萌える春秋戦国史 「しゅん☆じゅう」その16


あら、去年出たあの本の3巻が出ていたのね。


キスとDO‐JIN!―同級生は801嫌い!? (もえぎ文庫ピュアリー)

キスとDO‐JIN!―同級生は801嫌い!? (もえぎ文庫ピュアリー)


そのようですね・・・今回はあんまり同人イベントでなく海とか野球勝負の話がメインのようですが。


でもやはりげんしけん荻上事件のようなのは本当にあるのかしら・・・?


さぁ・・・?


それでは、本編に進むわよ。





さて、前回は楚国が勢力を着々と拡大して周辺の小国を滅ぼすところまで進みました。この後も楚文王は周辺諸国に出兵を続けたのですが紀元前675年、戦いで受けた傷が悪化して死去します。この後、楚王の座には堵敖という人物が就いたのですが政変に巻き込まれてあっさり殺害されました。


早!


楚堵敖
楚の第十九代君主。在位年は前674〜672年。名は囏。文王の子、母は息嬀。『史記』では荘敖と書かれる。弟の綠を殺そうとしたが、逆に殺されてしまった。



この後堵敖を殺した弟の熊綠が楚王の座に就き、楚成王となりました。この人は今後もちょくちょく出てくるので覚えておいてくださいね。


楚成王
楚の第20代目の君主。在位年は紀元前672〜626年。楚の国力を強大化させ、中原進出を目論む。


今回はまた南方の話なの?


いえ、今回は周王朝の話をメインに進める予定です。


あれ、でも以前鄭にフルボッコにされて権威がガタ落ちになったんじゃ?


そうなんですが、それでも依然それなりの力を持っていたようですね。


ふーん・・・



周の首都・洛陽


ここが周の首都の洛陽ですか。なかなか賑やかなところですね。


そうですね。そろそろ仕官先が見つかると良いのですが・・・



百里
諸国を遊説して回る浪人。第9話より登場。


蹇叔
斉の貴族の次男坊。現在百里渓と共に就職浪人中。第9話より登場。


萌える春秋戦国史 「しゅん☆じゅう」 その9 - 徒然なる読書の日々出張版




まずはあちこちの門をたたいて見ましょう。



数日後


百里渓、どうですか、仕官先の方は・・・?


それが、周の王子の一人である王子頽という人の所に行ったのですが、牛の飼育の仕事が見つかったのですが・・・


王子頽
周の王子。前673年没。荘王の子、母は王姚。周荘王の寵愛を受け、大きな勢力を持った。恵王が即位すると、子頽派の勢力を削ごうとしたので蔿国らと乱を起こした。一度は敗れて温に逃れたが、衛と南燕の力をかりて王を討ち、都に入った。しかし・・・


うーん、牛の飼育のような仕事では・・・それに王子頽がどのような人物かも分からないのでしょう?もうしばらく仕官は見合わせるべきでしょう。


・・・・・・



そしてまた数日後


百里渓!百里渓はいますか!


蹇叔、一体どうしたんですか?そんなに急いで・・・


まずいわ、あの後あちこちで情報を集めたのですがあの王子頽は第二の公孫無知になるかもしれません。状況はあの時にそっくりです!


え?!でも、ここでは王子頽に心を寄せる大臣も多いと聞きますが・・・


それだけに乱は大きくなります、ここにいては巻き添えを食らいかねません。すぐここを離れましょう!



またここでもお決まりの権力闘争ね・・・


ええ。このとき周の王位についていたのは周恵王と呼ばれる人ですが、叔父に当たる王子頽が国内に大きな勢力を持っていたため、勢力を削る目的で王子頽派の5人の大臣の領土を削ったのです。


周恵王
周王朝第17代目の王。在位年は紀元前676〜653年。力を伸ばす王子頽の勢力を削るため王子頽派の大臣の領土を削るが、それが原因で乱が起きる。


そんな事して大丈夫なのかしら・・・


いえ、もちろん王子頽は黙っていられず、領土を削られた5人の大臣と守り役の蔿国に後押しされて反乱を起こします。


やっぱり。


ところがこのときは周恵王の側がしっかりと防備を調えていたためにあっさりと失敗。王子頽は衛に亡命する事になります。これが紀元前675年の出来事ですね。


あらら?


(スタッフの笑い声)


しかし王子頽はあきらめずに衛と燕に援軍を要請、大軍を率いて周に攻め込みました。このため周恵王は鄭に亡命します。


I shall return!



そのころ・・・


ふむ・・・やはり洛陽で乱が起きましたか・・・


蹇叔、どちらの側が勝ったのですか?


今は王子頽が勝ったようですね・・・


なんですって?蹇叔、お願いです、洛陽に引き返しましょう!


何を馬鹿な!今戻れば死にに行くようなものですよ!


えっ・・・?


今王子頽が勝ったのは衛と燕の援軍のおかげです。しかし二カ国とも遠国の軍勢、いずれ引き上げるしかないのですよ?しかし周恵王はすぐ近くの鄭からいつでも軍を借りられるのです。王子頽の政権は長くないでしょうね・・・



鄭の首都・新鄭


鄭窅公
何、周恵王がわが国に亡命してきた? ふむ・・・今は衛と燕の軍がいるがこいつらはいずれ引き上げるな・・・よし、そのときに・・・



そして紀元前673年、鄭窅公は大軍を率いて洛陽に進撃することになるの。


周軍兵士
た、大変です!


どうした、騒々しい。


鄭窅公が大軍を率いて洛陽に迫っています!


な、なんだと!?まずい、衛軍と燕軍は既に引き上げたのに・・・


敵の主力はもはやいない、一気に洛陽を落とせ!


鄭軍兵士
ウラーーーーー!!!


王子頽派の大夫

う、うわぁぁぁ!?



いました!王子頽です!


よし、討ち取りなさい!


ウラーーーーー!!!


は、話せばわかる!




ぐふっ!?




こうして周恵王は再び復位することに。これで周王室の内乱は一段落ですね。


あれ、あの2人はどうしたの?


それがですね・・・



中国西方の小国・虞


ふぅ・・・ここが虞の国ですか。ようやく着きました。


・・・・・・


百里渓?どうしたんですか?


・・・私は運が悪いです、仕えようとした主人が二度も非命に倒れるとは・・・


何を言うんですか、それを言うなら公孫無知や王子頽の方がもっと悪いというべきでしょう。彼らは死にましたが私たちはまだ生きています。いずれ道も開けましょう。


・・・・・・


そして数日後


蹇叔、喜んでください!この国の宮殿に行ってみたところ大臣待遇で仕官をさせてくれるとのことです!


え!?・・・いえ、いけません、見送るべきです!


どうしてですか?今回は条件もいいのに・・・


この虞の国は北は晋、南に虢と国境を接していますが両国とも隙有らば小国を併合している国です。潰されないでいるのが不思議なくらいなのですよ。


・・・いえ、それでも私はここで骨を埋めるつもりです。


!? それではいずれ・・・


・・・私はもう、疲れました・・・


・・・では、別れる他は無いですね。二度と会えないでしょうが・・・感慨深い旅でした。


蹇叔・・・すみません・・・




さて、今回はここまでといったところですね。


あれ、次回はどこから進めるのかしら?


今度は再び斉にスポットが当たるようですね。


あの2人は?


今度出てくるのは第3部の予定とのことですね。


登場までの伏線が長いわねぇ・・・




今回の死亡者


楚堵敖
楚の第十九代君主。在位年は前674〜672年。名は囏。文王の子、母は息嬀。『史記』では荘敖と書かれる。弟の綠を殺そうとしたが、逆に殺されてしまった。


王子頽
周の王子。前673年没。周荘王の子、母は王姚。周荘王の寵愛を受け、大きな勢力を持った。恵王が即位すると、子頽派の勢力を削ごうとしたので蔿国らと乱を起こした。一度は敗れて温に逃れたが、衛と南燕の力をかりて王を討ち、都に入った。しかし、それを維持することができず、鄭窅公に攻められて殺された


蔿国
周の有力大夫。周荘王から王子頽の守り役に任じられた。荘王の死後も大きな勢力を保っていたが、恵王は子頽派の勢力を削ごうとしたため、子頽をかついで乱を起こした。一度は王を追放し都に入ったが鄭窅公に攻められて殺された。


袪父
子頽派の大夫。恵王が即位すると領地を取り上げられたので、反乱に加わったが、鄭窅公に攻められて殺された。

 
辺伯
子頽派の大夫。恵王に邸宅を取り上げられたので、反乱に加わったが、鄭窅公に攻められて殺された。


子禽
子頽派の大夫。恵王に領地を取り上げられたので、反乱に加わったが、鄭窅公に攻められて殺された。


祝跪
子頽派の大夫。恵王に領地を取り上げられたので、反乱に加わったが、鄭窅公に攻められて殺された。


石速
子頽派。恵王に秩禄を取り上げられたので、反乱に加わったが、鄭窅公に攻められて殺された




なお、アイコンは以下のサイトから使用させていただきました。


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