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院生兼務取締役の成功読書メモ このページをアンテナに追加 RSSフィード

このブログでは『読むだけで「あなたの」人生を充実させることができる良書』を紹介していきます。
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2009年03月10日

No.57 『“考える”とはどういうことか?』 井崎正敏

| 22:48 | No.57 『“考える”とはどういうことか?』 井崎正敏を含むブックマーク No.57 『“考える”とはどういうことか?』 井崎正敏のブックマークコメント

“考える”とはどういうことか?―思考・論理・倫理・レトリック
井崎 正敏
洋泉社
売り上げランキング: 83499
おすすめ度の平均: 5.0
5 高度な問題をスリムに論じる


著者と本の紹介


今日の本は普段ご紹介しているビジネス書とは異なり、哲学に関する本。

といってもそんなに難しい本ではありません。やや抽象的な用語は使われているものの、明快な論理と多くの具体例で説明しているために非常にわかりやすい構成となっています。

著者は「ちくま新書」などの編集長を経て、現在は批評家として活躍されている方。

「考える力」がますます叫ばれている今、そもそも「考えるとはどういうことか」について考えてみてはいかがでしょうか。


本の内容

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【目次】

序章 「思考」とはなんだろう?

第1章 思考はどこから始まるのか?

第2章 「喩」が世界をつくる

第3章 推論過程を探る

第4章 考えることの倫理

終章 「論理的思考力」とはどんな力か?



著者はまず「勉強ができるとはどういうことか」ということから考察を始めます。

「勉強ができる」ためのひとつ目のポイントは、勉強するための動機づけ

ふたつ目のポイント「定石」習得能力、すなわち解法の「定石」を整理し素早く適用する能力です。

「勉強ができる子」というのは、この「定石」を疑いません。しかし「勉強ができない子」は、この「定石」がまずわからない。

これは私自身の体験談ですが、中学校1年の時、私はなぜマイナス×マイナスがプラスになるのか、全く理解できませんでした。そのためにしばらく四則演算の答えがめちゃくちゃで、ずっと頭を抱えていました。しかし「勉強ができる子」は、マイナス×マイナスがプラスになるということを覚えたら、もうそこでは悩まない。ひたすらその「定石」を適用して答えを出せるのです。

そしてまさにこれと同じ経験が、著者の「思考」を目覚めさせました。


ところで、「思想」というのは「動機が思考という水路を通して他者にも伝わるように標準化されたとき」に誕生します。つまり、「思考」というのはなんとなく内に抱いているもやっとした動機を、言葉を使って他者に伝わるようにする「過程」のことであり、その過程を経て生み出されたものが「思想」なのです。

ここで大切なことは、「思考」は「言葉」によって組み立てられるということ。私が今書いているこの文章も、私の思考を経て生み出されたものです。また、「論理」というのは思考の筋道、つまり言葉の筋道のことです。言葉の筋道というのは、結局「文体」のこと。そう、「論理」というのは「文体」の問題なのです。

では「文体」はどのような思考が組み合わされて出来上がるのか?


本書は言語学や論理学・修辞学の蓄積をもとに思考の一環としての「論理」について考察するものです。

最初にも書きましたが、内容はかなり哲学的ではあるものの、決して難しい文章ではありません。

哲学書なので少し取りつきにくいかもしれませんが、大人の素養としてぜひ押さえておきたい本だと思います。個人的にもっと評価されるべき、と思っている本の一つです。


“考える”とはどういうことか?―思考・論理・倫理・レトリック
井崎 正敏
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