に出ることによ,学校や担当教員の指導能力の欠如が疑われることのほうが多く,それにともなう損失のほうが大きくなると考えられます.もちろん深刻な事態が起これば,損失は計り知れないものになりますが,そのような事態に発展するケースはあまり多くありません.

被害にあった子供たちを前に,コストや見返りなどのはなしをするのは言語道断だという意見もあるでしょう.子供たちが受けた損失こそを重視すべきだという意見もあるでしょう.ただ,子供だけを見ていて,見えてこない問題点もあるのではないかと思うのです.

いじめを把握し,解決することの困難さをきちんと理解した上で,学校におけるいじめに絡む利益構造を変えることも,子供たちへのメッセージ同様に必要なことではないでしょうか?教師は聖人ではないのですから,何でも魔法をつかって解決できるわけではありません.

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(*1)この辺のはなしは社会心理学研究されています.入門書として

冷淡な傍観者―思いやりの社会心理学

2006-11-15 なぜ研究をするのか?:個人的動機付け

[]今日のお仕事 23:02

  • 昔の上司およびその部下と業務連絡.気をつかって疲れる.
  • 別の昔の上司から研究の話.プロポーザルが送られてくる.こっちは楽しい.コメントを返す.
  • 注意動物実験について共同研究者からメール.コメントがなかなかいい.こっちでは思いつかなかったことがさらっと書いてある.助かるなあ,共同研究って楽だなあ.
  • うつバイアス実験の刺激準備.いろいろ検討して,明日印刷することにする.焼き肉でもおごって人手をあつめますか...
  • 依頼のあった博論審査にむけて,学位論文を読む.序論がよくかけている.レビューがうまい.よく勉強しているのがわかり,なかなか頼もしい.でも,実験にはいるとなんかちょっと読みにくくなるんだよなあ.こぴぺしたのかなあ.
  • その審査のための書類づくり.
  • ああ,講義の準備するの忘れた.orz

2006-11-10 The memory keeper’s daughter

[]今日のお仕事 18:55

  • 注意運動実験,第2稿終了.序論はだいぶ変わりそれにあわせて考察も少し変える.あと,3回くらい全体的に書き直して終わりかな.今週までにはと思ったのだが来週の頭になりそうだ.週末にやればいいんですが,知り合いの結婚式とかいろいろ入ってんだよなあ.
  • 論文指導.学部生が卒論の締め切りおよびゼミ論の締め切りに少し焦ってきている.まあ,焦ってもらわないと少し困るのでいいことです.ゼミ論の人たちは,四苦八苦しながらもよく勉強している.自分の昔を考えると比べものにならない.
  • 講義準備.WMのはなしを少しレビューする.まあ,そんなに新しいことはいれんでもいいか?
  • 論文.スポーツ心理学のRを読む.ひどいなあ.でもこんなんでacceptされるなんて,すてき.Cのむかしのものも読む.これはたいしたことないけどいいとこに載ってんなあ.オレもトライしてみるか.
  • 読書.Lを読む.そう,わたしは物理が心理に変わるのがなぜだが知りたいのだった.最近あやふやになっていた基本的な問題意識思い出させてくれた.詳しくはそのうちレビューしよう.

2006-11-08 学位論文にある2つの基準 (その2):厳しい基準

[]学位論文にある2つの基準 (その2):厳しい基準 16:26

11/2のエントリー学位論文にある2つの基準:ゆるい基準あるいは最低基準のつづきです.前回は学位論文としてのゆるい基準を書きました.今回は厳しい基準について,学位論文を仕上げた人に期待することという少し違った視点から書きます.ロテ職人さんのところの議論 (http://blog.rote.jp/2006/11/07-190000.php)触発された部分もあります.

卒論については何かを達成しやり遂げたという感覚を持ってほしい.どんな場合でもそれ以上のものを望む向上心みたいなものはあるでしょう.それでも,その時点での全力は出しきったという感覚がなににもまして重要であると思います.

修論,博論になると,卒論のように達成感だけを問題にするわけにはいきません.ある程度,研究者としてのレベルを問うことが必要になります.

修論を書いた人は,自分が用いた検討方法,自分のデータ,そしてその解釈について世界で最も詳しい人間になってほしい.修論に書かれたことについては誰にも負けないくらい詳しく理解しているべきです.その一点だけなら,世界中の誰とでも張り合えるくらいでなくてはなりません.

一方,博論を仕上げたなら,その研究領域の専門家として世界的に認知されることを期待されます.修論では自分のデータ,方法だけに特化した知識,技術が要求されたのに対し,それよりも幅広いものが求められます.実際,高いレベルの博士論文を仕上げた人なら,博士論文に関連したテーマについて国際的な雑誌から査読の依頼が来たり,共同研究の依頼や,研究上の質問などが世界中の専門家から来るようになるでしょう.そんなに高くなくてもある程度のものでもこのくらいのことは起こるかも知れません.

どうせ研究をなら,やっぱり誰もがやったことがないことをやりたい,誰も見たことがない世界を一番最初に見てみたいものです.心理学は,必要な研究設備,分野としての歴史,テーマとしてのフレキシビリティから考え,他の分野に比べ遙かに容易に世界の一線で活躍できる要素がそろっています.それなのに上を目指さないのはとてももったいない.

ですから,学位論文は資格取得や学位取得のためのハードルではなく,どうせやるなら世界の最先端の研究へつながるものであるべきだと思います.すくなくとも意識としては.

[]今日のお仕事 16:41

  • 注意動物実験,第1稿脱稿.ちょっと変な書き方をしたからだいぶ直さないといけないだろう.まあ,パイロットのレポートですから程々にしておこう.イントロにattention windowの話を加えて,モデルの部分を少し書き換える必要がある.明日やろう.
  • 論文指導.Susanちゃんの論文はなかなか良いテーマで良い結果なのだが,方法がイマイチ主観的なので低評価なんだろうなー.もっといい方法はないかと考えたがちっとも思い浮かばない,残念.
  • 来年度関連であちこちにメールを出す.

izugaeruizugaeru 2006/11/09 21:47 お久しぶりです。まだ小生などとても未熟ですが,エントリの内容はとても同意できますし,そうなりたいと思っています。

>心理学は,必要な研究設備,分野としての歴史,テーマとしてのフレキシビリティから考え,他の分野に比べ遙かに容易に世界の一線で活躍できる要素がそろっています.

これは確かにそうですが,Clinical Psychologyにおける研究については,先行研究を眺める限り世界の第一線を目指すのは非常に難しい気がしています。その辺り,海外の院生はどんな感じなんですかね?

日本はclinical psychologyの分野で世界で活躍できる人材は現在ほとんどいないと思うし,環境も全然整っていないと思いますが,やっぱり日本にもclinical psychologyがあるんだということを示したいです。だから,

>どうせやるなら世界の最先端の研究へつながるものであるべきだと思います

これは本当にそうだと思います。

lateral55lateral55 2006/11/10 12:21 こちらこそお久しぶりです.同意いただけてうれしいです.特に臨床領域の研究トピックを扱う人に同意をいただけてとてもうれしいです.

>Clinical Psychologyにおける研究については,先行研究を眺める限り世界の第一線を目指すのは非常に難しい気がしています。

なんでそういう気になるのか,もう少し詳しくお教えいただけたらと思います.

APAの一連の臨床系の雑誌を見たり,その辺に出している人と話しても絶望的な差があるようにわたしは感じません.日本でも出しているひとがいるわけですし.

>海外の院生はどんな感じなんですかね?

ひとによりますが,研究指向の強い院生はトップジャーナルに載せることを意識して学位論文に取り組んでますし,実際に載せてます.研究指向の強い研究室ですとPublicationへのプレッシャーもけっこう強いですね.

izugaeruizugaeru 2006/11/10 22:22 海外の院生(博士課程ですよね?)はトップジャーナルを意識して研究やってる人が確かにいるんですね。自分が今までいた環境ではまったくそういう臨床系研究者をみかけなかったので,想像がつきませんでした。

>APAの一連の臨床系の雑誌を見たり,その辺に出している人と話しても絶望的な差があるようにわたしは感じません.日本でも出しているひとがいるわけですし.

これは少し自分の自信のなさによる過剰反応かもしれませんが,念頭においているのが治療効果研究やコホート研究で,さらに臨床サンプルを用いているという点から感じられるのだと思います。やはり,Clinical PsychologyというとまずJournal of Consulting and Clinical Psychologyが思い浮かび,それに掲載されているものを見てびびってしまうわけです。

研究を行うのに多数の人が関わり,お金もかかり,臨床サンプルも一定数必要になると,どこかのメンタルヘルス専門機関にでも所属していない限り,実現不可能だなあ,と思ってしまいます。

lateral55lateral55 2006/11/11 09:31 >海外の院生(博士課程ですよね?)

イギリスやオーストラリアだと3年で博士がとれるので(博士をととるのに修士はいらない)実質日本の修士在学ぐらいの人が投稿してます.

>念頭においているのが治療効果研究やコホート研究で

これだとたしかにそう簡単にはいかないですね.
ただ,戦略的な指導者なら,院生にもっと小さな規模で研究
を進めるように指導するでしょう.あるいは小規模でできる
ものと並行して研究を進めるように.

2006-11-07 若い人の意見も聞きたい

[] 若い人の意見も聞きたい 06:59

タイトルはなんつーか団塊の世代周辺の人の常套句ですね.ある懸案についてこれを理由に非公式な集まりに呼ばれたりします.でもねー,そんなときに若い人が意見が言えることなんてないんですよね.まー,意見が聞きたいと言うよりは,若い人に自分の意見をわからせておきたいというのが本来の趣旨ですし.

わざわざ若い人を集める場を設定すること自体,自由な意見交換ができていない組織であることを象徴するわけですが,それが無駄はありつつ,ある程度円滑に動いているように見える組織のあり方なんだろうなあと思ったりするこのごろです.

[] 今日のお仕事 06:59

  • 注意動物実験の考察を一番やっかいなところまでは書く.やっかいなところはある程度簡単に書いてしまおう.どっちにしろパイロットだしね.
  • 急な事務仕事.A4ぺらの文章を急いで作成.適当なことを書くのは,おれ得意なんだよなー
  • 会議,会議,会議

2006-11-02 学位論文にある2つの基準:ゆるい基準あるいは最低基準

[]今日のお仕事 17:21

  • 注意動物実験の結果を書き終わる.考察もちょっと書く.まあ,考察というか展望だよなあ.来週までにはcollaborators に送ってしまいたいのだが...
  • 何人かから今年の学振の審査結果を聞く.みなさん厳しい.特にPDは積み残しが大量にいるので相当の激戦のようである.
  • Eの論文とQの論文を読む.Qはずいぶん若いんだなあ.

2006-11-01 The namesake

[]今日のお仕事 23:35

  1. 注意動物実験の方法と結果を書く.分析結果を細かく見てみるとマッチング刺激の偏心度がやっぱおおきすぎたかなー.まあ,偏真度だけで反応時間と正確さのトレードオフを説明できるわけではない.でも,エラーをとにかく減らしてしまえばこの問題はなくなるだろうから,偏心度を減らして提示時間を長くすることで多少問題は解決できるかもしれない.まあ,手がかり小条件の結果はそれほど悪くない.次ですよ次.
  1. 来年度の手配のためにあちこち連絡をとる.組み合わせパズルのようになってきた.あっちをあわせようとするとこっちがずれるし,こっちをあわせようとすると別の箇所がずれてくる.
  1. 実験器具をお買い物.10万円くらいで分析用の自作機を組み立てる予定.ケースはSiverStoneのシルバーにした.けっこうかっこいいとおもうんだけどなー.http://www.directron.com/sstsg01s.html あと,被験者のパフォーマンスモニター用のモニターも買おう.アームをつけるんだ.こういうの→http://www.eizo.co.jp/products/ac/detail/arm_f2/index.html

2006-03-29 出張中

lateral552006-03-29

[]出張中 05:29

しばらく南へ出張中です.南は寒いかと思ったらそうでもないですね.夏の終わりの今ならメルボルンとの違いはあまり感じません.

そんなわけでこんなビールを飲みながら仕事をしています.