『ドレスデン逍遥:華麗な文化都市の破壊と再生の物語』

川口マーン惠美

(2005年12月6日刊行,草思社ISBN:4794214669



かのレニングラードに負けず劣らず,第二次世界大戦末期の「ドレスデン空爆」もまた聞きしにまさる大被害だったことがわかる.歴史的建造物が軒並み“石壁”だけ残してがれきの山になっている光景は,“木と紙の家”が燃え尽きた日本の戦災地とはまた別の廃墟感が漂う.金色のアウグスト強王はぜひともお近づきにはなりたくないな.本書全体を通して,カラー写真の印刷がイマイチなのは残念だ.