松永俊男
(2005年12月刊行,名古屋大学出版会,ISBN:4815805296)
匿名本『創造の自然誌の痕跡』(1844)で知識社会の話題をさらった Robert Chambers の“進化論”をめぐる当時のイングランドおよびスコットランドでの論争.なお,Chambers の復刻は10年前にシカゴ大学出版局から出されている:Robert Chambers『Vestiges of the natural history of creation and othe evolutionary wrightings』(1994年刊行,University of Chicago Press).『痕跡』を含む著書ならびに関連著作を含む700ページもある大部な本.
先日も朝日新聞で報道されていたが,文系理系を問わず,名古屋大学出版会からは「これは!」というおもしろい本が次々と出ている.たいしたものだと思う.
【目次】
序章 1844年:進化論争の勃発第I部 イギリスのラマルク
第1章 ラマルクの進化論
第2章 イギリスのラマルク派とラマルク批判第II部 『痕跡』と『足跡』
第3章 チェンバーズと『痕跡』
第4章 『痕跡』の衝撃
第5章 スコットランド自由教会の科学者たち
第6章 ミラーの地質学
第7章 ミラーの反進化論−−『足跡』を中心に第III部 ダーウィン前/後
第8章 オーエンと進化論
第9章 マイヴァートの動物学
第10章 マイヴァートのダーウィニズム批判終章 様々な進化論
補論 明治のチェンバーズ−−『科学入門』と『博物新編補遺』をめぐって