東方キャラで語る飛行機の歴史 その2
「そ、前回の英軍機がなかなか好評だったのでまた管理人がやる気を出したみたいよ」
「まぁそれはいいんだけど・・・今回はどんな飛行機についてやるの?」
「ええと、今回は・・・フランス軍の局地爆撃機シュド・ウェストSO4000ね。」
「というか局地爆撃機ってナニよ?局地戦闘機なら聞いたことあるけど爆撃機でそんなカテゴリー聞いたこと無いわよ?」
「その理由はおいおい説明するから安心して。まず機体の説明だけど、第二次世界大戦後、ちょうどジェット機の時代がやってきたころにフランス航空界がその威信をかけて開発を開始したものよ」
「あー、アレか?前の戦争*1でドイツにボコボコに叩きのめされたから・・・」
リベンジに燃えるフランス人航空技術者(イメージ映像)「我らがフランスの技術力は世界一ィィィ!!」
「でもそんな上手くいくのか?戦後初期のジェット機ってアメリカでも結構おかしな機体*2が出ていると思うんだけど」
「戦闘機なんかプロペラより速いだけで何とかなりそうだけどそれでもいろいろ変なの出来たしねぇ・・・搭載量とか航続距離のバランスが難しい爆撃機って経験なしで成功できるの?あと、ヴィシー政権*3じゃジェットエンジンの開発なんてやってる暇なかったと思うけどよくエンジンが確保出来たわね。」
「あ、エンジンならイギリスがイスパノスイザ・ニーンエンジンをくれたから問題ないわよ。」
「それって確か戦後にイギリスがソ連に渡したのと同じのか。」
「あのエンジンのせいでソ連がMiG-15作っちゃったのよねぇ・・・朝鮮戦争とかベトナムで後々アメリカが苦労する羽目になったんだけど」
「アレじゃないか?偉くなった元植民地に対する落ちぶれた宗主国の嫌がらせとか」
「まぁその話は置いておいて・・・ともかくエンジンの目処も付いて(貰い物だけど)設計陣は張り切って設計を進めたようね。エンジンは後尾に積んでポッドやナセルは無し、外見はかなりクリーンな出来になったわ」
「ただその後がちょっとね・・・どういうわけか主脚が4本、サスペンションのストロークが1mという大きさになっちゃったのよ。」
「何でまたそんなデカイのを・・・脚なんて普通2本で良いんじゃないの?」
「よっぽど機体が重かったのか? というかどういう場所での滑走想定してたんだよ・・・」
「そんなわけで脚をしまう場所に場所をとられて翼に燃料タンクが付けられずじまい。」
「え、それってまずくない?だって胴体は爆弾積むからそんなに燃料積めないでしょ?」
「何とかそれでもタンクは付けられたんだけど・・・容量はたった6500リットルね。」
「うーん、それだけ聞くと結構積めたように思えるんだけどな。」
「あ、同時期に開発されたアメリカのB−47爆撃機は約10倍の64000リットル積めたから。」
「一応向こうが6発機、こっちが双発としても10倍って・・・」
「しかも、機体の自重が重いという悪条件も重なったのね。一応総重量が22トンなんだけど、そのうち機体の重さだけで16トン、燃料の重さが約5トン」
「おいちょっとまて、それって爆弾積めるのか?カタログスペックじゃ3トン積めるってあるけど」
「いいえ?もちろん燃料積むだけで精一杯よ。そんなわけで最大速度は推定850キロ、戦闘行動半径はたった610キロ。」
「局地爆撃機ってこの事なのね。」
「まぁそんなわけで、明らかに失敗と分かったSO4000は開発中止、一応1951年に初飛行したけどこの機体が空を飛んだのは後にも先にもこれっきりのようね。」
「ちなみに同時期に開発されたイギリスのイングリッシュ・エレクトリック・キャンベラは自重10トン、総重量20トン、最大速度917キロ、爆弾は3,6トン積めて戦闘行動半径は1300キロね。
フランス技術者を陰で笑うドイツ人技術者(イメージ映像)「イギリス機にも負けてやんの m9(^Д^)プギャー」
参考資料:岡部ださく 世界の駄っ作機1