『一般システム理論:その基礎・発展・応用』

ルートヴィヒ・フォン・ベルタランフィ(長野敬・太田邦昌訳)

(1973年7月10日刊行,みすず書房,東京,xviii+288 pp.,ISBN:4622025221版元ページ

[原著:Bertalanffy, L. von『General System Theory : Foundations, Development, Applications』1968年刊行,G. Braziller, New York]

みすず書房のベルタランフィ本は太田邦昌さんがいればこそ訳せたわけだが,その後継ってあるのかなあ.ベルタランフィ以降は,ノーバート・ウィーナー以降はサイバネティクス理論を経て,旧ソヴィエト&共産圏で発展したようだ.ホリズムが大好きな背景があれば生き延びられるのかも.なお,太田邦昌さんは出身研究室の先輩でもあり,ワタクシが大学院にいたころからかなり多くの本や資料を太田さんから継承してきた.「太田邦昌(1944.1.28〜2003.3.8)著述目録」をたどると,1970年代はじめの頃は,生態学とシステム理論との関わりに関心があったようだ.オダム流の生態系生態学がまだ盛んだった時代.一方で,一般システム理論やサイバネティクスは,「システム論的種概念」ともつながっていく.弁証法唯物論と整合的だったからだろう.

システム論・全体論本質主義の三点セットはいつも手を携えて笑顔でやってくる.