『大坊珈琲店』

大坊勝次

(2014年7月26日刊行,誠文堂新光社,東京,256 pp., ISBN:9784416714348版元ページ特設サイト

1975年から昨年2013年暮れまで表参道にあった老舗珈琲店の「自伝本」.前半は「大坊珈琲店のマニュアル」(pp. 11-66)は豆の選別から焙煎,抽出までの技の数々.真ん中(pp. 68-121)は在りし日の店内のカラー写真集.そして,後半(pp. 124-252)は常連たちによる寄稿エッセイ集という構成.本書はいまどき少数派になってしまった臙脂色のクロス装丁本.文字組みも正統派のゆったりさ.歩き読むにはもったいなすぎたかも.長年続いた喫茶店はなじみ客にとっては一種独特な「場」となっていたことがわかる.