第二十九回文学フリマ東京『推理の重』に寄稿しました

@juliu__s主催のミステリ長編(というか中編?)集『推理の重』に『疫病流行』という本格ミステリを寄稿しました。

あらすじとしては

十七世紀末のロンドン。疫病が猖獗を極め、人々はその死神の鎌に怯える日々を過ごしていた。疫病被害の資料を集めているダニエルのもとに、自警団から殺人事件の調査の依頼が入る。ダニエルとその助手とゲイブが目にしたのは、ドラゴンに食い殺された男の異様な死体であった。疫病が日々数千人の命を奪っていく地獄の中で、なぜ男は殺されなくてはならなかったのか? それともドラゴンが実在するとでもいうのだろうか?

という感じです。

ネタバレというほどではないですが、主人公は誰でも知ってるあの人だったり、その人に関するネタがところどころに仕込まれています。

英文学に詳しい人ならタイトルだけでおおよそ想像はつくかと思います。

ちゃんとロジックをつめた本格ミステリは久しぶりだったのと、疫病関係の資料の読み込みも含めて3ヶ月ほど苦しむことに。おかげで昔から書きたいと思っていた、疫病流行下での殺人事件というネタを消化できたので、肩の荷が降りた感じです。

 

『推理の重』の頒布情報と他収録作の情報は以下より。

blog.livedoor.jp

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5/1文学フリマ東京にて「崇高にして、もっとも優美―註釈版―」配布します

前略、ショートショートアンソロジー『犯罪の重』に7本寄稿しました。
5/1文学フリマ東京『犯罪の重』に寄稿しました - モナドの方へ


書き終わった後、参加者の一人kihirohito氏が突然、宣伝用をみんなで書こうという、ちょっとどうかしている提案をしてきたので、趣味全開で書いてみました。
「崇高にして、もっとも優美」/「monado」の小説 [pixiv]


江戸川乱歩没後50周年パブリックドメイン化記念作品とうたっていますが(怪人二十面相の二次創作ともいえるのですが)、実際は小林少年と明智小五郎が茶碗の話を延々しているだけの話であり、さらに実際には茶碗の話ですらなく、本文中は一言も言及されていないBABYMETALの話になっているという構造になっています。

「BABYMETALは茶碗である」という誰にも理解してもらえない持論を形にした作品です。

何を言っているのかわからないと思いますが、読んでいただければわりとわかりやすく書いてあります。勘のいいメイトであれば、タイトルで気づいてもおかしくないと言えましょう。


しかし書き終わったはいいものの、埋め込まれたネタを解説せずにはいられない衝動が爆発してしまったので、註釈版としてコピ本をこしらえて『犯罪の重』購入者に配布しようと思います。部数は限られると思うのでお早めに。


こんな表紙DEATH

モッシュッシュメイトのみなさん、5/1は文学フリマ会場(東京流通センターのサ-16)で、僕とWall of Death

5/1文学フリマ東京『犯罪の重』に寄稿しました

@juliu__s主催のショートショート集『犯罪の重』にショートショートを7本寄稿しました。
経緯については以下を参照ください。
日記:本を作るにあたって誕生編 : 重箱のカド


ショートショートアンソロジー『犯罪の重』
A6・310ページ、1000円

なんと30話も入っているので、1話あたり33円という爆裂にお得な1冊です。

第22回 文学フリマ
開催日:5/1(日) 11:00〜17:00
会場:東京流通センター
サークル名:重箱のカド
ブース:サ-16

収録作については以下を参照してください。
犯罪の重 各話タイトルなど : 重箱のカド

それでは、自作のあらすじと簡単な解説をば

アブダクション

ー―万全な処置をほどこされ自宅に帰宅した患者が、数日後「宇宙人に誘拐された!」とありもしない妄言を叫びだす。そんなことは絶対にあえりえないと博士は言うのだが……
誘拐というお題が出た瞬間に、誘拐としてのアブダクションとパースのアブダクション(仮説形成)をひっかけるしかない!と思ったところまではよかったのですが、ネタが使い物になるまで何度も没にしました。

「悪の起源」

ー―宇宙船の乗組員たちが、われわれによく似た生物が住む惑星を発見する。そこでは奇妙な住人たちが、悪に対抗するため奇妙な実験を行っていた。
諸星大二郎『生物都市』のような世界があったとして、意外に困ることになったりしないかな?という疑問から思いついた作品。こういう系のオチが自分的には一番好み。

「合法夢」

ー―言論の自由が保証されているかわりに、危険な夢を見ると犯罪となる世界。違法な夢に悩む主人公のもとに「夢を合法化しませんか」という誘いの電話が……
グレッグ・イーガン『転送夢』みたいな小粋な夢系SFを書きたいと考えていたところ、タイトルが降臨したので、逆算的に書いた作品になります。まあネタ的にはアレです。

「硝子地獄」

ー―生まれつき皮膚病に侵されている男は、自分とは対極的な美しさをもつ硝子を偏愛していた。ますます硝子にのめりこんでいく男が迎える悲喜劇。
10代後半に、江戸川乱歩『鏡地獄』に影響を受けて書いた作品をリライト。ジャンル的には幻想文学になるでしょうか。

「殺人輪舞遁走曲」

ー―誰が誰を殺したのか?誰が誰を殺そうとしているのか?転がる死体の山は一体誰なのか?それに気づいた時、この俺は……
20代に、ジョイスユリシーズ』と柳瀬尚紀の読解をよんで感銘を受けたころに書いた作品。句点がでてこない実験文学的ミステリ?です。
途中出てくる変な擬音は柳瀬尚紀ユリシーズ読解からの引用です。

「エーヴィッヒ・ハウザー最期の死術」

ー―死ぬことを芸として披露している男に奇妙な仕事のオファーが……そして訪れる驚くべき最期。
グレッグ・イーガン万物理論』の冒頭のエピソードが好きなので、死者蘇生モノでここは一作と思い、頭をひねりました。わりと几帳面にロジックを詰めています。
名前は仰々しいのだったら何でも良かったのですが、カスパー・ハウザーみたいなのにしたかったという。

「オメガの棋士

ー―アルファ碁がトップ棋士に勝利してから二十数年後。突如として現れた無敗の棋士、ハンドルネームomega。最強のAIと対局することになるomegaの正体とは。
囲碁研究を少ししていた人間として、アルファ碁の勝利はあまりに鮮烈でした。結構ギリギリだったのですが、わりとネタがすぐに思いついたので無理やりねじ込みました。
宮内悠介の某作品とネタがほぼ被ってるという気もしますが、まあ時事ネタということでお許し下さい。
途中で出てくる囲碁AIの名前は、自分が修論の時に作っていた詰碁ソフトの名前です。

円盤刊行会 presents いつも心に黒い太陽

謎のユニット、地下102階がメンバーを増員してのワンマンライブ!
ソワカちゃん楽曲もありながら、今までやったことのないあんな曲やこんな曲をお届けする予定です。
ゲストの万有引力の俳優陣による、舞踏やらなにやら怪しげなパフォーマンスも加わり、前回よりもアングラ度がアップしております。そっち系が好きな方は是非いらしてください。
見ないと来世で後悔必至!

◎出演バンド◎
地下102階

◎ゲスト舞踏◎
森ようこ(万有引力
高橋優太万有引力

禁断の音楽術師たちが幻獣たちの魂を映し出す ウロボロス幻夜
――J・A・シーザー氏(演劇実験室◎万有引力主宰)

日時:8/25(土)
開場:18:00
開演:18:30
場所:池袋 音処・手刀

開催日が差し迫っているので、メール予約よりも当日券のほうが安全かもしれません。
前売り券を買い求めたいかたは、いますぐ予約をお願いします!

詳細はこちら
ライブ情報 - 円盤刊行会


自分は、後ろのブースでこっそり映像操作などをやっております。

円盤刊行会 presents 密猟の夜

地下102階を中心としたライブイベント「密猟の夜」のチケットが発売されました。ソワカちゃん楽曲とかを生でかきならすゆかいな宴になります。

詳細はこちら
心のともしび:2月のライブの詳細が決まりました

自分はVJ(という名のただのプロジェクター操作係)など裏方的なことをやっております。

便宜上、当日券がありますが、あくまで便宜上なんで空気を読んでよろしくお願いします。

あと、
MacBook Air 11インチ欲しい!

b1228本まさかの完売!

第11回 文学フリマにて販売したb1228本がまさかの完売御礼となりました。わりと強気な価格設定かなとも思ったのですが、コンスタントに売れたのには当人が一番驚いてます。
trickenパックの影響力が一番大きかったのは言わずもがななのですが、立ち読みした結果買ってくださった方が多かったのには勇気づけられました。

何はともあれid:Lian&執筆陣&購入してくださったみなさま、本当にありがとうございました!

今回の裏話というか、コンセプトを含め、本を作って思ったことなど、後日書いてみようと思います。