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2010-07-09

ビタミンK欠乏症問題

ビタミンK問題が話題になっているので、私も書かずにはいられなかった。

ビタミンK欠乏症

新生児は、ビタミンK欠乏になりやすい。ビタミンK欠乏状態になると、出血が止まらないような症状になる。脳内出血が起こった場合等は、死亡したり、重大な障害が残ったりする場合もある。通常、新生児にはK2シロップと呼ばれるビタミン剤を投与することで、ビタミンK欠乏を抑制している。


自然信仰母乳育児の推進

粉ミルクに比べて母乳の方がよいという話は、医療の現場でも言われていることのようだ。国際機関や政府機関は積極的に母乳育児を勧めている。しかし、ビタミンKの問題については、粉ミルクの方が望ましい。人工的だとしてK2シロップを拒否する行動と、自然だとして母乳育児にこだわる行動が重なると、ビタミンK欠乏症の危険性は増す。


ビタミンK問題

「ビタミンK与えず乳児死亡」母親が助産師提訴」というニュースが 2010年7月9日 読売新聞から配信された。以下に内容を一部引用する。

生後2か月の女児が死亡したのは、出生後の投与が常識になっているビタミンKを与えなかったためビタミンK欠乏性出血症になったことが原因として、母親 (33)が山口市の助産師(43)を相手取り、損害賠償請求訴訟を山口地裁に起こしていることがわかった。

助産師は、ビタミンKの代わりに「自然治癒力を促す」という錠剤を与えていた。錠剤は、助産師が所属する自然療法普及の団体が推奨するものだった。

この事例は、ホメオパシー問題を追っている人の間では広く知られている。「助産院は安全?」というブログの功績である。


ホメオパス*1の認識

ニュースの配信をきっかけに、菊池誠さんのブログの記事「kikulog」のコメント欄に情報が寄せられている。現時点で重要だと思われる内容を引用する。

生まれた翌日、退院の日、1ヶ月検診、この3回、赤ちゃんにK2シロップを飲ませていますよね。これは、頭蓋内出血とか、出血傾向の予防のためなのです。 それで、ビタミン剤の実物の投与があまりよくないと思うので、私はレメディーにして使っています。

うさぎ林檎さんの投稿:(由井寅子のホメオパシーガイドブック?)からの引用

ビタミン剤の実物投与があまりよくないと思う」という自然信仰丸出しの思い込みからホメオパシーのレメディを用いているという話のようだ*2。この発言をしたという鴨原鴫原助産師は、善意からこういった行動をとったのだろう。しかし、善意だからといって許される行動ではない。

また、Takuさんによれば、今回の問題が明るみに出た後、ホメオパシー医学協会の雑誌では、以下のような弁解(?)が書かれているという。とにかくこれはひどい

Vit- K30Cには現物質はなく、パターンしか含まれておらず、血管壁を壊すことはありえないこと、(逆にK2シロップの過剰投与は血管壁をもろくする可能性あり)、今回の原因推定としては、様々な問題が考えられること、また、両親のミネラル不足やマヤズム的問題、医原病が胎児に受け継ぐ事などもあること。

Takuさんの投稿:(日本ホメオパシー医学協会の会員向けの雑誌)からの引用

レメディのせいではなく*3、両親の健康状態が悪かった、過去生のカルマのようなものだ、両親の受けた現代医療が子供に悪い影響を与えた…という主張をしているようだ。つまりは、親が悪い、(マヤズムによれば)もともと死ぬ運命だった…とかいう話を分かりにくく表現しているだけである。

どこまで厚顔無恥なのだろうか。


その他参照して欲しい先

なぜ助産師がビタミンK投与を怠ったのか - とらねこ日誌

メモ:ホメオパシーとK2シロップ - Interdisciplinary

404 Error - FC2ブログ

kikulog

*1ホメオパシージャパン系列の…と言えるだろう

*2:ちなみに、これはホメオパシーのレメディの考えからはずれている。本来ならば、ビタミンK欠乏症と同じ症状を起こす物質を希釈する必要があるはずだ。

*3:もちろんレメディのせいではない。K2シロップを与えなかったのが悪いのだ。

doramaodoramao 2010/07/09 21:27 こんにちは。紹介有り難うございます。
細かくて申し訳ないのですが、鴨原ではなく鴫原助産師が正しいと思います。

うさぎ林檎うさぎ林檎 2010/07/09 23:57 すいません、”カモ”と”シギ”を素で読み間違えてました。
”鴫原助産師”です。ごめんなさい、ごめんなさい、m(_ _ )m

元外科医元外科医 2010/07/10 10:21  代替医療もニセ科学も大好きで話題には事欠きませんが、自宅内ではともかく他人に話す場合は酒席での話題にしか載せません(^^;
 代替医療なんかまともに医療をやっているものから見たら詐欺師にしか見えません。

チョキチョキ 2010/07/10 12:47 すいません、母乳栄養を否定までする必要はないのでは?母乳でもビタミンK2シロップを内服させればすむ話なんですから・・・。ちなみに初乳にはビタミンKが含まれています。

lets_skepticlets_skeptic 2010/07/11 22:56 >doramaoさん
ご指摘ありがとうございました。直しました。

>うさぎ林檎さん
貴重な情報ありがとうございました。引用させていただきました。

>元外科医さん
本当に、単なる詐欺として扱われればいいのに思うことが多いです。

>チョキさん
ちょっと書き方が悪かったのですが、母乳育児について否定するつもりはありません。
(ただ、極端な母乳育児推進活動もあるので、潜在意識的に書き方が悪くなったという事情はあるかも。)

honey02honey02 2010/07/12 11:24 はじめまして。
私の産院では生後1回のみの投与でした。
1ヶ月検診ではあげない方針と言われました。
今生後40日が経ちましたがいまからでも小児科などで投与してもらったほうがいいですよね…

lets_skepticlets_skeptic 2010/07/13 21:13 > honey02さん
産婦人科になるのかもしれませんが、一度病院の方に相談してみてはいかがでしょうか。ビタミンKを与えるデメリットが良く分からないのですが、「あげない方針」には、何か理由があったのでしょうか?(説明があったのでしょうか)

honey02honey02 2010/07/14 20:32 1ヶ月検診であげているのを見ていなかった為、産婦人科に電話したところそう回答されました。 市に相談したところ、50日くらい経っているのであればおそらくもう平気だと思いますと言われたのですが、やはり不安です。
産婦人科では心配ならばいまからでも投与すると言われましたが、しない方針のところで投与してもらうのも不安で考えてしまいます…。

lets_skepticlets_skeptic 2010/07/15 09:48 > honey02さん
なるほど、特に詳しい説明はなかったんですね。不可解ですけれど…。
おそらく、通常は1ヵ月検診のときが最後の投与らしいので、今まで大丈夫だったなら大丈夫だという回答なのだと思います。私は医師ではないので、リスクがどのくらいなのかはわかりません。市への相談で大丈夫ということなら、それほど心配することはないと思いますが。

beautybeauty 2010/08/11 19:16 <<<助産院は危険です>>>

http://www.mhlw.go.jp/shingi/2005/09/images/s0905-7f1.gif

50年前、分娩場所が助産所や自宅から、病院や産婦人科医院(診療所)に代わり、母体死亡率が激減してます。

半世紀前に戻るのか????

beautybeauty 2010/08/11 19:16 <<<助産院は危険です>>>

http://www.mhlw.go.jp/shingi/2005/09/images/s0905-7f1.gif

50年前、分娩場所が助産所や自宅から、病院や産婦人科医院(診療所)に代わり、母体死亡率が激減してます。

半世紀前に戻るのか????

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