lessorの日記 このページをアンテナに追加 RSSフィード Twitter

2009-10-27

[]これって何かおかしくない? 02:48 これって何かおかしくない?を含むブックマーク これって何かおかしくない?のブックマークコメント

「総括」の(6)は、たぶん次の更新で。それよりもこれ。

障害者自立へ給与アップ 販路拡大、付加価値PR

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20091027-00000520-san-soci

 途中まではともかくとして、

生産ライン請け負いで成果

 一方で、福祉ベンチャーパートナー代表取締役大塚由紀子さんは「売り上げを伸ばしても工賃の上げ幅は小幅にとどまるが、工賃を一気に増やす方法がある」という。

 作業所では物作りを行い、できた品々を外で販売するケースが主流だが、そうではなく、作業所の外に出ることだという。高収益を出している企業はあり、生産ラインを丸ごと請け負えば時給を数百円アップできるという。

 三重県伊賀市の作業所「びいはいぶ」では、地元美容室向けにヘアケア用品を作るメーカーの製造ラインの一部を請け負っている。作業はシール張りや検品などだ。

 施設長の奥西利江さんによると、交通費込みで時給500円。毎日6時間働き、月給は6万円に上る。収入が増えたことでグループホームに入り、自立できた利用者もいるという。

 奥西さんは「企業が負担する人件費も低くなり、障害者の給与も増え、双方にメリットがあった。こうしたやり方が全国に広がれば障害者の自立につながるはずだ」と話している。

 この場合、最低賃金とかって、どうなるのか。どなたか教えてほしい(自分がこのあたりの事情を正確に理解していない可能性は十分にある)。作業所との請負契約で個々人と雇用契約を結んでいるわけでないから、その作業所から「利用者」にどう払われるのかは別に関係なし、ってこと? そうすると、これからあちこちの企業があちこちの通所施設に「請負でぜひ」ってもちかけて、最低賃金以下でも働かせられるからラッキーって話になるの?(むろん既にほとんどの作業所で下請け等の仕事をして最低賃金なんて払えてないという例ばっかりなんだから同じことじゃないかっていう意見はあるだろうけれども、この場合は「生産ライン」って言っているのだから、最低賃金を守られた「健常者」と同じ工場内での就労だったりするんだろう?)

 労働の問題については素人に近い者の印象としては、安い人件費を求めて発展途上国に工場移転していくのと、全く同じ構図なんじゃないのだろうか。その様々な功罪を含めて。いや生産性の違いはあるから、同じではないか。なんだかイヤな感じ。あああ。

追記:プロである濱口桂一郎さんが解説してくださいました。ありがとうございます。すっきりです。もちろん「じゃあ、障害をもつ人びとが労働法を守りつつ、しっかり稼ぐにはどうしたらいいのか」というのは難しい問題であり続けますが。

労働法は契約ではなく実態で判断するのが原則EU労働法政策雑記帳)

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2009/10/post-27ca.html

ちなみに、最低賃金法における障害者に関する規定も見つけました。

http://www.mhlw.go.jp/shingi/2008/05/s0520-10e.html

これもけっこう多義的に読めてしまいそうですが・・・。

ふま愚痴ふま愚痴 2009/10/31 16:47 こんなの

> 授産施設や作業所の役割は、生産ラインで働ける技術や生活習慣や労働意欲を身に付けた人を、施設から企業にきちんとした労働条件で就職させることであり、ラインごと送りこんで「工賃アップしてよかったね」と言うのは違うと思います。
http://kurokawashigeru.air-nifty.com/blog/2009/10/1028-e679.html#comment-39861341

lessorlessor 2009/11/01 01:02 こんなの・・・?

ふま愚痴ふま愚痴 2009/11/01 18:13 あっ、どうもです

何かよく分からないんですけど、就労【移行】支援事業所ってことみたいですよ
http://www.wam.go.jp/ca30/shuroshien/detail/c02/200906_02/200906_02.html

引用です引用です 2009/11/01 21:53 >現在の活動スタイルは、法律上の制約があるためミルボンの社員から仕事上の指示を受けたり、一緒に働いたりすることはありません。
>取材で訪れた日も、工場のラインでパート職員と利用者が一緒に作業をするのはもちろん、一緒に休憩をとり、楽しそうに会話しながら食事を取っていました。
http://www.wam.go.jp/ca30/shuroshien/detail/c02/200906_02/200906_02.html

引用です引用です 2009/11/02 14:20 > 利用者と職員がユニットを組み、企業から請け負った作業を当該企業内で行う、いわゆる施設外就労(企業内就労)は、一般就労への移行や工賃(賃金)の引き上げを図るために有効
> 事業所が請け負った作業について、利用者と施設外就労先の企業の従業員が共同で処理していないこと
> 利用者と事業所との関係は、事業所の施設内で行われる作業の場合と同様であること

就労移行支援事業、就労継続支援事業(A型、B型)における留意事項について
http://wwwhourei.mhlw.go.jp/cgi-bin/t_docframe.cgi?MODE=tsuchi&DMODE=CONTENTS&SMODE=NORMAL&KEYWORD=&EFSNO=9823

ふま愚痴ふま愚痴 2009/11/02 14:57 > 利用者と事業所との関係は、事業所の施設内で行われる作業の場合と同様であること

ということなんで。「企業内(施設外)就労であっても、施設内と同様の関係」なのだから、労働者じゃなくて利用者であるという理屈なんではないでしょうか…?

まとめです。まとめです。 2009/11/02 18:50 ご高覧いただければと…。
http://d.hatena.ne.jp/apj_yamagata/20091102

lessorlessor 2009/11/02 23:17 コメントとたくさんの情報ありがとうございます。

おそらく書かれているような整理のもとに、このような就労形態が可能になっているのだろうと思います。誤解のないように書いておきますと、この事例に関して工場が障害者を安上がりに活用しようという意図をもっていると自分は思いませんし、作業所を責める気にもなりません。おそらく障害をもつ人たちの働き方や工賃のあり方に対して、真摯に考えている人たちが集まった結果だと思います。
自分が不安に思うのは、こういったやり方が広まるにつれて「悪用」される可能性であり、それが「悪用」なのかそうでないのかを区別のしようがない、ということです。世の中いろんな人たちがいますので・・・。

tu-tatu-ta 2009/11/03 15:18 ぼくは以下のように考えます。
授産施設であれ、作業所であれ、そこで労働が行われているのは間違いない。
生産性が高いか低いかは、問題ではないはずです。

であるにもかかわらず、そこでの労働が労働として認められず、労災補償も労働者の団結権も認められていない現状こそ改められるべきだと思うのです。

以下のURL
http://tu-ta.at.webry.info/200810/article_11.html
で、その労働者性の問題に少し触れています。

引用ばかりで、わかりにくいと思いますが、ぼくが考えているのは単純な話です。結語部分だけ引用させてもらいます。
===


「神戸市内の知的障害者作業所が、最低賃金法と労働基準法に違反しているとして、神戸東労働基準監督署は18日、運営する社会福祉法人「神戸育成会」(本部・神戸市長田区)に改善指導した」、という件にも関連し、作業所やいわゆる授産施設(現在は継続就労B型)で「利用者」として働く障害者には労働者性がないということを明確にするために出された厚生労働省からの通達だ。

まず、話が逆転しているのだとぼくは思う。

作業所であれ、B型であれ、働いているのに、労働者として認められず、労働者としての権利が保障されないことが大きな問題なのだ。

そこでは失業保険も労働災害補償も基本的にはない。労働者の団結権も団体交渉権もない。

彼女や彼を労働者として認てしまえば、このように逆転した話は起こらない。

そう、彼らの労働で作業所が生活するに足る賃金を払えないとすれば、その不足分を公的に保障すればいい。そこで、生活できる賃金が支給されるのであれば、年金制度のほうを見直すことも可能なのではないか。

そのことで解消できる問題は少なくない思う

働いているのだから、労働者として認めること!
そこから始めるべきだという主張はぼくにはあたりまえのことだと思われる。
===

lessorlessor 2009/11/03 23:40 コメントありがとうございます。

自分がさほど詳しくない領域なのでこれ以上は深入りしたくないのですが、「労働者として認める」ときに最低賃金等のクリアしなければいけない条件が出てきて、結果的に雇われなくなる、ぐらいならば、「利用者」としてでも今以上の賃金を受け取れるようにしたい、という理由で、このようなことが行われるのだろうと思います。

「労働者」として扱われることは、きっとたくさんのものを得られるに違いありませんが、同時に失うものもあるのかもしれません。得られるものと失うもののバランスを考えたときに、「労働者」となることを選ぶのがよいかどうかの損得勘定が個別の場面ごとに異なるがゆえにこうした問題が生じるのでしょう。とすれば、所得保障制度を含めて「労働者」とならなくてもよいだけの条件がそろえば、ある部分においては問題は解決するように見えます(実際に障害基礎年金等はあるわけですし)。

ただ、通所施設や作業所などで「労働」に期待されているものは実に多様であるがために、この議論はいっそう複雑さを増すだろうとも思います。お金のためというより「仕事をするために仕事をつくる」ような実態もたくさんあります。「売る」ことをどのぐらい目的にしているのかも不明確な「ものづくり」も行われます。「することがない」ことが不安につながる人もいます。

経済学に詳しい人ならもっと深みのある議論ができるでしょうが、自分に言えるのはこの程度までです。すいません。

lessorlessor 2009/11/03 23:50 そして、以前も就労に関することをとりあげたときにコメントやトラックバックが盛り上がりましたけれど、たまにはもう少し違うテーマが社会的な注目を浴びてほしいとも思います。「働く」ことに強い価値が置かれていることの裏返しのようにも思えるので。
http://d.hatena.ne.jp/lessor/20070219/1171856755

こんなのこんなの 2009/11/05 16:55 障害者自立支援法における「労働」と権利擁護の在り方
> 当事者の実態に則した法的地位の確定作業を、労働法分野も社会保障・社会福祉法分野も充分になし得ていない
> 障害のある人が働く場面における法的地位は、これまでもきわめて不明瞭なまま放置されてきた
> 二項対立的に、「労働者か、非労働者か」と判断するのではなく、狭間に位置する人びとへの相対的な「労働者」性判断ならびに権利保障を検討すべき
http://lib.u-air.ac.jp/nenpou/no24/001.pdf

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