graphics package のエラー解決方法
LaTeX Error: Unknown option dviout for package graphics
というエラーメッセージを返されてしまいました.
今回はその解決メモです.
dviout関係の情報はError on dvioutが詳しいです.
ディレクトリを調べてみると…dviout\GRAPHIC\LATEX2Eのcolor.cfgとgraphics.cfgの方が…share\tex\latex\configにあるcolor.cfgとgraphics.cfgより古いようです.
そこで…dviout\GRAPHIC\LATEX2Eのcolor.cfgとgraphics.cfgを…share\tex\latex\configにあるcolor.cfgとgraphics.cfgへ上書き(ファイル名変更して保存しておくのが吉)してみるとエラーが解消されました.
なぜこのようなことが起きたかは不明ですが忘れないために解決した方法をメモしておきます.
LaTeX環境整備(TeXworks)
最近またLaTeXを時々使う機会があるのでLaTex環境を整備しようかと思い,そのメモです.
今回LaTeX環境としてTeXworksを導入します.
理由は無料であること・W32TeXによる初期設定が良いこと・補完機能があること・アウトライン(TeXworksではタグ)機能があること・latexmk設定が容易なことが挙げられます.
奥村晴彦 著 『LaTeX2e 美文書作成入門』 (改訂第5版) でもおすすめの統合環境になっているようです.
なお,今回のメモはWindows7 64bitにおける環境整備です.
Windows用日本語TeXのインストール
「角藤さんによるW32TeX」を使用していますが新しくなったりするのでTeXインストーラ3で再インストールします.
インストール情報などはTeX インストーラ 3 (abtexinst.exe) - TeX Wiki参照
その他のインストーラについてはTeX installers for Windows - TeX Wiki参照
TeXworks設定
最新版のW32Texでは組み込みのPDFビューアに日本語を表示させるための「cid-x.map」の内容も変更されていたので特に設定はいりません.
念のため組み込みの PDF ビューアに日本語を表示させるで確認します.
タイプセットの設定については後述します.
スペルチェックの辞書の設定についてはW32TeXにスペルチェックの辞書が含まれていますので設定不要です.
背景色・文字色の変更もできますが自分は特にしません.
TeXworksタイプセットの設定
W32TeXではpdfpLaTeX がデフォルトになっていますので初期設定で日本語が使用できます.
一度のコンパイルで必要回数のコンパイルを行ってくれるlatexmkを利用したいので追加の設定をします.
なおlatexmkの実行にはPerlを動かす必要があるのでStrawberry Perlをインストールします.
Strawberry PerlのインストールについてはStrawberry Perl for Windowsを入れた - 結城浩のはてな日記やStrawberry Perlのインストール: 小粋空間参照
追加のタイプセットはlatexmkからのdviとpdfファイルで十分なのでLatexmk1(以下のリンク先に合わせて)のみとします.
具体的には
TeXworks.exe実行 → ツールバーの編集から設定 → タブのタイプセットを選ぶ → タイプセットの方法の+ボタンをクリック
「タイプセットの方法を設定する」ウィンドウが開きます.
名前に「Latexmk1」記入する.
プログラムに「latexmk」を記入する.
引数に「-e」
「$latex=q/platex" "-synctex=1" "-kanji=utf8" "-guess-input-enc/」
「-e」
「$bibtex=q/pbibtex" "-kanji=utf8/」
「-e」
「$makeindex=q/mendex" "-U/」
「-e」
「$dvipdf=q/dvipdfmx" "%O" "-o" "%D" "%S/」
「-norc」
「-gg」
「-pdfdvi」
「$fullname」
を+ボタンで追加する.
Latexmk1の設定が終了したらタイプセットタブのデフォルトをpdfLaTeXからLatexmk1に変更して終了します.
その他の追加のタイプセットについては自分は特にしません.
TeXworksタイプセットの設定の情報はTeXworksタイプセットの設定 - TeX Wiki参照
疾患と検査の関係(感度・特異度・陽性的中率・陰性的中率)
Twitterでもつぶやいていた内容のまとめをブログでします.
内容は疾患と検査の関係についてどのように考えるのかについてです.
参考にしたのは『第23回 診断精度の指標とROC - 核医学文献情報研究会』です.
疾患と検査には以下の表のような関係があります.
また,疾患と検査の関係はベン図で以下のように表わすこともできます.
疾患と検査の関係を表す指標である感度・特異度・陽性的中率・陰性的中率について考察していきます.
感度sensitivity
疾患と検査の関係表からわかるように感度とは疾患有のうち検査陽性になる割合を表したものです.
いいかえれば,疾患が有ることを正しく陽性といえた割合です.
このことを条件付き確率で表せば
となります.
特異度specificity
疾患と検査の関係表からわかるように特異度とは疾患無のうち検査陰性になる割合を表したものです.
いいかえれば,疾患が無いことを正しく陰性といえた割合です.
このことを条件付き確率で表せば
となります.
陽性的中率positive predictive value
疾患と検査の関係表からわかるように陽性的中率とは検査陽性のうち疾患有になる割合を表したものです.
いいかえれば,検査が陽性であることが正しく疾患が有るといえた割合です.
陽性的中率ではベイズの定理を用いて
となることから
陽性的中率=感度×有病率/(感度×有病率+(1−有病率)(1−特異度))
によって求められることがわかります.
陰性的中率negative predictive value
疾患と検査の関係表からわかるように陰性的中率とは検査陰性のうち疾患無になる割合を表したものです.
いいかえれば,検査が陰性であることが正しく疾患が無いといえた割合です.
陰性的中率ではベイズの定理を用いて(途中省略)
となることから
陰性的中率=特異度 × (1−有病率) / (特異度×(1−有病率) + 有病率×(1−感度))
によって求められることがわかります.
有病率によって変化する陽性的中率と陰性的中率
検査の感度と特異度をどのように決定するかは検査をする側にとって大きな問題になります.
このことについては先にあげた参考サイトにROC曲線を用いた説明があります.
そこでここでは検査をされる側の視点に立って感度と特異度がわかっている検査において陽性的中率と陰性的中率がどのように変化するかを考えます.
陽性的中率と陰性的中率のそれぞれの式からわかるように両者は有病率に依存します.
どのような形で依存するのかをグラフで示してみます.
つぎのグラフは感度99.1%,特異度99.5%という大変優れた検査精度を仮定したときに有病率を0〜5%まで変化させたときのものになります.
全体像を見るために感度99.1%,特異度99.5%という検査精度を仮定したときに有病率を0〜100%まで変化させたときのグラフも示します.
検査精度(感度・特異度)を向上させた場合でも
- 有病率が低い場合には,陽性的中率も低く・陰性的中率は高くなる傾向
- 有病率が高い場合には,陽性的中率も高く・陰性的中率は低くなる傾向
であることがグラフから読み取れます.
感度と精度を変化させてもっと実感できるようにCASIOが提供している高精度計算サイトに以下の自作式を作りました.
数式番号について,節番号への変更・特定行の番号なし・同じ番号の使用・番号の途中設定
久々にLaTeX使ったら忘れていることばかりだったのでメモします.
今回メモするのは数式環境における数式番号についてあれこれです.
align環境使えるようにプリアンブルの\usepackage{amsmath,amssymb}をデフォルトにします.
ちなみに数式の参照は\ref{番号}だと「番号」だけだけど\eqref{}だと「(番号)」になるのもメモメモ.
数式番号について節番号への変更
数式番号を節番号にするにはプリアンブルに
\makeatletter \renewcommand{\theequation}{% \thesection.\arabic{equation}} \@addtoreset{equation}{section} \makeatother
を書く.
おまけとして章-節-節毎の番号にするにはプリアンブルに
\makeatletter \renewcommand{\theequation} {\arabic{chapter}-\arabic{section}-\arabic{equation}} \@addtoreset{equation}{section} \makeatother
を書く.
数式番号について特定行の番号なし
複数行にわたる数式において,特定の行だけ数式番号をなくすには
行の末尾に\notag
を書く.
例えば
\begin{align} 1 \label{eq:1} \\ 2 \notag \\ 3 \\ \end{align}
とすれば
1 (1) 2 3 (2)
みたいになる.
数式番号について同じ番号の使用
一度書いた数式番号を再び使いたいときは
align環境で末尾に\tag{\ref{ラベル番号}}
を書く.
例えば
\begin{align} 1 \label{eq:1} 2 \end{align} ... \begin{align*} 1 \tag{\ref{eq:1}} \end{align*}
とすれば
1 (1) 2 (2) ... 1 (1)
みたいになる.
数式番号について番号の途中設定
数式番号を途中から変えたい(とばしたいなど)場合は
\setcounter{equation}{次に始めたい番号-1}
をとばしたい数式環境の前に書く.
例えば
\begin{align} 1 \label{eq:1} 2 \end{align} ... \setcounter{equation}{10} \begin{align} 3 \label{eq:11} 4 \end{align}
とすれば
1 (1) 2 (2) ... 3 (11) 4 (12)
みたいになる.
スポーツについてシステム的観点からのルールの公平性と娯楽性
ロンドンオリンピックが行われている影響もあって,スポーツについてシステム的観点からルールの公平性と娯楽性を考えてみることにしました.
スポーツについてのモデル構築
スポーツについてシステム的に考察するためにスポーツのシステムをモデル化します.
概念と用語の定義
考察の基礎となる諸概念・定義を定めます.
スポーツの定義としは,Wikipediaから以下のようにします.
スポーツ:人間が考案した施設や技術,ルールに則って営まれる,遊戯・競争・肉体鍛錬の要素を含む身体を使った行為
つぎにスポーツのシステムを構成する三種類の区分を以下のようにします.
- 行為者 : スポーツを実際に行う集団(チーム)
- 運営組織 : スポーツを運営する集団(組織)
- 娯楽受益者 : スポーツを観戦する集団
この三種類の区分の構成関係は以下のVen 図のようになるとします.
三種類の区分の構成関係でのポイントは行為者と娯楽受益者両者に共通する集団はいないとすることです.
この三種類の区分によって生じるシステムの現実的かつ本質的な組み合わせは次の四種類となります.
- 行為者と運営組織と娯楽受益者のシステム
- 行為者と運営組織・娯楽受益者のシステム
- 行為者・運営組織と娯楽受益者のシステム
- 行為者・運営組織・娯楽受益者のシステム
以降では各システムにおけるルールの公平性と娯楽性について考察していきます.
1.行為者と運営組織と娯楽受益者のシステム
行為者と運営組織と娯楽受益者のシステムでは,スポーツを構成する区分の関係は以下のVen 図の灰色部分のようになります.
行為者と運営組織と娯楽受益者のシステムは以下のように表せます.
このモデルの特徴は行為者と運営組織と娯楽受益者が独立していることであり,そのことから以下のような運営が行われます.
- 行為者と運営組織の間では,行為を行う上でのルール規制と遵守をもとにした運営
- 運営組織と娯楽受益者の間では,観戦を行う上での環境提供とそのための報酬をもとにした運営
このモデルにおけるルールの公平性と娯楽性は以下のような依存関係になります.
1-1.ルールの公平性1:行為者と運営組織間の直接関係
1-2.ルールの公平性2:運営組織と娯楽受益者の間接関係
1-3.娯楽性1:行為者の行為と娯楽受益者の観戦の間接関係
1-4.娯楽性2:運営組織の観戦環境と娯楽受益者の観戦の直接関係
2.行為者と運営組織・娯楽受益者のシステム
行為者と運営組織・娯楽受益者のシステムでは,スポーツを構成する区分の関係は以下のVen 図の灰色部分のようになります.
行為者と運営組織・娯楽受益者のシステムは以下のように表せます.
このモデルの特徴は行為者と運営組織・娯楽受益者が独立していることであり,そのことから以下のような運営が行われます.
- 行為者と運営組織・娯楽受益者の間では,行為を行う上でのルール規制と遵守をもとにした運営
- 運営組織と娯楽受益者は同じ集団のため,観戦を行う上での環境提供とそのための報酬は自己完結的な運営
このモデルにおけるルールの公平性と娯楽性は以下のような依存関係になります.
2-1.ルールの公平性:行為者と運営組織・娯楽受益者の直接関係
2-2.娯楽性:行為者の行為と運営組織・娯楽受益者の観戦の直接関係
3.行為者・運営組織と娯楽受益者のシステム
行為者・運営組織と娯楽受益者のシステムでは,スポーツを構成する区分の関係は以下のVen 図の灰色部分のようになります.
行為者・運営組織と娯楽受益者のシステムは以下のように表せます.
このモデルの特徴は行為者・運営組織と娯楽受益者が独立していることであり,そのことから以下のような運営が行われます.
- 行為者と運営組織は同じ集団のため,行為を行う上でのルール規制と遵守は自己完結的な運営
- 行為者・運営組織と娯楽受益者の間では,観戦を行う上での環境提供とそのための報酬をもとにした運営
このモデルにおけるルールの公平性と娯楽性は以下のような依存関係になります.
3-1.ルールの公平性1:行為者と運営組織の直接関係
3-2.ルールの公平性2:行為者・運営組織と娯楽受益者の間接関係
3-3.娯楽性:行為者・運営組織の行為と娯楽受益者の観戦の直接関係
4.行為者・運営組織・娯楽受益者のシステム
行為者・運営組織・娯楽受益者のシステムでは,スポーツを構成する区分の関係は以下のVen 図の灰色部分のようになります.
行為者・運営組織・娯楽受益者のシステムは以下のように表せます.
このモデルの特徴は行為者と運営組織,運営組織・娯楽受益者がそれぞれ同じ集団であることであり,そのことから以下のような運営が行われます.
- 行為者と運営組織は同じ集団のため,行為を行う上でのルール規制と遵守は自己完結的な運営
- 運営組織と娯楽受益者は同じ集団のため,観戦を行う上での環境提供とそのための報酬は自己完結的な運営
このモデルにおけるルールの公平性と娯楽性は以下のような依存関係になります.
4-1.ルールの公平性:行為者と運営組織と娯楽受益者の直接関係
4-2.娯楽性:行為者と運営組織と娯楽受益者の行為と観戦の直接関係
スポーツについて四つのモデルに対する現実への適応と考察
四つのモデルはあくまでモデルであるので現実から抜け落ちている部分があります.
現実から抜け落ちている部分というのは行為者に対する運営組織以外の利害関係者の存在とそこからの関係です.
具体的には国家や運営スポンサー以外の企業とそこから派生する報酬という関係になります.
今回は考察対象であるルールの公平性と娯楽性に関して大きな影響がないと考えられるためこの部分を考えなくてもよいだろうということになっています.
以下では各モデルに対する現実への適応と考察を行います.
1.行為者と運営組織と娯楽受益者のシステムに対する現実への適応と考察
このモデルの現実への適応に関する代表例はアマチュアスポーツ大会になります.
ここで代表例としてオリンピックを挙げれば,行為者は競技の参加者(チーム)であり,運営組織はオリンピック委員と開催国であり,娯楽受益者はすべての観戦者となります.
行為者と運営組織と娯楽受益者のシステムにおけるルールの公平性からオリンピックに対して,行為者と運営組織間の直接関係と運営組織と娯楽受益者の間接関係から問題性を考えることができます.
1-1.行為者と運営組織間の直接関係では,行為者がルールを遵守しているか(ここでは暗黙のルール含まない),運営組織は行為者に適切なルールを課しているかという点が論点になります.
1-2.運営組織と娯楽受益者の間接関係では,運営組織が行為者に課すルールが行為を観戦するためのものとなっているかという点が論点になります.
行為者と運営組織と娯楽受益者のシステムにおける娯楽性からオリンピックに対して,行為者の行為と娯楽受益者の観戦の間接関係と運営組織の観戦環境と娯楽受益者の観戦の直接関係から問題性を考えることができます.
1-3.行為者の行為と娯楽受益者の観戦の間接関係では,ルールを遵守して娯楽性を高める行為を行っているかという点が論点になります.
1-4.運営組織の観戦環境と娯楽受益者の観戦の直接関係では,運営組織の提供する観戦環境は娯楽受益者の報酬(間接的な利益,視聴率なども含む)見合っているかが論点になります.
議論の具体例として女子サッカーにおけるグループリーグ2位通過への議論などが挙げられます.
1-1.日本女子サッカーチームはルール(試合だけでなく日程なども含む)は十分遵守していると考えられる一方,運営組織が各チームに課したルールは各試合においては適切でも大会日程などでは適切であったのか議論する余地があると考えられます.
1-2.運営組織が各チームに課すルールは観戦者にとってカメラワーク以外は十分であったと考えられます.
1-3.娯楽受益者が運営組織からサッカーチームへのルールを熟知していれば,十分ルールを遵守した行為であったと考えられます.
1-4.運営組織の観戦環境(試合ごとの娯楽性の高低を含む)は娯楽性が高い試合(グループ突破や決勝)では報酬に見合う環境が提供できる可能性が高いが娯楽性が低い試合(消化試合)が生じる可能性を排除できていない(しかも予測負荷で報酬は払い済みの場合も生じる)という点で十分な観戦環境が提供できていないと考えられます.
以上のように女子サッカーにおけるグループリーグ2位通過への議論ではルールの公平性と娯楽性から運営組織における不備を中心に考えることができます.
2.行為者と運営組織・娯楽受益者のシステムに対する現実への適応と考察
このモデルの現実への適応に関する代表例は富豪などが行う閉鎖的な内輪のスポーツ大会などになります.
ここで行為者は競技の参加者(チーム)であり,運営組織・娯楽受益者は富豪とその関係者となります.
行為者と運営組織・娯楽受益者のシステムにおけるルールの公平性から富豪などが行う閉鎖的な内輪のスポーツ大会に対して,行為者と運営組織・娯楽受益者の直接関係から問題性を考えることができます.
2-1.行為者と運営組織・娯楽受益者の直接関係では,行為者がルールを遵守しているか(ここでは暗黙のルール含まない),運営組織・娯楽受益者は行為者に適切なルールを課しているかという点が論点になります.
行為者と運営組織・娯楽受益者のシステムにおける娯楽性から富豪などが行う閉鎖的な内輪のスポーツ大会に対して,行為者の行為と運営組織・娯楽受益者の観戦の直接関係から問題性を考えることができます.
2-2.行為者の行為と運営組織・娯楽受益者の観戦の直接関係では,ルールを遵守した行為を行っているかという点が論点になります.
3.行為者・運営組織と娯楽受益者のシステムに対する現実への適応と考察
このモデルの現実への適応に関する代表例はプロフェッショナルスポーツ大会などになります.
ここで代表例としてJリーグを挙げれば,行為者・運営組織はプロ選手(チーム)と協会やメディアなどのバックアップ組織であり,娯楽受益者はすべての観戦者となります.
行為者・運営組織と娯楽受益者のシステムにおけるルールの公平性からJリーグに対して,行行為者と運営組織の直接関係と行為者・運営組織と娯楽受益者の間接関係から問題性を考えることができます.
3-1.行為者と運営組織の直接関係では,行為者と運営組織の間でルールへの妥当な結論となっているかという点が論点になります.
3-2.行為者・運営組織と娯楽受益者の間接関係では,行為者・運営組織におけるルールが行為を観戦するためのものとなっているかという点が論点になります.
行為者・運営組織と娯楽受益者のシステムにおける娯楽性からJリーグに対して,行為者・運営組織の行為と娯楽受益者の観戦の直接関係から問題性を考えることができます.
3-3.行為者・運営組織の行為と娯楽受益者の観戦の直接関係では,行為者・運営組織の行為は娯楽受益者の報酬(間接的な利益,視聴率なども含む)見合っているかという点が論点になります.
議論の具体例として,ナビスコカップなどにおけるベストメンバー規定と各チームのスタメン変更時の試合などが挙げられます.
3-1.各チームと運営組織の直接関係では,各チームと運営組織の間でベストメンバー規定への妥当な結論となっていないと考えられます.
3-2.各チーム・運営組織と観戦者の間接関係では,各チーム・運営組織におけるベストメンバー規定がそのチームをよく知る観戦者には試合を観戦するためのものとなっているが,あまり知らない人間には逆に誤解(例えばベストメンバー=有名選手など)を招きかねないため試合を観戦するためのものとなっていないと考えられます.
3-3.各チーム・運営組織の行為と観戦者の観戦の直接関係では,各チーム・運営組織が行う試合は観戦者の報酬(間接的な利益,視聴率なども含む)見合っているかは試合差,個人差はあれど試合観戦への選択権がある程度確保されていることから見合っていると考えられます.
以上のようにナビスコカップなどにおけるベストメンバー規定と各チームのスタメン変更時の試合では,各チームと運営組織の間でベストメンバー規定への妥当な結論を導くことが最優先と考えられます.
4.行為者・運営組織・娯楽受益者のシステムに対する現実への適応と考察
このモデルの現実への適応に関する代表例は部活動などの練習試合などになります.
ここで代表例としてサッカー部の練習試合を挙げれば,行為者・運営組織・娯楽受益者はサッカー部員とその関係者になります.
行為者・運営組織・娯楽受益者のシステムにおけるルールの公平性からサッカー部の練習試合に対して,行為者と運営組織と娯楽受益者の直接関係から問題性を考えることができます.
4-1.行為者と運営組織と娯楽受益者では,三者が満足できる妥当なルールとなっているかという点が論点になります.
行為者・運営組織・娯楽受益者のシステムにおける娯楽性からサッカー部の練習試合に対して,行為者と運営組織と娯楽受益者の行為と観戦の直接関係から問題性を考えることができます.
4-2.行為者と運営組織と娯楽受益者の行為と観戦の直接関係では,三者が行為の結果に満足できるかという点が論点になります.
おまけ(言い訳)
今回考えたスポーツのモデルはルールの公平性と娯楽性を中心に考えたため経済的な観点における需要供給関係に深く踏み込んでいません.
近代スポーツが運営組織と娯楽受益者なしに成り立たないことを考えれば,娯楽受益者に対する報酬の妥当性に重きをおいたルールの公平性という視点は見逃せません.
実際のところ,3.行為者・運営組織と娯楽受益者のシステムでは娯楽受益者によるルール変更への影響力が高く,如何に娯楽性を高めるかを中心にルールの公平性を決定しているスポーツも多くあります(アメリカンフットボールやバスケットボールなど).
また,1.行為者と運営組織と娯楽受益者のシステムにおいても国家間の争いによる運営組織への暗に明にの圧力がルールの公平性に影響を与えています.
以上の点まで含めて考察するにはモデルをより複雑に設定する必要がありますが今回はそこまで行わず,とりあえずの自分の考えとします.
日本文の論理構造を考える
今までの知に関する記事では,一貫して論理学という考え方が背景にありました(至らないところもありますが^^;).
ただし,論理学というのは論理言語を定めてその論理構造を体系づけるという方法をとるため論理言語に依存します.
論理学 - Wikipedia
現在のところ論理言語として直接日本語を定めた体系はありませんので日本語の論理構造はつぎの2つの側面から考えることが多くなっています.
- 論理言語を日本語へ適用することによる論理構造の考察
- 日本文の研究による論理構造の考察
1.では通常の論理学の中でも特に,形式言語やエキスパートエンジンなどの分野で発展しています.
形式言語 - Wikipedia
エキスパートシステム - Wikipedia
2.では言語哲学や現代日本語文法などの分野で発展しています.
言語哲学 - Wikipedia
現代日本語文法 - Wikipedia
また,現実場面では日常的な日本文の読解にはじまり,法解釈といった専門的な部分でも日本語の論理構造を考える必要があり,日常的に応用もなされています.
本ブログの著者は専門家ではないので,研究的要素よりも応用要素よりに重きをおきます.
そこで日本文の論理構造を今までの考え方をベースにデータ・情報・知識という形での考察を行いたいと思います.
日本文をデータ・情報・知識・知識・知恵へ
まずは,日本文の構造をデータ・情報・知識・知恵へ対応させます.
データ | 情報 | 知識 | 知恵 |
---|---|---|---|
品詞 | 文 | 文章 | 読解力 |
表だけだとイメージしづらいのでイメージもどーーーん.
本ブログでは日本文の構造を上記のように定めることにします.
ここで前提の文とは,その文章内からその文の真偽が確かめられない文のことを指しています.
そして,推論の文とは前提の文をもとに著者が考えた文のことになります.
日本文における論理構造の評価
日本文の構造を定めたので,その中の論理について考えてみます.
ボトムアップの記事の中で情報の評価ということを述べました.
ここではそのアナロジーを用いて,日本文の論理構造はつぎの項目によって評価することとします.
- 文章における前提の文と推論の文を区別
- 推論の文における推論の妥当性を確認
- 前提の文の真偽を確認
ただし,3.について正確には対象の日本文の論理構造を評価する項目ではありません.
つまり,他の情報を探求しないと対象の文章を評価できないという意味でメタ評価になりますので,1と2が必須評価だと考えます.
日本文の価値
さて,少し混乱しそうですが前節で日本文の論理構造についての評価とその日本文の価値は別のものになります.
つまり論理構造の評価は高いが,そもそもその日本文が述べている内容に価値を認めれないという場合があります.
ただし,価値というものは相対的であるのでAさんには価値があるけどBさんに価値がないということはよくあります.
そこで日本文の価値というのを,日本文の分類ごとの目的達成の有無と本ブログではします.
分類 | 目的 |
---|---|
随筆 | 感想・思索・思想の表現 |
日記 | 出来事の記録 |
作文 | 情報の伝達 |
小論文 | 議論 |
社説・論説・コラム・論評といったおおくの日本文は小論文に分類できると考えられます.
小論文の価値判断方法はまた別の記事で取扱いたいと思います.
まとめ
日本文の論理構造をデータ・情報・知識・知恵によって構造化しました.
日本文の論理構造を評価する基準を定めました.
日本文の価値を判断する基準を定めました(ただし小論文の詳細について別記事へ).
本ブログにおける引用・転載とリンクについての考え
本ブログにおける引用・転載とリンクについての考えを記しておきます.
基本的には法令の変更にともなって変更しなくてはいけないものでありますので内容更新時は記事日時も更新したいと思います.
本ブログにおける引用・転載についての考え
引用は著作権法によって定められています.
著作権テキストは平成21年度から23年度までは毎年更新されているので現在の最新版の平成23年度版を基にします.
具体的には以下の内容をふまえます.
- 著作権テキスト〜初めて学ぶ人のために〜 平成23年度版 8.著作物等の「例外的な無断利用」ができる場合 8「引用」「転載」関係 ア「引用」 71頁
- 著作権テキスト〜初めて学ぶ人のために〜 平成23年度版 8.著作物等の「例外的な無断利用」ができる場合 8「引用」「転載」関係 イ「行政の広報資料」等の転載 71頁
- 著作権テキスト〜初めて学ぶ人のために〜 平成23年度版 8.著作物等の「例外的な無断利用」ができる場合 8「引用」「転載」関係 ウ「新聞の論説」等の転載 71頁
- 著作権テキスト〜初めて学ぶ人のために〜 平成23年度版 8.著作物等の「例外的な無断利用」ができる場合 8「引用」「転載」関係 エ「政治上の演説」「裁判での陳述」の利用 72頁
- 著作権テキスト〜初めて学ぶ人のために〜 平成23年度版 8.著作物等の「例外的な無断利用」ができる場合 (注) 75頁
引用・転載では出所の明示が必要であることが必須とし,そのほかの条件については各項目について満足するようにします.
もし,条件について満足していないと思われる記事がある場合はプロフィールのアドレスまでご連絡ください.
本ブログにおけるリンクについての考え
リンク(厳密にはハイパーリンク)について直接定める法令はなく,著作権法によってリンクへの制限はないと以下の資料では考えられています.
- ハイパーリンク - Wikipedia http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8F%E3%82%A4%E3%83%91%E3%83%BC%E3%83%AA%E3%83%B3%E3%82%AF
- 【コラム】違法にならないネットライフ (3) "無断リンク"っていまだに問題になったりするの? | ネット | マイナビニュース http://news.mynavi.jp/column/netlaw/003/index.html
- 新聞記事の見出しの引用と無断リンクの禁止について Ver.2 http://homepage3.nifty.com/machina/r/link.html
- リンクについて「リンクは自由!」 http://www.sal.tohoku.ac.jp/~gothit/webpolicy.html
ただし,ハイパーリンク - Wikipedia にある大阪FLMASK事件が判例となっていますので,リンク方法について本ブログでは以下の条件二つを満足するようにします.
1についても厳密には出所を明示したほうがよいが,文脈の障害となることから上記のような条件とします.
ただし,文脈上の言葉から上記リンク先以外へのリンクは行いません.
したがって,1による条件でもリンク方法の正当性は保たれると考えます.