『種を記載する:生物学者のための実際的な分類手順』

ジュディス・E・ウィンストン[馬渡峻輔・柁原宏訳]

(2008年6月30日刊行,新井書院,東京,653 pp.,本体価格7,800円,ISBN:9784903981000 [pbk] → 版元ページ原書

【詳細目次】
まえがき 5
凡例 16

第1部 序論

第1章 はじめに 19
 1.1 生物界の記述 19
 1.2 種の記載はなぜ必要か? 20
 1.3 いかにして新種は記載されるのか 24
 1.4 本書の意図と構成 29
 1.5 体系学の悦楽 31
 1.6 出典 32

第2章 生物命名法 37
 2.1 分類学者としてのヒト 37
 2.2 生物命名法 39
 2.3 民俗分類学 42
 2.4 二語名法 43
 2.5 命名規約の発展 45
  2.5.1 国際植物命名規約 47
  2.5.2 国際動物命名規約 48
 2.6 現行の命名規約 49
  2.6.1 類似点 49
  2.6.2 相違点 50
 2.7 規約の未来 55
 2.8 出典 59

第2部 種を認識する

第3章 種とその発見 65
 3.1 種概念 66
 3.2 種分化に影響するプロセス 68
  3.2.1 有性生殖(「ゾウ」) 69
  3.2.2 体細胞突然変異 76
  3.2.3 無性生殖 76
 3.3 分類形質 77
 3.4 新種発見に至るまで 79
  3.4.1 群集研究と調査 79
  3.4.2 行動的差異 84
  3.4.3 遺伝的な証拠(染色体と分子) 86
 3.5 出典 89

第4章 同一性の確立:文献調査 95
 4.1 過誤と悪例 95
 4.2 同一性の確立 97
 4.3 どこで分類学文献を見つけるか 100
  4.3.1 総合目録 101
  4.3.2 専門書と教科書 101
  4.3.3 野外観察図鑑 102
  4.3.4 抄録集と文献目録 103
 4.4 分類学の文献をどのように読むか 109
 4.5 種の記載 109
 4.6 インターネットでの分類学の文献検索 113
 4.7 出典 114

第5章 同一性の確立:博物館標本の利用 121
 5.1 標本,博物館,ハーバリウム 122
  5.1.1 地域標本 122
  5.1.2 植物園 123
  5.1.3 博物館とハーバリウム 123
 5.2 標本の所在を突き止める 124
 5.3 標本の借用 128
 5.4 タイプ標本 130
 5.5 標本調査:何を期待し,どう振舞うか 132
 5.6 分類学者との共同研究 133
 5.7 出典 135

第3部 種の記載の執筆

第6章 分類学における種の記載 143
 6.1 種を記載する理由 143
 6.2 分類学的な出版物の種類 144
  6.2.1 種の記載 145
  6.2.2 再記載 146
  6.2.3 高次タクソンの記載 146
  6.2.4 亜種の記載 147
  6.2.5 シノプシス 148
  6.2.6 レビュー 148
  6.2.7 カタログ 149
  6.2.8 リビジョン 150
  6.2.9 モノグラフ 151
  6.2.10 分類体系と系統発生 151
  6.2.11 植物誌,動物誌,フィールドガイド,チェックリスト 152
  6.2.12 その他 154
 6.3 記載論文の形式 155
  6.3.1 要旨 155
  6.3.2 序文 156
  6.3.3 研究方法,あるいは方法と材料 156
  6.3.4 記載 156
  6.3.5 結論 156
  6.3.6 謝辞 156
  6.3.7 引用文献 157

第7章 見出しと異名表 159
 7.1 記載の見出し 159
  7.1.1 学名,著者,日付 159
  7.1.2 新種の見出し 163
  7.1.3 高次分類群名 164
  7.1.4 図 165
 7.2 異名 166
 7.3 異名表 167
 7.4 新種 168
 7.5 異名表の様式 169
 7.6 異名表の用語 173
 7.7 異名表の種類 173
 7.8 見出しおよび異名表の中の参照文献 177

第8章 種を命名する:語源学 179
 8.1 種を命名する 179
 8.2 ラテン語ギリシャ語概説 181
 8.3 学名の基本規則 185
 8.4 記述的な種小名 189
  8.4.1 非合成語による記述的種小名 190
  8.4.2 合成語による記述的種小名 195
 8.5 地名に基づく種小名 198
 8.6 献名による種小名 199
 8.7 無意味な種小名 204
 8.8 語源学の節 205
 8.9 出典 208

第9章 タイプ標本と証拠標本 211
 9.1 タイプ標本および証拠標本の理論的根拠 211
  9.1.1 ホロタイプ 212
  9.1.2 タイプシリーズ 212
  9.1.3 パラタイプ 212
  9.1.4 アイソタイプ 213
 9.2 タイプに関する命名法上の規定 213
 9.3 タイプと証拠標本の選定 214
  9.3.1 タイプ産地 216
 9.4 タイプ標本の構成 216
 9.5 タイプ標本に関する記述 217
 9.6 タイプ標本の供託 218
  9.6.1 パラタイプ 220
  9.6.2 証拠標本 220
 9.7 タイプの節 222
 9.8 出典 227

第10章 判別文 231
 10.1 判別文とは何か? 231
 10.2 動物分類学における判別文 233
 10.3 植物分類学における判別文 234
 10.4 判別形質とは何か 235
 10.5 判別文の例:動物の場合 236
 10.6 判別文の例:植物の場合 243
 10.7 判別文のその他の用法 245

第11章 記載 247
 11.1 説明的な叙述法 247
 11.2 記載で使われる情報 249
  11.2.1 分類形質 249
  11.2.2 生活史形質 250
  11.2.3 生活史のステージ 252
  11.2.4 色 252
  11.2.5 量的形質 256
  11.2.6 行動的・生態的形質 257
 11.3 記載を書く 258
 11.4 電報文体 259
 11.5 記載の節:動物(様々な分類群での文体の例) 263
  11.5.1 無脊椎動物の記載 263
  11.5.2 脊椎動物の記載 279
 11.6 記載の節:植物(様々な分類群での文体の例) 287
 11.7 描画 292
 11.8 出典 300

第12章 分類学的考察の節 303
 12.1 考察の節の目的 303
 12.2 新種記載における考察 304
 12.3 考察に含める証拠 311
 12.4 複合論文 324
 12.5 再記載の考察の節 326
 12.6 分類学の倫理 327

第13章 生態学の節 333
 13.1 種の記載の中の生態学 333
 13.2 生態的変異の解析 337
 13.3 野外記録:野外調査を最大限に生かす 337
 13.4 博物館標本からの生態学情報 341
 13.5 生態学の節 342
 13.6 出典 348

第14章 出現と分布 351
 14.1 種の記載の中の分布情報 351
 14.2 種の分布 352
  14.2.1 陸域および淡水域の生息場所 352
  14.2.2 古生物学 354
  14.2.3 海の生息場所 355
 14.3 分布の節 357
 14.4 分布論文 370
 14.5 出典 371

第15章 調査した材料 375
 15.1 実用的価値 375
 15.2 原記載において 376
 15.3 他の記載において 378
 15.4 調査した材料の節 380
 15.5 調査した材料:植物分類学 384
 15.6 調査標本論文 386
 15.7 出典 387

第16章 出版 389
 16.1 公表の基準:動物学 390
 16.2 発表の基準:植物学 394
 16.3 原稿準備 395
  16.3.1 草稿 395
  16.3.2 改稿 396
 16.4 原稿の投稿 400
 16.5 最終改稿から出版へ 401
  16.5.1 校正刷りと校正 401
  16.5.2 別刷り 403
 16.6 分類学論文を出版する学術雑誌 403
  16.6.1 一般学術雑誌 405
  16.6.2 特定生物群を扱う学術雑誌 405
  16.6.3 特定地域を扱う学術雑誌 407
  16.6.4 分子体系学 408
  16.6.5 博物館あるいは大学の出版物 408
  16.6.6 古生物学 409
  16.6.7 植物学 409

第4部 種の記載を超えて

第17章 亜種 413
 17.1 なぜ亜種が重要なのか? 413
 17.2 種内変異 415
 17.3 種よりも下位のタクソンの命名法:動物 418
 17.4 種よりも下位のタクソンの命名法:植物 420
 17.5 いかなる場合に種内タクソンを名づけるか 422
 17.6 種内タクソンの記載 424
 17.7 出典 428

第18章 属レベルの記載とリビジョン 431
 18.1 属の概念 431
 18.2 新属を記載するとき 435
 18.3 属名 436
 18.4 属名の公表 441
 18.5 属のタイプ 441
  18.5.1 動物学 442
  18.5.2 植物学 444
 18.6 属レベルの記載の例 445
 18.7 属のリビジョンで生じる問題 461
  18.7.1 属の「復活」 464
 18.8 属下のカテゴリーと名称 466
 18.9 出典 469

第19章 検索表 473
 19.1 分類学における検索表 473
 19.2 検索用形質 476
 19.3 単経路検索表(分析的もしくは逐次的検索表) 478
 19.4 多経路検索表(複鍵) 482
 19.5 対話式(双方向性,インタラクティブ)同定法 484
 19.6 検索表を作る 486
 19.7 コンピューターで検索表を作る方法 487
 19.8 出典 488

第20章 高次タクソンの記載 491
 20.1 科の概念と分類学におけるその用法 492
 20.2 生物学における実践的重要性 493
 20.3 科を記載する 494
  20.3.1 動物学 494
  20.3.2 植物学 497
 20.4 科レベルの記載の例 498
  20.4.1 動物 498
  20.4.2 植物 506
 20.5 科レベルのタクソンの再記載 507
 20.6 科レベルよりも高位のタクソンの記載 512
  20.6.1 動物学 513
  20.6.2 植物学 520
 20.7 高次タクソンの命名法の問題 522
 20.8 出典 523

第21章 よくある問題 525
 21.1 失われたタイプ 525
 21.2 レクトタイプ 530
 21.3 ネオタイプ 539
 21.4 必要な名前の変更 547
 21.5 置換名:異物同名(ホモニム) 550
 21.6 学名の保存 552
 21.7 修正 555
 21.8 新組み合わせ 556
 21.9 情報の不足 559

第22章 体系学における発展的研究 563 22.1 進化体系学 564
 22.2 表形学 568
 22.3 分岐学 572
 22.4 分子体系学 578
  22.4.1 電気泳動 578
  22.4.2 DNAハイブリダイゼーション 580
  22.4.3 配列決定 581
 22.5 生物地理学 581
 22.6 比較生物学 582
 22.7 出典 583


訳者あとがき 587
引用文献 591
事項索引 625
著者索引 637
学名索引 647