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本サイトは〈dagboek〉から【本】の情報を抽出した備忘メモです.(三中信宏)

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26-01-2014 ヴェン図から見た論理学の可視化の歴史

[][]『Cogwheels of the Mind: The Story of Venn Diagrams

Anthony W. F. Edwards

(2004年刊行,The Johns Hopkins University Press, Baltimore, xvi+110 pp., ISBN:0801874343 [hbk] → 版元ページ

英国の論理学者 John Venn の伝記とともに,彼が発明した「Venn diagram(ヴェン図)」の意義を論じた本.著者 A. W. F. Edwards はかの『Likelihood』(1992年刊行, The Johns Hopkins University Press, Baltimore,ISBN:0801844452目次)を書いた統計学者でもある.本書には,命題間の論理関係がどのように視覚化されてきたのかが当時の図版(モノクロとカラー)とともに説明されていてヴィジュアルにも魅力的な本.こういう論理学史の本もあるのかとちょっとビックリ.

昨年ワタクシが参加した白眉シンポジウムの討論で,集合間の包含関係を視覚化する図は「ヴェン図」ではなく「オイラー図」と呼ぶべきであると聞いて以来,小骨のように刺さっていた件が本書を読んで氷解した.これまでワタクシは分類群がつくる集合の包含パターンを「ヴェン図」とずっと呼んできたのだが,それは明らかにまちがいで,「オイラー図(Euler diagram)」と呼ぶのが正しい.部分集合間の包含や交わりを示す図は確かに「オイラー図」と呼ぶべきで,高校などの教科書に載っている「ヴェン図」という呼称は正確ではない.

John Venn は n=4 までの「ヴェン図」作成には成功したが,n≧5 については手がけなかった.A. W. F. Edwards は一般の n に対する「ヴェン図」描画法を本書で提示し,「ヴェン図」は「Edwards-Venn diagram」と呼ばれるようになった.Cf. Venn diagram [Wikipedia].n≧4 の「高階ヴェン図」は n≦3 のような「正円の組み合わせ」ではもはや描画できないということ.確かに「オイラー図」とはまったく異なる世界が展開されていることが本書で実感できる.

【目次】

Foreword[Ian Stewart] ix

Preface xv

1. John Venn and His Logic Diagram 1

2. Rings, Flags, and Balls 17

3. Five and More Sets 29

4. The Gray Code, Binomial Coefficients, and the Revolving-Door Algorithm 47

5. Cosine Curves and Sine Curves 61

6. Ironing the Hypercube 77

7. Diagrams with Rotational Symmetry 84


Appendix 1. Metrical Venn Diagrams 95

Appendix 2. A Rotatable Edwards-Venn Diagram 101

References 105

Index 109

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