『月刊みすず(no. 611:2013年1-2月合併号)』を読む

(2013年2月1日発行,みすず書房,東京,本体価格300円 → 版元ページ

『月刊みすず』最新号「読書アンケート特集」(2013年1-2月号・no. 611)を読みきった.加藤尚武が因果性をめぐる科学哲学についてソーバーやパール,ハッキングを挙げている(p. 96).長野敬はダーシー・トムソンの『成長とかたちについて』を取り上げている.Dover から1992年に出た “電話帳” を筆頭に挙げているのはいいとして,それにつづく得体のしれない「ペーパーバック版」が興味を惹く.原書を適当に切り貼りして短縮したシロモノらしい.たちの悪いスパム出版に引っかかったんじゃないだろうか.ダーシー・トムソンの本は,現在は Dover原典版と Cambridge UP から出ている J. T. Bonner 編の短縮版の二種類だけのはず.今福龍太は John Cage の本『Silence: Lectures and Writings』の50周年版を挙げている./最上敏樹エストニアアルヴォ・ペルトの本を.梨木香歩エストニア紀行』は手元に置くべきか.村田浩は展覧会図録のような「市販されることのない」文献を《灰色文献》と呼んでいる.初めて目にした.トムソン・ロイターの「用語集 −学術文献用語−」を見ると「grey literature」なる項目がちゃんとある.