秋海棠が咲き、秋茗荷が出た

 今日は昨日より9℃ほど最高気温が低く、肌寒いくらい。窓はひかえめに開け、半そでのTシャツの上にカーディガンを羽織った。
 まだ暑い時から庭隅の秋海棠が淡紅色のつぼみをつけているのを毎日雨戸の開け閉めのときに眺めていた。数日ほど前からひとつふたつと咲き始めた。朝から小雨が降っていたがお昼頃から雨が上がったので庭に出た。
 大きな明るい色の葉に雨粒をしたたらせた秋海棠は静かな光を放っているように見えた。うすい紅色の花は今までで一いちばんきれいと思った。毎年ほぼ同じ時期に咲く秋海棠はこの庭に十数年前から根付いてきた。
 涼しくなったので秋海棠のまわりの草引きを少しした。そういえば茗荷はどうだろうと思い、柿の木の下、お隣から勢力を伸ばした茗荷の草むらを見るとまるまるとしたのがいくつか。薄い黄色の花を咲かせている。悪いけれどもぎとった。大株の紫陽花の周りを見に行くとこちらも太った茗荷がいくつも顔をのぞかせていた。花が咲いているのが多い。少し残してもぎ取り、きれいに洗って茗荷が好きな近所の方にあげることにした。
 電話をすると駅前にいるのでわが家の近くに来たら電話するとのこと。30分くらいして電話があり、手渡したら喜んでくれた。

 雨の日に秋海棠咲き初めりふりむく思慕の胸にひとつあり

 小中英之の「半夏生ふりむく思慕のあらざれば苔の上なる雉鳩潔し」を下敷きに詠った。

雨の日に秋海棠咲きそむれば一年ぶりの再会に似つ

 人住まぬ庭に藤のつるガリバーの巨人を掩ふがごとくなり