サルの愚痴

昨日の勢いがまだ残っていて、今のオレはかなりはじけている。

もちろん愚痴の原因は取引先の社長さんだ。


社長さんの思いつきで、開発中のシステムにあるフィルタ処理を入れてみようという話になった。
で、フィルタ処理を暫定的にシステムに組み込み(徹夜作業である)、実験してデータを取るところまで作業を進めた。

データを取っている最中に社長さんが突然乱入してきて、得意のセリフを吐いた。



「銅?」

どうも何もただデータを取っている段階である。言えることは何もない。


そして自分でシステムをいじりだし、信号がうまく出てこなくなった。


またもや得意のセリフが火を吹いた。




「こんな不具合があるんじゃ、売れん!」


いや、まだ実験段階ですんでエラー処理なんかこれっぽっちも入ってません。
妙な入力したらハングするなりなんなりします。アナタ以外はみんなわかってます。わかってないのはアナタだけです。わっはっは。

その旨説明すると、「でもこんなんじゃお客に見せられん!」と怒濤のように怒る。


徹夜作業をしたオレに「お疲れさま」の一言もなく、いきなりコレである。(しかもこの作業、金をもらえるわけではない。)

自分は「お客様は神様です」を実践しているスーパービジネスマンだと信じ込んでいるからタチが悪い。お客さんのためならなんでも許されると思っているのである。


オレはお客さんのためにロハで実用になるかどうかわからないフィルタ処理を組み込み、風邪をおして徹夜し、さらに開発期間短縮のために必要最小限の機能だけを実装し、実験に臨んだわけである。

そして言い出しっぺの社長さんの有り難い一言が「こんなもん、使いもんにならん!」である。それもデータ取りの段階で、フィルタ処理の効果がどうなのかもわからない段階で、である。グッジョブ社長さん。


そして文系&理系コンプレックスにありがちなトドメの一言。



「なんか数学的な処理したらえぇんとちゃうか?」


数学を魔法か何かだと勘違いしておられる。ついでに言えばフィルタも数学的な処理だオタンコナス。


オレが社長さんに望むことはただ一つだ。






座っててくれ。