改臓肢儀のラストが好きすぎたので書いとこう 『無限の住人』20巻

じんたいのふしぎ


なんだか普通のレビューをするのは久々。ほうぼうから散々な評価の「不死力解明編」が漸く終ったとのこと。久々にバトルがあったんだけども、闘い合っている人々の間に関係性が薄い(共闘している人が元・敵だけども、殲滅すべき相手はキャラが弱かった)ために気持ちが乗り切れなかった。昔のバトルは良かったなァ、なんて思い返してしまったのね。
それでも誉めるのよ。

無限の住人(20) (アフタヌーンKC)

無限の住人(20) (アフタヌーンKC)

さてバレるのだけども。
今回ラストで卍が手を失ったのをアフタヌーンで読んで、横でまた別の何かを読んでいた人に「これ手はどうなっちゃんですか」と聞いたら「なくなったよ。丹下左膳に近づけようとしているんじゃないの」と言われてはああ、と唸ったのだけども、そういうと尸良さん、そう私の大好きな尸良さんはどうなってしまうのかしら、というお話なの。
だって彼だって左目を失っていたわ。手なんて両手ともなくってよ。追いこしちゃった人ってやつだわ。
あれだわ、卍は丹下左膳に近づいているのかも知れないけれども、尸良さんは多分卍に近づいているんだわ。だから卍を殺そうとしているんだわ。この物語のラスボスは天津影久ではなく尸良さんだったんだわ。と私は思いたいのだわ。
ネウロで言うなら天津はあくまでHAL。追われる側。しかしながら尸良さんはこれまた私の好きなX。追う側。近づく側。追い越す側としての卍のライバル。天津はあくまで凛ちゃんの敵なんでしょう、尸良さんほど物語上対立しえるとは思えない。ええ、ええ、逆だと思う人もいるでしょう。でも私は思わないのです。こんな快楽を与える読みを捨てられるかという話なのです。


この漫画に渦巻く哲学や感情が気持ち良くてすき。地獄の釜に浸かっているような清涼感。でも私は現実にはああいう蘭学の先生みたいな考えを持った人がそんなに早く自分の過ちに気付くなんてことだけはないと思うから、それだけは少し不満だった。なによ雲水って。なによ雲水って。アイシールド21か。ほかの皆はもともと全員間違っているので何とも思わない、というか、むしろ好ましいんだけども。
尸良さんが美形に見えて仕様がない一冊。あの歪んだ笑い顔だけでご飯三杯。


それはそうと責め絵集らしきものを出すようです沙村さん。つ人でなしの恋(イラスト集) 沙村広明 定価3000円 12月21日発売予定
100枚溜まったからなのか、そんでもって乳首券は発動されているのか気になります。買いませんけれど買いませんけれど。