モバイル業界の未来と就活

今日はモバイルコンテンツ業界の某リーディングカンパニーの説明会に行ってきました。

質疑応答の時間に、「これからケータイブラウザのリッチクライアント化の流れの中で、御社のBtoC領域である課金事業が弱くなっていくんじゃないか」という、まぁありがちな質問をしたら、「確かにその流れはあるが、版権コンテンツの価値はクライアントにかかわらずあるし、我々には狭小画面でのデザインノウハウ(情報を読みやすいように最適加工する)がある」とのお答えをいただいた(本当はもっといろいろ答えてもらったのだが、ここでは割愛)

なるほど。だとすればこの会社は、製鉄所における鉄の鋳造のように、デバイスに応じて情報を最適なものに加工するのが強み(コンピタンス)なんでしょう。そして、そのままでは鉄=コンテンツが不足するのは明々白々なので、自ら鉄資源の開拓に乗り出す(コンテンツ提案などの戦略コンサル事業)のも無理は無かろうと。

先の質問は将来一見クローズドな市場が180°転換する可能性があり、ビジネスモデルの根本を再検討も考えないといけないということをもちろん意図していたわけですが、なるほどこの方針を徹底していけば、あとは具体的な技術論に落とし込めばいいわけで、経営としてのヴィジョンはしっかりしているなと感じました。

ところで、説明会では働き方や職場環境のことを尋ねる方が多くて、企業側の方もそのような質問をすることを暗に、または明に勧めているのですが、やっぱりどうせ質問するなら業界のヴィジョンや展望を訊く方が断然面白いですね。職場環境は確かに重要ですが、一方でそれは会社の方針から演繹された一具体論に過ぎないわけです。トップの答えがしっかりしたものであれば、社員もそのヴィジョンを共有してよい職場環境になっているでしょう。この会社で働きてぇというモチベーションもそういったヴィジョンの背景から湧き出るものに感化されて生まれてくるものでしょうしね。

安定志向とは違った意味で、10年20年と生き残る会社・トップとつきあっていきたいものですね。