Hatena::ブログ(Diary)

leeswijzer: boeken annex van dagboek このページをアンテナに追加 RSSフィード


本サイトは〈dagboek〉から【本】の情報を抽出した備忘メモです.(三中信宏)

sinds 9 januari 2005

30-12-2005 日本博物学史の諸版/ブックカフェと武満本

[]『日本博物学史

上野益三

(1973年11月10日刊行,平凡社,ISBN:なし)


年の瀬に天牛堺古書店から届く.この本は1948年に星野書店から初版が刊行された後,1973年に大改訂された版が平凡社から出された.平凡社版については,さらに1986年に「補訂版」(ISBN:458251202X)が出版されている.現在,講談社学術文庫の上野益三『日本博物学史』(1989年1月10日刊行,講談社[学術文庫859],ISBN:4061588591)として出版されているのは,平凡社版の「日本博物学通史」の抜粋だ.平凡社版の800ページのうち500ページ弱を占めている「日本博物学年表」は残念ながら復刻されなかった.

先日,「[Q]: Can you help me to locate information about evolutionary ideas in the 18th and 19th century in Japan?」という質問が,基礎生物学研究所経由でコロラド大学から丸投げされてきた.ここのところ,こういうことにアタマを使っていなかったなあ.江戸時代の日本での“進化思想”ですかあ.後知恵的に考えて「あの人の論は実は“進化的”だった」というのはいくつかあるのだけれど,そういう論法を無制限に広げていいわけがない.意外に答えにくい問題かもしれない.とりあえず,「鎖国していた日本では,限られた学問的交流しか許されていなかったので,“進化思想”に類する思潮は育たなかったのではないか」というような返事を書いて返信した.

たとえば,西村三郎の大著『文明のなかの博物学:西欧と日本(上・下)』(1999年8月31日刊行,紀伊國屋書店,ISBN:4314008504 / ISBN:4314008512書評)とか,上記の上野益三の博物学史本など,日本の「博物学」の歴史を論じた本は何冊かある.一方,日本の「進化学」の歴史というと,やはり明治になってからという舞台設定がふつうで,江戸時代(あるいはそれ以前)にまでさかのぼってということにはなりにくい.

例外的に,ピーター・J・ボウラー『進化思想の歴史(上・下)』(1987年8月20日刊行,朝日選書335/336,ISBN:4022594357 / ISBN:4022594365)の上巻末に載っている,八杉龍一の「日本の思想史における進化論 —— ボウラー『進化思想の歴史』の訳書に寄せて」という論考(pp. I-XX),あるいはそれに先立つ彼の著書:八杉龍一『生命論と進化思想』(1984年8月10日刊行,岩波書店[科学ライブラリー],ISBN:4000055615)には,江戸時代の石門心学者・鎌田柳泓(1754〜1821)の名が“ジャパニーズ進化学先駆者”として挙っている.


[]『ブックカフェものがたり

矢部智子・今井京助他

(2005年12月15日刊行,幻戯書房,ISBN:4901998153


第1部〈ブックカフェオーナー,かく語りき〉を読了.150ページほど.三鷹の〈文鳥舎〉はぜひ行ってみたいなあ.この本に,千駄木の〈ふるほん結構人ミルクホール〉が載っているとは知らなんだー.確かに「隠れ家」だ.※とんでもねえロケーションにある店だから(千駄木の裏道を知ってないと迷うって).

第2部〈ブックカフェを始める,ブックカフェを続ける〉は経営論.第3部〈ほかにもたくさんある,個性派ブックカフェ〉はタイトルの通り.

で,結局「ブックカフェ」って何だったんだろう? “本”と“カフェ”の混ざり具合は店ごとにてんでばらばらな印象を受けた.


[]『武満徹の音楽

ピーター・バート

(2006年1月刊行予定,音楽之友社,ISBN:4276132746


著者は小学館の〈武満徹全集〉の解説本で,「世界の眼に映った武満」という連載記事を書いていた人だ.訳者の小野光子さんはやはり武満全集の編集部にいて,ぼくが『武満徹全集・第1巻:管弦楽曲』(2002年12月10日刊行,小学館,ISBN:4096131016)で武満作品のヨーロッパ初演でのオランダ語批評記事数編の翻訳をしたときにお世話になった方だ.