なぜ考える前にググって良いのか
「考える前にもっとググっていいんだよ - Skepticism is beautiful」には「順番など関係ない」といった趣旨の比較的に厳しい評価もあったようです。考えるか考えないかの問題であって、順番がそれほど重要ではないという指摘は納得行く人も多いと思います。
時間的順序関係とかの問題では無いですよね。
考えながら調べれば良いし、調べながら考えれば良い。行ったり来たり。考えるって、そういう事でしょ。
私も概ね同意なのですが、順番を意識した方がいいかもしれないという根拠をひとつだけもっています。それは「確証バイアス」の問題です。
確証バイアスとは何か
「確証バイアス」とは、簡単に言えば、自分の信念に合う情報を受け入れやすく、自分の信念に反する情報は受け入れにくいという、思考の偏りのことです。詳しくは、Skeptic's Dictionaryの確証バイアスの項目を参照してください。
確証バイアスとは、選択的思考の一種である。確証バイアスによって人は信念を獲得し、その信念を確証するものを探そうとする。一方、信念に反することがらを探すのではなく黙殺したり、あるいは低い価値しか与えなかったりもする。
(中略)
このように、最初に抱いた先入観や信念を裏付けるデータを重用して、これに反するデータを軽んじようとする傾向は、先入観や信念に根拠が乏しく、ほとんど予断とかわらないような場合に、いっそう顕著になる。
確証バイアスの及ぼす影響
誰でも殆ど知識のない状態で考えたとき、見当外れの考えに至ってしまう場合があります。これは、「信念」と呼べるほどのものではありませんが、それでも確証バイアスの元になるという影響がある可能性を無視できません。
知識のない状態で考えることについては以前も軽く触れました。「信奉者は批判的思考を扱えないわけではない - Skepticism is beautiful」や「あなたが懐疑主義だと思っているものは懐疑主義ではない - Skepticism is beautiful」を参照してください。
知識がない状態で、見当違いな印象を持ってしまい、その後の評価がその印象に引きずられるとしたらもったいない話です。