銀座ファースト法律事務所所長のつぶやき

弁護士田中清のブログ。最近気になることや、趣味のことなど雑記。

大学25 司法試験の受験勉強(初期)

 受験新報で、受験生はどんな本を読むのかについて調べた。そこで、受験生が多く読んでいる本を選んだ。
 憲法1(統治機構)清宮四郎教授と憲法2(基本的人権)宮沢俊儀教授から始める。2つとも有斐閣法律学全集である。昨年は、注釈日本国憲法で失敗したが、受験生の読むお勧めの本は、読みやすかった。それに加え、やはり、注釈日本国憲法の苦労が若干生きているのかもしれないと思った。
 次は、我妻栄教授の民法講義シリーズ、ただし、債権だけは於保不二雄教授の「債権総論」と広中俊雄教授の「債権各論」、親族法は我妻栄教授の法律学全集で勉強することにした。

 私は、1日にやる勉強時間は、最大13時間と決めた。そして、目標は最低10時間と決めた。
1日は、24時間ある。そのうち8時間の睡眠を取る必要があるので、残りは16時間である。しかし、朝、昼、夜の食事の時間を各1時間取ると13時間であり、お風呂の時間を1時間取ると、残りは12時間である。さらに、休憩の時間を1時間取ると11時間、休憩を2時間取ると10時間ということになる。
 日記は、毎日付けていた。13時間できた日は「磊」、12時間できた日は「轟」、11時間できた日は「晶」、11時間できた日は「紫」、10時間できた日は「金」、9時間できた日は「銀」、8時間できた日は「銅」……2時間の日は「浅」、1時間の日は「薄」、全く勉強をしなかった日は「辱」などと日記に書いた。
 さらに、K子とのデートの日と毎週土曜日の法律相談の日は、ほとんど、「浅」「薄」「辱」のいずれかであり、大学の講義がある日も、4時間以下だった。したがって、本格的に1日勉強できるのは、夏休み、日曜日か祝日、大学の講義がない日に限られる。
 しかし、秋になると、休みの日は、ほとんど10時間「金」の勉強時間を続けることができたと思う。

 こうして思うと、図書館に行く往復2時間の時間はもったいない。
 そこで、自宅の納屋の2階の小さな窓が1つしかない部屋で、勉強をすることにした。屋根の照り返しがあり、窓から風が抜けないので猛烈に暑い。扇風機を付けっぱなしにして勉強し、寝る時も扇風機を付けっぱなしにしていた。そうすると、夜中にパチパチと音がし、焦げ臭かったので、びっくりして起きると、扇風機から煙が出ていた。慌てて、コードを抜いて扇風機を外に出そうとしたが、取っ手が熱く、右手に軽い火傷をしたので、自然の放熱を待つことにした。
 新しい扇風機を買ってもらうまでの3日間は、灼熱地獄の日々だった。

 弁護士 田中 清