雨は上がり、ときおり薄日がさす天気

 秋分の日、彼岸の中日は気温が上がらず薄日がさすていどの天気。昨夕からかなりの雨が降ったが朝には雨が上がっていた。
 お昼前に近くの商店でほぼ1週間分の野菜を買いこみ、値段が安くなった秋刀魚なども買った。週末の土曜だけ開けるこの店は主婦でいつも混み合い、レジ待ちの列ができるが安いことが魅力だ。
 同じく近くの肉屋でいくつかの買い物をして、あとは家にいることにした。
 歌を詠みたい気持ちが出てきたから。外出が重なると歌を詠もうという気持ちはあっても時間がとれない。いやこれは言い訳かもしれない。
 朝起きて居間に飾ってある老犬ももこの写真を見たら、悲しい気持ちが込み上げた。毎日居間にいるときはいつも見ているのに今朝はなぜかももこのことをしみじみを思い出した。なにもかもがなつかしく、なんでここにいないのだろうと。ひとしきり泣いた。どんなことをしても死んだももこが戻ってくることはないとあらためて思い知った。当たり前のことだが当たり前を当たり前として受け止めることができないときもある。
 一昨年のブログを読み返すと、ももことの生活の一端はわかるが余りももこのことを書いていないことを寂しく思った。あのときはブログよりも、ももことの生活に重きを置きたくて、ブログをいっそのことやめようかと思ったこともあった。柴犬レオのとき、ブログを書くことに夢中になって(レオのことを書いたのだが)かえってレオに寂しい思いをさせたのではないかという反省からだ。
 ブログを書く時間を使うよりももことの生活を優先させたのだから、あまりももこのことを書いていなくてもよしとしなければいけないだろう。


 壁色のミッドナイトブルーを左右(さう)に見て異界へとのぼるエスカレーター

 天の原へんげん自在の雲散らし落陽をクライマックスとす

 ビル中(なか)のポンパドールをトング持ちふた回りすれど買わずに帰る

 落陽の西空をゆく鳥のむれ過ぎてのちまた引き返す

 一メートルを無限に変へるアートありあの世に続く井戸のぞき見る

 週末の商店街にたこ焼きの屋台来ればよく買ひし母よ

 日が落ちてひそひそ声で鳴きはじむ秋分の夕ぐれのこほろぎ