西原理恵子×月乃光司のおサケについてのまじめな話:アルコール依存症という病気

書き手:大阪市立港図書館 A

所蔵図書館 資料番号 請求記号
大阪市立図書館  0012106138 493.1//

1.この本を選んだわけ
「酒は百薬の長」などといいますが、飲みすぎた挙句に脂肪肝といわれたり、血中の中性脂肪の数値が基準を超えてしまったり、良くないこともあったりします。ほどほどを心得ることができればいいのですが、わかっちゃいるけどやめられない、という人も多いでしょう。
この本の副題は「アルコール依存症という病気」といいます。
毎日かあさん」などの作品で人気の漫画家、西原理恵子さんは元夫の故・鴨志田穣さんのアルコール依存症に苦しんだ経験をお持ちです。本書では、西原さんが若年性アルコール依存症になった経験のある作家、月乃光司さんとお酒について語ります。
アルコール依存症について書かれた本なら他にもあります。けど、そういう本を実際に手に取る機会はあまりないでしょう。この本は西原理恵子さんが参加されていることで、そういったとっつきにくさをうまく取り除けているのではないでしょうか。
本書では鴨志田さんとのエピソードも描かれていますが、西原さんの鴨志田さんへの想いには本当に心を打たれます。また、そういう経験を積んだ人の言葉には、我々に伝わるものがあると思います。
この本で特に印象的だったのは、西原さんが病気になった人を持った家族の生活、特に仕事とお金の面についても言及していたことです。こういうリアルな部分に踏み込んで書いているのは少しめずらしい気がします。
楽しく読める本ではありません。けど、アルコール依存症という厄介な病気のことを手軽に知るには最適な1冊かもしれない、そんな本です。
2.こんなひとにおすすめ
アルコール依存症に苦しむ人、その家族はもちろんオススメです。
けれども、アルコールの問題に限らず「家族が病気になったら・・・」と考えたことのある人なら、手にする価値はあると思います。
あと、もちろん、サイバラファンにもおすすめです。これは「りえぞうと鴨ちゃんの物語」でもありますから。
3.こちらもどうぞ
鴨志田穣さんの著作です。

酔いがさめたら、うちに帰ろう。

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