一乗寺賢(朴路美)のinformation

松の木の根もとを掘ると松露というまるいきのこが出て来ることがあるが、それを、もう一そうでこぼこしたような感じの顔であった。目は三つあったが、正面から見ると二つしか見えないから、これは人間の顔とそっくりであった。もう一つの目は顔の後にあった。だから、後を見ようと思えば見える。
 目のついているところは、河馬の目のように、ふくれあがっている。そうして目玉が大きく、ぐりぐりとよく動く。どっちの方角もよく見える。
 あたまの上には長い毛のようなものが生えているが、これは毛ではなさそうだ。毛よりももっと太い。そうして、たこの足のようにどっちへでもよく動き、のびたりちぢんだりする。いつもは、この先が蔓のようにくるくるとまいている。これは一種の触角であるらしい。麦わら帽子の下からこの動く蔓が出て、にょろにょろしていて、気味がわるい。
 目の下には、人間のように鼻がない。そうしてすぐ口のようなものがある。口というよりは、くちばしといった方がいいかも知れない。

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