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銀座ファースト法律事務所所長:田中清弁護士)のメモ

2015-10-21

司法研修所卒業式

 二回試験は、全員が合格したが、裁判官に対する任官拒否が七名出たことは、前回のブログで述べた。私のクラスの7組からは、任官希望者は全員任官することができ、任官拒否者は出なかった。

 昭和46年4月5日、司法研修所において、司法研修所卒業式(終了式)が挙行された。
 約500人もの司法修習生が講堂に集まり、新左翼系と共産党系の司法修習生が言い争う場面も見られた。当時は、司法研修所においても東大紛争を初めとする大学紛争の余波があったのである。
 守田直司法研修所所長が挨拶のためにモーニング姿で登壇しようとしたとき、阪口徳雄司法修習生がいきなり登壇し、「所長、任官拒否について話をさせてください。」と言いながら、守田所長のマイクを奪い取った。守田所長は、モーニング姿のまま、最高裁判所に行き、阪口徳雄司法修習生罷免処分にした。
 我々は事態が全く分からず、何時間も講堂に待たされたが、そのうち諦めて、仲の良い仲間と近所の喫茶店に行くなどして時間を潰していた。夜の7時ころであっただろうか、卒業式の中止が伝えられた。

 阪口司法修習生は、クラス委員会の決議にもとづき、その代表として同期の裁判官志望者のうち7名の新任を拒否されたものに対し、発言の機会を与えるよう要望したことに対して、罷免処分をしたものである。
 この処分は、本人に弁明の機会を与えず、即時におこなわれた事実から考えても不当なものであり、かつ、2年間修習したのち試験に合格したものに対してなされた処分であり、弁護士になる道を絶たれたものであるから、過酷すぎる処分であると議論になった。
 翌日の新聞では、一面トップの記事となった。

 このようにして、京都大学卒業式も、司法研修所卒業式も、2回連続して卒業式が流れてしまったのである。

  弁護士 田中 清(弁護士法人銀座ファースト法律事務所)

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