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2013-05-22 『中学生円山』 このエントリーを含むブックマーク このエントリーのブックマークコメント

 水曜日は休みだけどレディースデイだから映画館行くと女性ばかりなのよねという状況になって早半年。仕事に行く時間が三十分早くなったので朝ドラ『あまちゃん』見てから行けなくなったわけですが、もう『あまちゃん』は圧倒的なまでに面白く、宇野さんがやってる『PLANETS』の増刊で中川さんや中森さんのツイートとかいつも面白いからそれらを論とかにまとめてもらったりとかそういうの読みたいですね。まあ、『カーネーション』と『あまちゃん』が朝ドラの中でも屈指な名作に入るんじゃないかなって思ってます、たぶん。


 そういえばクドカン監督で映画があるなって前日に思ってtohoシネマズ渋谷の朝イチの回を観賞。平日の朝なんでお客さん少ないけどほぼ女性でしたね。


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監督・脚本宮藤官九郎、衣装/伊賀大介音楽向井秀徳

草なぎ剛/下井辰夫、平岡拓真/円山克也、遠藤賢司井上のおじい、ヤン・イクチュン/パク・ヒョンホン、鍋本凪々美/円山あかね

刈谷友衣子清水ゆず香、YOU/主婦・清水原史奈/主婦・三浦、家納ジュンコ/主婦・小暮、皆川猿時/太ったBボーイ・細野三宅弘城レスリング部顧問(克也の担任)・梅田宍戸美和/公団地の自治会長・村田、少路勇介/刑事・黒田、野波麻帆/下井の妻、田口トモロヲ電気屋・斎藤、岩松了/刑事・大谷坂井真紀/円山ミズキ仲村トオル/円山克之


解説・「少年メリケンサック」(2009)以来4年ぶりとなる宮藤官九郎の監督作。主演に「SMAP」の草なぎ剛を迎え、エッチな妄想ばかりしている中学生男子が、同じ団地に引越してきた謎のシングルファーザーとの出会いから成長していく姿を描く。ごく平凡な家族に囲まれて育った少年・円山克也は、思春期真っ盛りの中学2年生。あるエロい目的を達成するため、極限まで身体を柔らかくする「自主トレ」を密かな日課にしていた。そんなある日、団地の上の階に謎めいたシングルファーザーの下井辰夫が引越してくる。ほどなくして団地のそばで殺人事件が起こり、克也は下井の正体が殺し屋だという妄想を始めるが……。(映画.comより)


 クドカン監督作品の『真夜中の弥次さん喜多さん』や『少年メリケンサック』の前二作よりは面白いと思う、実際にけっこう笑ったから。

 中学生の円山は性春の快楽者である中学生の自慰におけるあれ自分でくわえれるんじゃね?と思って自主練を初めてレスリング部にも入部する。実際には加えたいというよりは舐めたい願望、舐めてみたいのほうだが。『ザ・水道橋in座・高円寺vol.1〜園子温芸人デビュー』で園さんは思春期にそれができてたという話があった。でもやれてしまうとくわえられてる感がないと、まあくわえてるからw…

 というおバカな、でも男子は一度はできるのか!と思ったあれをなんとかやろうとする円山。で、妄想もしまくりなんでエロいことも上に越してきた下井が最近起きている殺人事件の犯人ではないかと妄想し始める。

 この映画は団地映画でもあって団地が舞台。団地でのご近所付き合いとかも出てくるし、遠藤賢司さん演じるおじいちゃんは徘徊老人だったりもする。がこの老人はギターをかき鳴らすシーンがあって、まあそれは前作の『少年メリケンサック』にも通じているクドカンの好きなものや人をぶち込むという感じでいるかいらないのかと言われると遠藤賢司ファンは喜ぶんじゃねっていう感じでした。

 映画『息もできない』で監督脚本主演をしたヤン・イクチュンも出てるんだが韓流にハマる円山家のお母さんとのある種のミニコントとクドカンなりの笑いの部分で出てる。その辺りのネタというか展開ではふたつ隣りぐらいの娘が僕より上な母娘が爆笑してました。

 女性のクドカン好きな人がたくさん観に来てるとは思うんだが僕の笑う所とけっこう違うような気がした。まあ、そんなもんだよね。


 映画はちと時間が長いかな、でもおっぱい指数も高いしw 最後はわりと一気に終わった感じかな。

 中学生の女の子(刈谷友衣子)が服を着たままプール(海とか)に飛び込む(円山の妄想ですが)それが青春映画だ! 自分の妄想したストーリーやシーンで泣ける人なんでわかるよ、円山っていう気はした。中学生ぐらいの美少女とかが水に飛び込むだけでなんか素晴らしい映画のような気がしてしまうのはそんなことをしてないからだっ!

 岩井俊二監督『打ち上げ花火、下から見るか? 横から見るか? 』での奥菜恵のようなあれですよ、あれ。ああ、こんな青春を過したかったよっ、でもなかったんだああああああああああああああ〜っていうあれっすよ。


 『あまちゃん』では猿時さん先生ですけどこっちにも出てるけどこっちでは三宅さんが先生役。まあ大人計画グループ魂のメンバーはテンポとか間が上手いからそれだけでも面白い、まあ僕が好きだからってのもあるけどね。大人計画好きならきっと楽しめる。

 だけど、クドカンは本当に映画に向いているのかと言われると「むむむ」みたいに言葉に窮する。四年に一度撮ってるけど、『あまちゃん』とかこれって大都市と地方、アイドルというものを一回総括するようなものを書ける、書いちゃう人だから脚本家として凄過ぎるっていうのは重々承知。でも、演劇畑の人が映画になるとなにかが抜け落ちるあの感じはなんだろう?


 クドカン作品好きなら観に行って大丈夫だと思う。小ネタもいつも通りだし、音楽はやっぱり向井秀徳さんでスタイリストは伊賀大介さんだしね。帰りに早売りの『KAMINOGE』(表紙は伊賀さんの奥さんの麻生久美子さん)を東急本店のMARUZEN&ジュンク堂で買って帰る。

 最寄り駅で買い物をしてからニコラ行って『KAMINOGE』読もうと思って家を出たら樋口毅宏さんに声をかけられて道端でお話。家で仕事するというヒグタケ先輩とわかれてひとりでニコラに来てマカロンアイスカフェオレKAMINOGE !。

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 お昼に行くのは初めてだったけど『KAMINOGE』読んだりお店の方と話しながら一服。麻生さんのインタビューに苫米地さんの中島洗脳問題読んだりする。奥さんと麻生久美子さんの話をしたり、そう『贅沢な骨』の麻生さんがエロくてすげえ好きだった。


少年メリケンサック

 宮藤官九郎監督第二作「少年メリケンサック」のエキストラに行ってきた。以前大人計画で主演が宮崎あおいとだけわかっていた時に募集してて応募してたやつ。


 京王新線初台まで行って北口出てすぐの初台DOORSというライブハウスでの撮影。近所の元?病院が控え室とか待機場所になっていたのでそこで着替えて待ちだった。


 ストーリー・メイプルレコードの新人発掘部に勤務する、契約切れ目前のOL・かんな(宮崎あおい)。何の成果も出せずに、ひたすら社長の時田とヤケ酒をあびる日々を過ごしてきたこの2年間…。そんなかんなに千載一遇のチャンスが舞い込む。ある動画サイトで、これ以上ない野蛮で、凶暴なパンクバンド少年メリケンサック>を発見したのだ! 契約延長との引き換えに、彼らの全国ツアー敢行を命じられたかんな。半裸にモヒカン、眉なしパンチ、協調性ゼロのメンバーたちを引き連れ、果たしてかんなは無事にツアーを乗り切ることができるのか!?


 という話ですが、その動画サイトでのバンドボーカル銀杏BOYZの峯田君が演じている。しかしその動画は25年前の映像だったという話でかんなが引き連れて行くのはおっさんになったバンドメンバーだった。


 僕が行ったのは現代のシーンの撮影、つまり25年後のおっさんバンドのシーンだった。しかもラストの方のシーンだったらしい、シーンナンバーも144とかだったしね。


 ステージにはYAIBAや悟空のようなつんつん立てられた髪型でパンクロックの革ジャンを着こなす佐藤浩市弥次喜多みたいな格好の木村祐一、25年後のメリケンサックボーカル田口トモロヲクドカンバンドでもドラムを担当している石鹸こと三宅弘城、かんなの彼氏役らしい勝地涼も彼はめちゃめちゃおいしい役だ。言いたいけど言わない、これは後半での大事なポジションだと思う、かなりおいしいですよ彼は。そして観客の後ろの方に「篤姫」でもある主演の宮崎あおいといった役者陣がいた。


 最初に病院で待機室に行く時にチラッと見えたスタイリングしてる部屋があって、スタイリングしてたのは伊賀大介さんだと思う。麻生久美子の旦那でもあり、前作「真夜中の弥次さん喜多さん」もスタイリストだった。

 一度バイトしてたダイニングバーで村上淳さんといて話をさせてもらったけど感じのいい兄ちゃんだ。

 あの時ムラジュンは「UAいいよねえ」って言って僕らスタッフが「身内じゃん!」ってツッコんだけど離婚したなあ。


 トモロヲさんはなんかメイクもあるけど雰囲気がパンクスだね、あんな格好いいオヤジってあんまりいないと思う。昔はバンドやっててステージ上でうんこをしていたような人らしいがなんだか峯田君の25年後と言われても納得。


 トモロヲさんが監督した「アイデン&ティティ」の脚本クドカンだったし、主役は峯田君だった。なんだかすごい繋がりですね、似た部分があってカチッとハマるものがあるんだろう。


 佐藤浩市さんとキム兄はそれまでの展開で色々あったみたいでジョイントなプレイをしてました。映画だとどうなるんでしょうか?三宅さんの生ドラムグループ魂のライブを思い出します。石鹸だよ〜みたいな気持ち。

 勝地君はネタバレだから言えないけどすっごくおいしい、クドカン脚本未来講師めぐる」でも主人公めぐる(深田恭子)の彼氏役でもあったのでクドカンに気に入られているのか、なんらかの大きな力が働いているのか。

 宮崎あおいピンクの革ジャンみたいなとピンクのメリケンサックT-シャツ着てたけどかわいい、キレイでもあるしなんだかかわいくもあり、キレイになってる途中段階なのかなあ。主役だからこの映画転けれないし、公開時はいろんな媒体に出て宣伝活動をするんだろうなあ、ロッキンの「H」とか「CUT」ですぐに特集組みそうだな、絶対に組むだろうけど。


 シーン的にはライブシーンなのでいきなり盛り上がるというシーンだったけど、撮影ってやっぱり準備があるから待ちが凄く長い、仕方のないことだけど長いですね。監督クドカンも支持とか出してたけどわりとカメラマンおっさんの言うことを聞いてたような気もする。画はカメラマンが把握してるから欲しい画とか繋がりとかの確認をしてたなあ。


 13時集合で18時過ぎとかに終わったのかな、早い方だろうね。少年メリケンサックのT-シャツとお弁当お茶をもらって病院の前で大阪から来て一番よく話してマイミクになったイギーと一緒に飯を食った。

 うーむ、金がかかってるなあという感じはした。さすが期待値が高いだけに制作費は多いんだろうな。


『好きです! パンク! 嘘です!』

「好きです! パンク! 嘘です!」のコピーは巧いと思います。そんなわけでようやく観に行ってきました宮藤官九郎監督「少年メリケンサック」を。

 去年エキストラに行ったりしたので微妙な思い入れがあるのですが、渋谷でチケ屋二件回って前売り券なかったので諦めて一般で入りました。


 朝一の回に行ったけどわりと客はいたかな。始まる前にトイレ行こうと思って館内から出ようとしたら一番後ろの席にGLAYJIROが女と座ってました。シガーロスの国際フォーラムの時はTERUがお付きの人とフォーラムの写真を撮っているの見たけど、なんだもう二人見てGLAYコンプすりゃあいいのか。

 宮崎あおいの可愛らしさが満開でしたね。そこだけが救いのような気もしなくもないのですが。

 中年のおっさんバンドと全国ツアーを回ることになったレーコード会社の契約社員のかんなとのある種のロードムービーです。


 田口トモロヲさん演じるボーカルのビリーは二十数年前の解散ライブで負った後遺症で最初は車いすに乗っていて呂律もろくにまわっていない。これを見て大槻ケンヂ「ロッキンホースバレリーナ」を思い出しました。そういうキャラクターが最後のほうに出てきたので。

 宮崎あおいが「ロッキンホースバレリーナ」のゴスロリファッションリスカのメンヘルでビュジュアル系の追っかけのヒロインを演じた方が面白かったかもね、脚本宮藤官九郎でさ。


 けっこう笑ったりしたし、他の人が笑ってないとこでも笑ったんだけど宮藤作品にしては展開がテンポが悪かったように思いました。時間が長く感じてしまった。

 監督第一作の「真夜中の弥次さん喜多さん」観た時になんとなく思ってたけどこの人の脚本能力は素晴らしい、このゼロ年代を代表するものだけど監督としては向いてないんじゃないかって改めて感じた。


 「GO」ピンポン」「アイデン&ティティ」「舞妓Haaaan!!!」と好きな作品は脚本だけだもんな、監督は監督でいるし。

 「木更津キャッツアイ」は別格です。このドラマ映画二作が持つ意味は他の作品とまったく違う。失われた十年とか終わりなき日常とかそういう九十年代的な発想の向うへ突き抜けた作品だったから。同時代を生きている僕らにとって彼らキャッツはまさしく友人だった。


 「少年メリケンサック」はある種の兄弟の話でアキオ(佐藤浩市)とハルオ(木村祐一)の兄弟が主軸。ジミーとヤング(三宅弘城)はけっこう脇役でエピソードも少なかった。最後のライブシーンでおいしいとこを持って行ったと思っていたマサル(勝地涼)も映画の流れでは僕が行ったライブシーン前でおいしいとこをすでに出していた。まあ、おいしい役には違いないが。

 あとピエール瀧さんが少年アラモード時代のマネージャー時代の頃のオーバーオール着ている姿がアンタッチャブル山崎にしか見えねえ!


 思ったより峯田君が暴れてませんでしたね。銀杏メンバー全員出てたし、SAKEROCKも全員出演で、JAPAN-狂撃-SPECIALもって音楽ZAZEN BOYS向井秀徳、This is 向井秀徳です。どんだけバンドマン出てるんだっていうぐらい、まだ数名出てますけどミュージシャンが。

 SAKEROCK星野源大人計画に所属で「去年ルノアールで」でも主演で、劇団の主宰・松尾スズキ作・演出「女教師は二度抱かれた」でも出てて好きな感じで、浅野いにおソラニン映画化で、頓挫したのか新しい話を聞かないがコミュニティとかでは種田は星野源って意見がわりと多くて僕も同意してたが、今日観てなんかやっぱり種田じゃないよなって思った。


 なんだろうなあ、好きなタイプの映画だけど今の自分のモードに合ってないのか。まあ、「デトロイトメタルシティ」もメタルさがなくてポップだったけど、この作品もパンクって言ってるけどポップな作品でしたね。

 宮崎あおいのスーツスタイルは萌えな感じです。でも宮崎あおいはきっとコメディエンヌ的な女優じゃないのかもしれません。

2013-05-08 五十嵐隆『生還』 このエントリーを含むブックマーク このエントリーのブックマークコメント

五十嵐隆『生還』ライブ。

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Syrup16g武道館解散ライブを一緒に観に行った青木と一緒に。その前にワタリウムJR展に行き写真を撮ったりする。


最初は一人で武道館のラストでやってap bankなバンドにカバーされてファンとしてはマジで台無しにされた気持ちだった、桜井さんが歌っても意味ないんだよカバーしてんじゃねえよな名曲Reborn』を。

五十嵐隆の彷徨しながらの生命をかき鳴らす咆哮としてのロックが帰ってきた。


二曲目はソニックなんだが照明で浮かび上がったのは三人の影、ドラムスベースがまさかまさかだよね?と思ったらキタダマキ中畑というSyrup16gのオリジナルメンバーがNHKホールに立ってシロップの曲を鳴らしていた。


震えた。


今日の五十嵐隆『生還』は会社や学校辞めてでも恋人と別れてでもSyrup16gファンは来るべきなライブだったよ、マジで。つうか下手したらもう三人観れないかもだしね。


馬場さんが亡くなって追悼ライブでダイブした時以来の高揚感だった。まったく他のライブでも体とか反応しなくなってたのに、曲終わりに拍手はするけど。

僕と一緒にライブ行った人は知ってるだろうけど僕が拳を振り上げることはこの所ないし全身で音に合わして踊るように揺れてるのは皆無。

曲のイントロが鳴っただけで叫んだのは本当にあの追悼ライブ以来だった。


五十嵐隆の咆哮は僕の止まっていた時間を動かしてくれた。ロックンロールが鳴っていた、僕の観たかったそれが。

クラップハンズとかみんなで一緒になんとかそんなんいらねえんだよ、シビレたいんだよ、圧倒的なロックンロールを目の前で見せてほしい。瞬きもできないような喉が渇いて仕方ないようなそれを。


五十嵐さんは一度もSyrup16gだとは言わなかったし再結成ともなにかをリリースするとも言わなかった。

UKプロジェクトとヴィンテージロックの人に感謝の言葉を、メンバーの二人にはいろんな思いはあるだろうが来てくれたことに感謝を。でもメンバー紹介もなかった。確かに五十嵐隆音楽世界に生還した。最後は『翌日』の別verを一人で鳴らして二人が参加して『翌日』で終了。

音源出すとかライブやるとかSyrup16g再結成するとか一言も言わずになんだかんだ新曲を6曲やってる辺りが五十嵐らしい。武道館のラストライブなのに1曲新曲やったようなあの感じ。だが新曲がすごくカッコ良かった。いつも通り歌詞は聞き取り辛かったけど。音源出してほしいよね。


Reborn

Sonic

神のカルマ

I・N・M

生活

新曲

新曲

新曲

新曲

新曲

新曲

明日を落としても

センチメンタル

月になって

落堕

天才

coup d'Etat

空をなくす

en

パープルムカデ

リアル

en2

翌日


今日やった新曲のひとつ

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syrup16g - sonic disorder

D


syrup16g - 天才

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Syrup16g - 神のカルマ(PV)

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Syrup16g/翌日

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syrup16g coup d'Etat〜空をなくす

D



『the last days of syrup16g

http://d.hatena.ne.jp/likeaswimmingangel/20080528

これ5年前だからね、武道館のラストライブ。


the last day of syrup16g [DVD]

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遅死10.10 [DVD]

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静脈

静脈

動脈

動脈

2013-05-01 『ザ・水道橋in座・高円寺vol.1〜園子温芸人デビュー』 このエントリーを含むブックマーク このエントリーのブックマークコメント

ついにこの日が来てしまったそんな一日。

高円寺だから中央線人身でよく止まるよなって思って夜の部の開場が18時半なのに五時ぐらいに高円寺について劇場確認しようと北口歩いていると文春の目崎さんがいらしてお茶をしにいって時間を潰す。

最近、よく目崎さんにばったりお会いすることが多いし作家樋口毅宏さんも。博士さんと園さんの舞台が近づいてたからなのかバッタリと。星座なのかしらはやり。


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目崎さんとお茶して座・高円寺初めて来たけどなんかデカい! B1 にあるとこがデビューライブやる所みたいでロビーみたいな所で時間潰ししているとメルマ旬報連載陣の木村綾子さんや柴尾英令さんいらしてお話をしていたら樋口さんも来たりして時間が近づいてきたので中に入る。

高橋ヨシキさんもいらしたり、会田誠さんもいらしたり倉本美津留さん、ああ岡村靖幸さんもいるあ〜みたいな豪華な感じでした。染谷将太さんもいたし。


そしてSHOW MUST GO ONです。

映像が始まります。東スポ映画大賞で『冷たい熱帯魚』で園さんが賞を取った時に北野武さんと話している場面です、園さんグダグダでまったく話せません! 武に押されてるよ!園さん。奥さんの神楽坂恵さんも壇上に出てくるが夫のふがいなさにちょいと落胆されているかの様子。

そして俺に恥をかかし妻を笑い者にした北野武は許せないと園さん逆ギレから。この時点で観客もそこから入り易いしすでにどうなっちゃうんだろこれ(楽しい)状態。

舞台にいる園さんはキリストみたいにデカい十字架に張り付けされている。ああ、この感じの人は二年前ぐらいの東京マラソンの時にいたわ、なんか十字架背負って走ってるランナーいるんすよ、キリストみたいな格好して。それを思い出しながら博士さんにお前の映画キリスト教モチーフ出しすぎだろとツッコまれながら博士さんより第一部と第二部で舞台は分かれていますとのアナウンス。


第一部は二人のトークなんだけどイスに座りながら今回のライブ用に使った豪華過ぎるパンフレットの園子温年表について話し出していく。


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↑これに映ってる肌色の部分よく見るとしわがあるんですけど園さんの金玉拡大らしいです、っていうか園さん金玉超デカいって話してたよね。

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高橋咲詠さんのイラスト

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会田誠さんのイラスト園子温年表。

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園子温という名前は本名なんですが園家は変わった名前が多いという事を博士さん調べていて、妹さんは路果(ろか)さん、叔父さんは露以(ろい)さん、叔母は阿莉(あり)さんでその娘さんはろここさん、で叔父にあたる園八雲さんは市川崑監督『東京オリンピック』の撮影監督だったりする。

で、メモってないので記憶があやふやだけど八雲さんが生まれた時に園黒人(こくじん)にしようとしたけどさすがになあって話で小泉八雲から八雲になったらしい。で園さんは市川崑監督『犬神家の一族』観た時に「園家に似ている」と気付いたらしい……。

基本的に年表は『非道に生きる』読んでるとある程度は知っている園さんのお話なんですよ、実際。

しかし博士さんが切り込んでくる事で園さんが饒舌になり、昼の部で慣れたのか言うべき事を飛ばしたりグダグダ感がさらに増すという珍事が繰り広げられる。


園さんは家の話でつかみはオッケーレベルじゃないんです。だって普通の藝人さんはあれらの話に勝てるネタそんなにないものばっかりで。

ご両親は教育者でおじいさんが製紙工場で大もうけした地元の大地主で考古学者っていう。

このじいちゃんがとんでもない人でお前は将来ジャンキーになるからって小学生の園さんにあらゆるドラッグやっちゃうから幼い園さんバッドトリップなっちゃって絶対将来ドラッグはやらない!と誓うことになるのであった。

って裸で小学校通ってた人なんですけどね、園さん、全裸でいくと超起こられたから上着だけ着てチンポ出して行っても起こられるから最後はチャックからチンポだけ出して行っても起こられたりとか「セックス」というのを知ったら学校新聞でお前たちの親はこんな事をしていると書いた新聞を配りもちろん発禁とかあるわけです。おじちゃん亡くなって棺に入れる時にエロ本たくさん入れてSMスナイパーを顔の周りに。

でよく燃えるねってw 

この辺りは『非道に生きる』読みましょうね。ただ、博士さんが本当に引っ張って行って園さんが脇道とかよそ見な話の展開になっても見守りながら道に戻して行く感じですよね。


二人が『時計仕掛けのオレンジ』が大好きな映画だったりする話とかなんか園さんずっとホームレス舞台ではずっと乞食って言ってるから放送コードかかるわっていう)で童貞捨てようと家出して東京来た話とかレンタル家族じゃん、それみたいな話とかアメリカ行ってFOXとかの偉いさんに会いに行った話とか。

あっ、そうだ10歳でフェラチオができるか試したら出来ちゃったんだけど自分でやってるから辞められているよりもただ自分が加えてる感が強すぎてと言っていた。もう終始下ネタですよ、くだらなすぎるけど面白過ぎるって言うね。


大人になってからは『東京ガガガ』の話とかありました。ハチ公たくさん作って人々の待ち合わせ場所がいっぱいになったり移動したりする渋谷とか、本当にそれリアルタイムで見たかったと思うし『BAD FILM』観たら『東京ガガガ』に参加したかったって思うんですよ、でもそれと同時に参加できなくてよかったなって思うのもあって。

あれ参加したら絶対に「青春」の黄金時代として刻まれますよ、だからしなかったことも幸福だなと園さんファンとしては思うんです。


水道橋博士のメルマ旬報』の第一回で僕は園子温監督『BAD FILM』について書いているんだけど園子温はやはり聖杯だと思います。あの時にMAX二千ぐらいの人たちを率いていた事で吸血鬼のように彼らの欲望や絶望や多くのものを園さんは手に入れてしまったような。

あのね、人垂らしでもあると思うんですよ、園さんは。でもね、今みたいにネットもない時代にあんな事できるだけでも強力すぎる磁石、人がなぜか近寄ってしまうものを持ちえてしまっている。


博士さんが九月公開の新作『地獄でなぜ悪い』を事前に観て言われたことが印象に残った。

園さんはPFFぴあフィルムフェスティバル)から出て同時期のライバルや仲間の平野勝之さんや井口昇さんでやっていた「ファック・ボンバーズ」という映像集団があって、二十年以上たった今その三人がメジャー映画を撮っている事ってすごいよねって。

僕が去年の10月ぐらいに『地獄でなぜ悪い』の仮編集観せていただいた時には気づかなかったけど出てくるずっと自主映画作ってる連中は「ファック・ボンバーズ」で、彼らは園さんや平野さんや井口さんや田野辺さん(映画秘宝)たちなんだって博士さんの話でわかってなんか泣きそうになった。彼らの青春回顧じゃなくて今に至る道筋なんだとわかるから。

ずっと金たまがでかいとか終始下ネタですよ!昨日は。でも、園さんは自転車吐息のラストのようにラインを引いて走り続けている。時には二千人を率いりホームレスを繰り返し今は同世代水道橋博士さんと共闘し非道に生きて走りながらラインを引いている、道のない場所を道にしながら。


第二部はコントというか漫才とか藝人としてネタを。武さんの首を持って山の手ゲームしたり。お昼の部ではずっと園さんの嫌いなあの監督の名前を連呼してたようですね。

博士さんがバシバシツッコミしてて途中で園さん本当に痛いみたいなことを言っていたようなw

あと昼の部で慣れたのか先走って言うべき所で言うべき事を言えなかったり忘れてたりというグダグダ感、でも舞台にいる園さんと博士さんの作り出す空気で場内はずっと笑いっぱなしでしたね。むきだしすぎるほどに人間をむきだしていた。

笑っちゃうって笑ってしまうことと笑われることがあると思うんだけど本当に笑っちゃうぐらいにカッコいいんだよね。もうくだらすぎるのに面白くて笑ってしまう。

井手らっきょさんの犬との死闘、いや犬が発情して襲われてマジで獣姦の逆というショッキング過ぎるけど場内大爆笑なお正月番組で起きた映像を観せられ園さんにお前これできるのか!て博士さんが言ってやりますって話だったけど劇場的に動物使えなくて助かったね、園さんっていう。


最後は「ちょっと待った」みたいに『みんな!エスパーだよ!』にも出ているマキタスポーツさんが出てきて藝人舐めんなよとボクシング対決になる。昼の部ではそれが堀江貴文さんで花束贈呈が千葉真一さんだったらしい、豪華過ぎる!

夜の部の花束贈呈は博士さんが前田日明コールでスポットライトがあたる観客席の真ん中に通路あるんだけどそっちか!というサプライズゲストが。でもその時園さんは全裸の上にチンコ隠す天狗のお面を下半身につけているだけだったのだけども、まあ花束渡しても近寄らないよね。

最後のボクシングは『ロッキー』のコントで後には映画流れてて園さん「エイドリアーン」って叫んでて最後は奥さん出てくるって言うw

マキタスポーツさんも出ている『みんな!エスパーだよ!』でも超重要アイテムとして出ているTENGAの水道橋博士×園子温モデルがお土産として観客に配られた。こんな豪華なスペシャルなTENGAは使えません!


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終わった後は楽屋にご挨拶へ。伊賀大介さんと九龍ジョーさんと初めてお会いしたのでご挨拶して木村さんと樋口さんたちと一緒に。なんか楽屋入った瞬間みんな緊張して会話がギクシャク。なぜ僕らはあの時に写真を撮ってもらわなかったのだろうと今更すごく後悔をしているけど。

ロビーで目崎さんから荒井香織さんをご紹介していただく。もっと北斗の拳みたいな屈強な方かと思ったら優しそうな人だった。

みんなで打ち上げに参加しに飲み屋に〜。

エレベーターに乗った時に九龍さんになんかいい匂いするって言われて(九龍さんの前に僕がいたので)シャンプーSARA使ってるんですよ、麻生久美子さんがCMしててそれから!って夫の伊賀さんに言ってみる。僕は中野裕之監督が撮影した『Sweet female麻生久美子×桃生亜希子写真集』のサイン入り写真集を実は持っていたり麻生さんファンなのです。


打ち上げの席では柴尾さんと荒井さんがアメリカとか海外の話をされていた。柴尾さんは『スター・ウォーズ』公開時にはアメリカ初日を観るという巡礼というかしてる方なので今度から新しい『スター・ウォーズ』と公開の間の一年にはスプンオフやるから毎年行くんですかって聞いたら「でも、ルーカスじゃないからなあ」ってルーカスの『スター・ウォーズ』だったから観に行ってたから監督違うとやっぱり違うでしょって言われてそれはそうだよなあって納得。

高橋ヨシキさんの前に星野源さんいて、観に来られてたみたいなんだけど楽屋挨拶の時にすれ違って樋口さんとお話しされてた岡村靖幸さんに星野源さんってモロにサブカル好きな女性が大好きなミュージシャンやんね〜。

星野さんの『地獄でなぜ悪い』は最高過ぎるのでもっと役者の仕事が増えると思う。


お隣にいた伊賀大介さんと前に九龍ジョーさんと木村綾子さんがいてお話を。伊賀大介さんと九龍ジョーさんに『KAMINOGE』は格闘技とか興味なくても絶対に面白い雑誌だから読んだ方がいいともうプッシュされ購入する事を決める。

伊賀さんも九龍さんもすごい演劇とか格闘技とか映画とか観てるし本もたくさん読んでて行動力ハンパないっすよねえみたいなことを言ったら、お二人とも好きなものを追いかけるために本業(スタイリストやライター&編集)やってるからねって、自由な時間も作れるしって言われた。

好きなもの為に動いているから好きな人同士が繋がって仕事になるし原動力にもなっててカッコいいなって聞いてた。

で、伊賀さんがすげえカッコいいなって思ったのは伊賀さんの師匠GDCとかブランドやってる熊谷さんで僕は思春期の頃に読んでたファッション誌とかで熊谷さんよく見てたし僕の好きな安藤政信さんやKj熊谷さんスタイリングされたから余計に印象に残ってるのね、で熊谷さんはフォトグラファーもされてる。だから弟子伊賀さんのことも知ってたんだけど。

自分は師匠みたいにブランド作ったりとか写真とはしない。好きな人たちが映画とか舞台とかいろいろやっててそれを見てたら生半可な気持ちでやれないし自分はスタイリング以外には手を出さない。でもスタイリングの事ならなんでもやるし、スタイリングなら伊賀だよねって言わせたい。って。

おおかみこどもの雨と雪』ってアニメ映画だけどスタイリストして伊賀さんがやってるし、そういう姿勢だからなんだなってわかった。


園さんと博士さんには少ししかご挨拶できなかったけど津田大介さんも途中で来られて園さんと津田さんが話してるよって思って津田さん来たからLife的な人が僕以外にもいるって思って。

園さんと津田さんなに話してたんだろ。津田さんは博士さんのツイッター師匠だしメルマガのE-pubの事で堀江さんの発言もあったから博士さんとその事をお話されていたみたい。

僕は園さんの懐刀の船木さんの所に行ってしばしお話を。だいたい船木さんこういう飲み会とか来ないから珍しいなって思って。博士さんの鈴木秘書さんに園さんの船木さん、本当に頼れる懐刀がいるかいないかって大きいよなって。

長澤マネージャーさんもオフィス北野の若手芸人さんも本当によくしていただいていろんな力の結集なんだとほろ酔い加減で見てました。

お開きになって路上に出たら津田さんとヨシキさんが話をされてて深夜の高円寺に金髪と赤髪というすごい感じになってた。そうツイートしたら目崎さんに、

「「赤と金」はアジアンカラーといって、正月号の雑誌の表紙など、おめでたいときに良く使われます。確かに昨日はそういう日でしたね 」と返していただいた。


『ザ・水道橋in座・高円寺vol.1〜園子温芸人デビュー』はほんとうにくだらなくて楽しくて何度も爆笑させられてハラハラするのが園さんの藝人デビューであり傍らにいる水道橋博士さんも容赦なくツッコミまくってた。でも、あの二人が舞台に立つだけで出せる空気感とかは異常だった。

僕は終始笑っていた。お二人本当にお疲れさまでした。

そして関わったすべてのスタッフや関係者の方々ごくろうさまでした。

サイコーに楽しかったです!


でも、vol.1って次はあるの?

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非道に生きる (ideaink 〈アイデアインク〉)

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園子温 監督初期作品集 DVD-BOX(SION SONO EARLY WORKS: BEFORE SUICIDE)

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藝人春秋

藝人春秋

お笑い 男の星座―芸能私闘編 (文春文庫)

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2013-04-30 『ペタルダンス』 このエントリーを含むブックマーク このエントリーのブックマークコメント

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シネクイントで『ペタルダンス』観てきた。

まあ、前作の『好きだ、』は好きだったわけですし、宮崎あおい好きですし、安藤政信さん出てるから観に行くよね的な。


で、ミキ(吹石一恵)に会いに行くために車乗るまでで何度もウトウトしてしまった。だって、物語特にないから進まないから。

安藤くんは安藤サクラの夫役でちょいと出てて菅野よう子さんが音楽だから心地よくて眠りを誘うのだ。


観てて思った事はなんでこれ企画通ったんだろう?って。これ小説だったら超つまんないはず。まあ、宮崎あおいありきなんだろうなあって。最初に監督が宮紾あおいにオッケーもらって通ったんだろうなって思った。だって、宮崎あおいがすごく可愛らしく撮られているから、ああこの監督宮崎あおい撮りたいだけなんだろうなってw


画になる女優がいるから観れる感じ、間とか台詞とか。これ一般人とか売れない女優でやったらたぶんほぼ寝る自信がある。

やはり空気系というか雰囲気映画だなあ、宮崎あおい好きな人にはオススメ。

あと僕みたいに安藤くんをスクリーンで観たい人はどうぞ。

2013-04-02 『アニバーサリー』 このエントリーを含むブックマーク このエントリーのブックマークコメント

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七十代にして現役、マタニティスイミング教師の晶子。家族愛から遠ざかって育ち、望まぬ子を宿したカメラマンの真菜。全く違う人生が震災の夜に交差したなら、それは二人の記念日になる。食べる、働く、育てる、生きぬく――戦前から現代まで、女性たちの生きかたを丹念に追うことで、大切なものを教えてくれる感動長編。

『アニバーサリー』 新潮社サイトより


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小さくため息をつき、真菜は手にしたカメラで目の前にあるロープの張られた空き地を撮った。真菜は思う。

風景は自分が目を離した隙に、大きく変わってしまう。無くなってしまったものは、もう、どうやっても写真に写すことはできないし、撮りたいと思ったときに撮らないと、そのチャンスは二度とやってこないんだ、と。

風景も、建物も、どんなものだって、変化しないものはない。そのことを思うと、なぜだかひどく寂しい気持ちになるのだった。

窪美澄著『アニバーサリー』より

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「こんな時だから速度の遅い小説メディア)が必要だからがんばって書き上げろ」と震災後のイベントに行った僕に言ってくれたのは小説家古川日出男さんでした。いろんな言葉や想いがネット上には舞って流れていきます。

 現在のメディアの中で速度の遅い小説という形を取る事で物語として文字を綴る事の中で言葉にならないものをなんとか伝えようとする、しかしそれは書く方も読む方も時間がかかる行為です。

 だからこそ瞬発性はないが浸透性は高いのかもしれない、ふかくふかく読者の中に降りていく言葉や想いがその人の心の奥底にある湖に小さな小石を投げるように波紋を生んで今までとは違うその人の心のありようや感受性をもたらすことがきっと小説にはあるのだと僕は信じています。


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少しずつ豊かになって便利になった。

そして、同時に、何かが少しずつ損なわれていったのだ。自分の知らないところで。

(中略)

明るいものを、温かいものを、自分より後に生まれた人たちに渡していたはずなのに、それは自分が思っているよりも、ずっと冷たくて硬いものだったのかもしれない。真菜に言われたように、私たちは望みすぎたのかもしれない。もっと、もっとたくさん。二つの手のひらに載せられないものを私たちは欲しがったのだ。

『アニバーサリー』より

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 窪美澄さんの四冊目の新刊『アニバーサリー』について少しだけ。前回の『水道橋博士のメルマ旬報』で取り上げた加藤シゲアキ著『閃光スクランブル』の帯に窪さんがコメント書いていて気になったこともあったり、この作品の終わりの場所は『閃光スクランブル』に繋がるような気もしているのでどちらも読むと僕のような楽しみ方もできると思います、間違った楽しみ方かもしれないですが。


 戦前から東北東日本大震災までを母親になった女性を軸に描いている作品。戦前から戦争が終わり高度経済期を生きてきたおばあちゃん世代の晶子と95年に女子高生だった真菜という世代を交互に描き最後に結びつけていく。

 1935年(昭和10年)に両国花火大会があったその日に質店に生まれた晶子とイランイラク戦争が勃発し山口百恵の引退コンサートをした1980年(昭和55年)にサラリーマンと専業主婦(母は数年後に売れっ子の料理研究家になっていく)の両親の間に生まれた真菜という二世代離れた二人が現在まで生きてきた間に起きた大きな出来事として東京大空襲のあった3月10日、終戦記念日の8月15日、そして3月11日が出てくる。

 戦争原発も極めて男性社会が望んだものとして結果的に多くのものを奪い(もちろん経済的には与えはしたがその代償は大きかった)女性たちの人生は変えられてしまい、その日たちは区切りとして年表に刻まれた。


 晶子よりは十歳ばかり年上の糸子が主人公だった渡辺あや脚本NHK朝の連続ドラマカーネーション』を思い出す。

 傑作ドラマで評価も高いので未見の方はぜひ!なのだがやはりこの小説で描かれる晶子が生きてきた戦前と戦後が描かれていた。ただ糸子は自分のやりたいことを父を認めさせ女系家族のようになっていく中で母としてよりは一家の父として機能していくようになりその結果として彼女は愛しい人とはうまくいかないなどこの小説とは違う方向性になっていくのだが印象深かったのはやはり終戦記念日の玉音放送の回だ。

 今までの終戦記念ドラマなどのイメージで天皇陛下の玉音放送を家族で聞いて日本戦争に負けた事を知ると泣き崩れるという映像が脳内にあった。しかし、このドラマでは聞き終わると糸子は「さあ、ご飯の支度しましょう」と極めて普段の生活の延長線の行動をした。

 そう戦争に負けても続いている日々は変わっていくけど終わりはしない。その事は僕にあの日以降の生活とダブって見えてああヤケにリアルだなと見ながら感じたものだった。


 今作『アニバーサリー』を読んでいて窪さんが意識的にやっていると思ったのは、新潮から出ている第一作『ふがいない僕は空を見た』、第二作『晴天の迷いクジラ』の要素を掛け合わせて二つの時代を書いているということだった。『ふがいない僕は空を見た』では性的な衝動や行動は人間の性であり、それは子供を作る行為でもある、なぜわたしはここにいるのだろう?という存在意識の根本としてまずある。

 故に家族を描く際に避けては通れない。それを今作では第一作『ふがいない僕は空を見た』で扱った出産という人の誕生をもう一度メインにしている。そう生命のバトンタッチを。


 セックスをして子供が生まれたから家族になったの?なれるの?血の繋がりがあろうが個人個人の関係のなかで一緒に暮らすと言う事はどういうことなのか? 抱えきれなくなった想いの行く先はどこなのか、を窪さんは小説で書いていると思う。

 第二作『晴天の迷いクジラ』からの要素としては辛かったら逃げてもいいんだよというメッセージや登場人物の行動、そして血の繋がった家族ですら居場所がなくても疑似家族的な血の繋がりもないけども関係性を築ける人々の元に逃げる、あるいは作れるのならそれでいい、死ぬよりは絶対に生きていけるその可能性はきっとあるからと。


 最新作『アニバーサリー』は前二作で窪さんが書いてきたそれらと震災の後の人の心のありようや想い、不安を母になった真菜が感じている中で祖母ほど年の離れた晶子との関わりの中で少しだけ和らいでいく。

 真菜が産んだ娘に対してこんな世界に産んでしまってごめんねという気持ちが少しでも青空に近づくように、書かれていて描写や台詞がふいに心の奥にある泉に小石が投げられて波紋が広がっていく。

 しかし、この見上げた空は移ろいやすく放射能も舞っているのかもしれない。それでも真菜が再び抱きしめた娘と歩き出すこの世界には色彩があり音があり匂いがしている、肌が感じる風の揺らぎも。僕たちの世界にはそれがあるのだと読みながら再確認できた。

 当たり前の事なんだけど文字を読みながら感じる五感の有り様はひどく敏感になるのはやはり文字だけだったりすると想像力を刺激して繊細さが増すのかもしれない。


 『アニバーサリー』だけではなくて他の小説家さんたちの書こうとしていることやライター編集者の方がいま形にしようとしている本について聞いていて去年あたりから僕がよく思う事を最後に。


 数年後にはかなりの数が揃い出すと思うが今現在、特に五十代と四十代(後半)の作家群が2011年を経て書かざるえなくなったのはやはり1995年という時代だということ。それはただの近過去ではない。

 彼らが二十代や三十代の頃に同世代が起こした世界の終わりに向けての事件を含めて日本が確実に変化した95〜11年という季節はやはり日本にとっては大きすぎた。

 彼らの両親世代以上が生きてきた中で大きな出来事は明らかに第二次世界大戦だった。そして敗戦の後には高度経済成長があった。彼らがリアルタイムで見て聞いて感じて知っていた事。

 2011年の震災と原発問題の風化される速さを思う時にあっという間に風化された近過去のあの時代(1995年)を語りなおそう、しなければいけないという書き手の人がたくさんいると思うし、実際に多くの人が意識しているのが伝わってくる。

 『アニバーサリー』と『別冊 文藝春秋』連載中の『さよなら、ニルヴァーナ』で窪さんは自身の作家性や自分の資質をこれでもかと投入しさらに幅広い読者に届けれるようシフトチェンジというかパワーを増しているように思えるのだ。そうしなければ95〜11年という大きな季節を現在に繋げて語り出すことは難しく僕ら読者に届かすのは難しいのだろうと、僕は想像している。

アニバーサリー

アニバーサリー

ふがいない僕は空を見た (新潮文庫)

ふがいない僕は空を見た (新潮文庫)

晴天の迷いクジラ

晴天の迷いクジラ

クラウドクラスターを愛する方法

クラウドクラスターを愛する方法

2013-03-16 『プラチナデータ』 このエントリーを含むブックマーク このエントリーのブックマークコメント

 TOHOシネマズ渋谷で19時の回を観に行く。初日だったんだっけ? NEWSの加藤シゲアキ著『ピンクとグレー』『閃光スクランブル』読んでたからその流れでジャニーズ繋がりで観に行くというね。監督の大友さんの関った作品できちんと全部観てるのは『ハゲタカ』ぐらいかな。


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監督・大友啓史

キャスト・二宮和也神楽龍平、豊川悦司/浅間玲司、鈴木保奈美/水上江利子、生瀬勝久志賀孝志、杏/白鳥里沙ほか


解説・二宮和也豊川悦司の共演で、東野圭吾の同名小説映画化したサスペンス大作。政府が水面下で収集した国民DNAデータ「プラチナデータ」をもとに犯罪捜査が行われ、検挙率が大幅に上昇した2017年。科学者神楽は、DNA捜査の専門家として警察庁の特殊捜査機関「特殊解析研究所」に所属していた。そんなある日、DNA捜査のシステム開発者の殺害事件が発生。現場から神楽DNAデータが検出される。身に覚えのない神楽は逃亡し、ベテラン刑事の浅間が神楽を追跡するが……。自信家の天才科学者神楽二宮DNA捜査に疑問を抱き昔ながらの捜査にこだわる浅間刑事を豊川が演じる。監督は「ハゲタカ」「るろうに剣心」の大友啓史。(映画.comより)


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 客層は若いのと女性が多いのは至極当然。そういえば最近こういう客層がいる映画をあんまり観てないなあと思った。四人ぐらいで来てる中学生か高校生の男子はなんか足組んだりコソコソしててうぜえなっていうか一人だったらいいんだろうけど男が集団になるとやっぱりバカっていうかまあバカだよなあと。映画はやっぱり一人で観に行った方がいいよね。


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 二宮が頭が痛い的なシーンがあってトヨエツ出てるから途中から『ナイトヘッド』思い出して頭痛いというシーンで笑いそうになってしまったのはきっと九十年代脳だから。

 まあ、真犯人っていうかそういうのはまあわかりやすい感じではある。僕は東野圭吾作品、小説一冊も読んだ事ないけど『流星の絆』とか一話観る前から犯人この人しかいねえじゃんってわかるキャスティングだし、それは仕方ないことだけど今回も最後に二宮と向かい合って画になるのはあの人ぐらいだし。


 カースタントとか戦闘シーンない代わりにかバイクで疾走し車が追いかけるようなシーンでアクション的なものが展開されていたのは大友さんがやりたかったのだろう。

 あと多重人格ネタ水原希子が演じた女性がサヴァン症候群とかな設定はわりと九十年代っぽいなあって思う、昔よく聞いた単語だから親近感ある。『ATARU』もそうだったし『SPEC』は特殊能力だったけど『ナイトヘッド』『沙粧妙子』の系譜にあるから物語の展開に違和感ないけど犯人そいつしかいねえじゃんってなるよね。


 エンタメとして楽しめるんじゃないかなって感じででも語る事はあんまりない映画かなあ。

2013-03-06 『ライフ・オブ・パイ トラと漂流した227日』 このエントリーを含むブックマーク このエントリーのブックマークコメント

 レディースデイなTOHOシネマズで観賞。まあ五割とかぐらい埋まっていたかなあ、たぶん。『タマフル』でのシネマハスラーでなんとなく聴いて物語論でもあるみたいな話を宇多丸さんがされていて、まあパイがパイがみたいな事も言ってたけど。


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監督/アン・リー

出演/スラージ・シャルマ/パイ・パテル(少年)、イルファン・カーン/パイ・パテル(成人)、タブー/ジータ・パテル、レイフ・スポールカナダライタージェラール・ドパルデュー/コック


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カナダ作家ヤン・マーテルが2001年に発表し、ブッカー賞を受賞した世界ベストセラー小説「パイの物語」を、「ブロークバック・マウンテン」「ラスト、コーション」のアン・リー監督が映画化。乗っていた貨物船が遭難し、一匹のトラとともに救命ボートで漂流することになった少年パイのたどる運命を描く。1960年インド・ポンディシェリに生まれた少年パイは、父親が経営する動物園でさまざまな動物たちと触れ合いながら育つ。パイが16歳になった年、両親はカナダへの移住を決め、一家は動物たちを貨物船に乗せてインドをたつが、洋上で嵐に遭遇し貨物船が沈没。必死で救命ボートにしがみついたパイはひとり一命を取りとめるが、そこには体重200キロを超すベンガルトラがいた。第85回アカデミー賞で全11部門にノミネートされ、アン・リーが自身2度目となる監督賞受賞を果たした。(映画.comより)


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本年度アカデミー賞有力作品!あなたの“映画観”“人生観”が変わる1本

少年とトラが漂流227日間──希望と感動の物語

http://eiga.com/movie/57676/special/


 何度も劇場で予告を観ていた作品。はっきり言うと最初に観たときは虎と漂流ってwというぐらいでまったく観たいとは思えなかった。僕はそんなに動物ものが好きではないからというのもあるだろうしなんかいい話っぽいのもあんまり触手が伸びない。

 実際に観てみると思ってたのと全然違う!!確かにベンガルトラと漂流する少年・パイの話にフォーカスをもろに当てていると思ってたんだけど実際は彼が助かった後に重要さがあり船が沈没する前のパイの物語というか彼がイスラム教やヒンドゥー教やキリスト教などに興味を持って神とは宗教とはなんなのだ?という話がこの作品の核だと気付かされる。


 海での漂流シーンやCGで作り上げた(実際は85%?がCGで残り香実物を使って撮影したらしい)ベンガルトラだったり予告でも目を奪う夜の海が仄かに光る海洋生物たちにマッコウクジラ?みたいな巨大なクジラジャンプミーアキャットの軍団というか島中にいるミーアキャッツたちとか目を奪うようなシーンは本当に素晴らしくすげええってなるんだが実際の所そのシーンすらも。


 以下思いっきりネタバレを含む。


 最初は船が沈没する所からじゃなくてまずはインドでのパイの話、そしてプールというフランス語の名前をつけられた彼はインドではその名前は立ち小便的な意味があるらしく愛称として自らパイと言い出す。彼はπであることを学校中に認識させるためにπイコール3.14の以下の数字を暗記しそれを披露する。彼の両親はニューインド的なものを信じておりまあ科学じゃないと証明できないこと、宇宙がどうなっているかとか病気を治せるのは西洋医学だとか。でも心の問題はそれで解明されない、パイは宗教、神様について関心を持つようになっていく。


 神様はなぜ自分の子供の罪のないキリストをひどい目にあわすのか?という疑問などを牧師(神父)に聞いたりするようになる。この事は漂流し嵐に会う時にも神様はなんでこんなことをするんだみたいな叫びにもなる。


 そしてインドから離れる事になったパイ一家はカナダを目指す。父が経営していた動物園動物たちも連れていく、それを北米で売って新しい生活の資金にするためだった。そしてその船の中である一悶着がある。

 パイの母親はヒンドゥー教であり船の食堂では肉の入ったスープをコックが出す。彼女がベジタリアンなのと言っても聞く耳もたずにそいつは食べれないなら食べるな的なことを言って父親がコックを殴りかかるというシーンがある。家族が端っこでたぶんライスだけなのかな、食べている。この肉を食べるかどうかという宗教上の件はこの前に家族でご飯を食べている時にも出てくる。父親は普通に子羊うまいとか言って食べているシーンがある。

 で、それを見ていた仏教徒が近づいてきて肉汁は肉が入っているわけじゃないから食べれるだろう、どう?みたいなことを聞いてくるがパイは断る。というシーンがあり、このあと船は大嵐の中で沈没してしまうのでここのことはわりと記憶に残らないのだが実はここがコックとかの件が最終的に大きな意味を持つ。


 まず最初に出てくるのは現在のパイで彼を訪ねてきたカナダ人の小説家と話していて過去を振り返る構成になっている。漂流した話をパイは小説家に聞かせている。のが物語の大きな意味でもある。ボートになんとか乗って助かったパイだったがそこには脚を骨折したシマウマが乗っていてボートに隠れていたハイエナ、大量のバナナの房みたいなのに乗ってボートに近づいてきて合流するオラウータンとパイは漂流する。

 しかしハイエナに寄って骨折しているシマウマは殺され、オラウータンもやられてしまう。パイも危なかったが船のシートの奥にひっそり隠れていたベンガルトラハイエナを仕留めるが、パイとベンガルトラの気を抜いたら即死亡な危険な漂流が始まるのだった。


 ベンガルトラとパイが心を通わせていくということもなく、そりゃあそうだ。トラだもん、飼いならせれるわけない。その辺りがきちんとしていていいと思う。餌付けしたりするけどね、魚あたえたり、でもそれしないとパイが狙われるからっていう。

 でこのどう考えてもありえない話。魔術的な、そうラテンアメリカ文学でよく見られたマジックリアリズム的な語りによる物語構成は助かった後に大人になったパイが小説家に語るもうひとつの物語がこの物語ともうひとつの物語とという入れ子構造になっていることを観客に伝える。どちらが本当なのか?


 日本沈没船だったから日本の保険会社の社員が助かったパイに話を聞きにくるが、ベンガルトラと漂流した話をしても作り話だろ?みたいに信じてもらえない。沈没した原因もわからない、少年はトラと過していたという。少年はもうひとつの話を語り出すと日本人の調査員はなにも言わずに帰っていったという。


 それは、コックと仏教徒と母親とパイが救命ボートに乗ったという話だった。コックはハイエナ、仏教徒はシマウマ、母親はオラウータン、パイはベンガルトラですね?と話を聞いていた小説家は問う。そしてパイはどちらの物語が面白いと思う?と。トラが出てくる方ですねと、なら君が面白い方を信じたらいいと彼は言うのだった。


 シネマハスラーでは宇多丸さんがこれに近いのは『エンジェルウォーズ』の物語構造だと言っていた。

 映画マジックリアリズムをガツンとやっていて、しかもこれは確かに気付けない。この物語の真相を何も知らずに当てられる人はどのくらいいるんだろう。まあ、冒頭での宗教話とかあるんで感のよほどいい人やマジックリアリズム的な作品が好きな人ならもしかしたら沈没した辺りで気付くのかも。


 神とはなんの象徴であるのか、なんの擬人化なのか。人間たちを何かに置き換える事で物語れる物語。しかしそのふたつの話はどちらが本当なのかは語られない、信じたい方を信じればいいのだと。物語論としても物語物語としても完成度の高い作品になっていると観ながら、最後の方で思った。


 ベンガルトラと漂流した物語って言われるとまったく興味は沸かないのだがそういうことを少しでも知ると俄然観たい作品だし素晴らしい出来だと言うしかない。ただその事を知っているともはやネタバレになってしまうので最後のこの物語に隠された構造の驚きも減ってしまうのだろう。


 何も知らずに観にいってやられた!と思うのが正しい見方なんだろうな。でもフックが弱いのかも動物もの好きとかじゃないとやっぱり。

2013-03-03 『横道世之介』 このエントリーを含むブックマーク このエントリーのブックマークコメント

 渋谷HUMAXシネマにて。あまり人が劇場に入っていないと聞いていたが土曜日の17時前の回でわりと人が入っていたような気がする。観た人からは面白いと聞いていたが上映時間が160分あるのが足運び辛い要因かもしれない。


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監督脚本・沖田修一

共同脚本・前田司郎

出演・高良健吾横道世之介吉高由里子/与謝野祥子池松壮亮/倉持一平、伊藤歩/片瀬千春、綾野剛/加藤雄介


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悪人」「パレード」の吉田修一による青春小説を、「南極料理人」の沖田修一監督が映画化。1980年代を舞台に、長崎港町から大学進学のため上京したお人好しの青年・横道世之介や、その恋人社長令嬢の与謝野祥子らが謳歌した青春時代を、心温まるユーモアを交えながら描く。主人公の世之介に高良健吾ヒロイン祥子吉高由里子ほか、池松壮亮、伊藤歩、綾野剛らが出演。劇団「五反田団」主宰の劇作家小説家の前田司郎が共同脚本を担当。(映画.comより)


ASIAN KUNG-FU GENERATION 『今を生きて』

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 世之介が長崎から上京して来る所から始まる。新宿駅、もちろん今とは違う景色、外観の八十年代。電車に乗って下宿先に向かい初めての一人暮らしをいきなりぶち壊すのは隣りの家の目覚まし時計。この人がいるのかわからないし近隣から苦情の紙を貼られている隣人がのちの世之介の人生を大きく変えることになるのだけどそういう意味では冒頭の電車と隣人の目覚まし時計は物語というか世之介の人生を端的に繋げていて後から考えるとうまい始まり方だと思えた。


 二つ隣りの住人である江口のりこ演じる女性とのやりとりも最後に向かっての大きな環における彼の成長を語るために必要なものであり、隣人の目覚ましの話をして今シチュー作ってたんだけど食べていく?(いちおう断ると思って聞くだけ聞くみたいな)と言われて世之介はいただきます!と言うと「本当に?」みたいな微妙に噛み合ずにでも世之介の正直さというか世間を知らずに純情な人柄が見てとれる。だからこそ観客は世之介に良いイメージを持てるし世之介と出会った人々が話す会話ではおひとしでもある彼と友だち達の会話で笑いが出てくる。


 沖田修一監督作品をまったく観ていないのだがこの監督はこういうのがうまく撮れる人なのだろうか、あるいは共同脚本である前田司郎の手腕なのだろうか、僕にはわからないのだが。


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 入学式で出会った池松壮亮(倉持一平)と世之介がサンバサークルに入り池松と同様に出会ったあくつという女の子の話から入るわけだが世之介と池松のとかけあいというかやりとりはなにか懐かしい友人の温度に似ていて現在の彼が思い出すあの感じは温かい。そして人は時折思い出すような誰かがいて、忘れていく人たちの集積として現在を生きているのだと思う。

 実際にこのパートで現在の池松とあくつが描かれてこの二人が世之介を思い出すという感じになり、その後のパートも世之介×誰かの80年代を描きその誰かの現在を描いて世之介のことを思い出すという構成を繰り返していき現在の世之介がどうなったのかを少しずつ描く。


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 87年ぐらいが舞台なのかな。綾野剛が演じた加藤雄介がウォークマンで音楽聴いてるけどまだ出た当時かな。誰も携帯もウォークマンも身近ではなかった時代。斉藤由貴のマクセルだっけのポスターとか背景とかも80年代が出ていてよかった。

 世之介の同郷の友人のこのスーツはマルイの20回払いとかねるとんに出ようぜ!とかそういう台詞もきちんと時代背景出ていて四十代の人とかもろに染みちゃうんだろうなあって思った。

 彼らの二十代の季節が描かれているから。僕らだと九十年代後半ぐらいの季節がそうなるんだろう。


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 伊藤歩演じる片瀬千春の現在パートで世之介の今がわかる。そこから吉高由里子演じる与謝野祥子と世之介の関係が描かれていくのだが現在の世之介がどうなったかを知ってしまった観客には輝いている季節がノスタルジーでもあり愛しく感じられて来る。


 この映画観てたくさん笑った。長く感じなかった、テンポや役者同士の間とかかけあいが心地いい。

 そしていつか自分がいなくなった時にふいに思い出されて思い出し笑いが起こるような人になれたらいいなと観ながら思うけどそれは中々難しいよねとは思う。あああんなやついたよなあって自分がいない場所で時間を共有した誰かに笑いながら語られると言うのはキャラの問題もあるんだけどその人の人生の中に記憶の中にきちんと僕という存在が何かを残せたりしたことなのかもしれない。


 公開前から『サニー』や『桐島、部活やめたってよ』の映画を推していた映画関係の人や映画好きな人が『横道世之介』が面白いって言っているのは観ているとわかる気がした。やっぱりこの三作は確かに面白いし出来もいいと思うけど二十代よりは三十代、三十代よりは四十代の人が余計に好きだよね、響くだろうし。人生経験を得ていろんなものを得て失ってきて哀愁だとかノスタルジーに対して客観的に見える年齢になったほうがこれらの作品の良さは増すと思うから。ただ面白いと思うけどそこまで評価するものなのだろうか?という疑問もあったりする。

 人にオススメしたいとかこんないい映画が全然客入らなくて打ち切りになるのは嫌だとかそういう気持ちが次第に集まって大きなムーブメントになるのは正しいことだしそういう映画に詳しい人たちが推すから実際に観に行こうと思う人もたくさんいる。

 

 だけどそういう強い気持ちに対してなんとなく乗れなくなっちゃう天の邪鬼な人もいるんだよね、僕みたいな。

2013-02-27 『世界にひとつのプレイブック』 このエントリーを含むブックマーク このエントリーのブックマークコメント

 TOHOシネマズ渋谷にて観賞、水曜日はレディースデイだから女性がほとんどでしたね。朝イチの十時の回。


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監督/デビッド・O・ラッセル

キャスト/ブラッドリー・クーパー/パット、ジェニファー・ローレンス/ティファニーロバート・デ・ニーロ/パット・シニア、クリス・タッカー/ダニー、ジャッキーウィーバー/ドロレス


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<解説>それぞれに最愛の人を失い心に傷を負った男女が再生していく姿を、笑いや涙を交えて描いたヒューマンコメディ。監督は「ザ・ファイター」のデビッド・O・ラッセル。主演は「ハングオーバー!」のブラッドリー・クーパーと「ハンガー・ゲーム」のジェニファー・ローレンス。妻の浮気が原因で心のバランスを崩したパットは、仕事も家も失い、両親とともに実家暮らし。いつか妻とよりを戻そうと奮闘していたある日、事故で夫を亡くして心に傷を抱えた女性ティファニーに出会う。愛らしい容姿とは裏腹に、過激な発言と突飛な行動を繰り返すティファニーに振り回されるパットだったが……。パットの両親役でロバート・デ・ニーロジャッキーウィーバーが共演。第85回アカデミー賞では作品、監督、脚色、主演・助演男女と主要部門すべてでノミネート。ローレンスが主演女優賞を受賞した。


ブラッドリー・クーパー、主演に指名してくれたロバート・デ・ニーロに感謝

http://eiga.com/movie/77849/interview/

(上記は映画.comより)


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 この映画を知ったのは先月で、歩いていると偶然お会いした作家樋口毅宏さんが試写を観に行った帰りだったらしく少しお話をさせてもらって、町山さんも絶賛されているらしいと聞く。

 物語の内容や主人公の男のこと聞いて「これ樋口さんまんまですね」と言ってしまったのだけど気になっていたので観に行った。

 

 ↑主演のブラッドリー・クーパーのインタビューでもあるように「2008年という厳しい不況に直面した時期を描いている。ボブ(デ・ニーロ)が演じる父親は、職も年金も失っているしね。人々は金銭的にも心理的にも、これまで経験したことのない新しい現実に向き合うことを強いられていたんだ」とあるのは観ていて気付けなかった。

 職失って年金もみたいな台詞はあったんだけど時期的にリーマンショック以後って事なんだな、なるほど。


 人には精神的な支えがいる。家族も仕事もお金もバランスを欠いてしまうといろんなものが総崩れになってしまう。主人公のパットは妻を家庭を失ったことで精神的にまいってしまった人だ。ちなみに彼は次男坊で長男は弁護士(だったはず)で終盤ぐらいに父から長男とは時間取れたがお前とはあまり時間を作ってやれなかったみたいなやりとりがある。

 ヒロインである『ハンガー・ゲーム』の主役を演じたジェニファー・ローレンス扮するティファニーは夫を事故で失い職場の大抵の男社員(女性も含む)とセックスをして解雇されている。


 パットは先生だったが今は無職でリハビリしながらもまだ精神的に元妻とよりを戻す事に終始していてその考えこそが過去にとらわれていて現在の自分をきちんと見つめる事ができないでいる。だからティファニーが自らの過去を受入れてそれを含めて自分が好きと肯定しているのを聞いても彼女がほうが自分よりも病んでいると思って接する。

 二人とも両親と共に地元に住んでいるので生活はなんとかなっているようだ。デ・ニーロパパはイーグルスの応援をしながらノミ行為で金銭を得ている。ティファニーの両親は娘が関係持った連中が付き合っていると勘違いして家を訪ねてくるのにうんざりしている。


 手紙がキーアイテムになるがそこに隠されている事。観ていてそうなんだろうなって思うんだけどやっぱりパット気付いてたんだなみたいな最後の辺りがいいなあっていうか、いいだよね。

 イーグルスって日本に置き換えたらレッズファンでやれそうな気もした。『水道橋博士のメルマ旬報』連載陣の柴尾さん風にいうとおっぱい指数高めかな、谷間にどうしても視線がいく。ジェニファー・ローレンスって可愛いんだがブサイクなんだかキレイなんだかよくわからない感じ、角度とか表情でだいぶ変わる印象だと思う、でもおっぱいは断固として強調してるみたいに出てた。

 デ・ニーロ父ちゃんいいなあ、と思う。いい親父っぽいけどなんかダメな感じもその年金とかもらえなくて失業してる哀愁みたいなものが漂い過ぎ。

 『ヤング≒アダルト』やこの映画とか観ると好きになるひと多そうだなあと観終わって思ったりした。


 損なわれてしまったものや失ったものを人は取り戻そうとして右往左往するけど、元には戻らないし戻った風に感じてもそれは以前とは違う。主体である僕たちも変わり続けている。変化の中にある今の現在進行形を受け入れながら万物が変わり行くのに寄り添うように僕らは生きている。兆しはどこかにある。そういう映画だった。

ルック・バック・イン・アンガー

ルック・バック・イン・アンガー

 

2013-02-25 作家デビュー15周年記念 声を狩る2013 古川日出男の「朗読空間」 このエントリーを含むブックマーク このエントリーのブックマークコメント

作家デビュー15周年記念 声を狩る2013 古川日出男の「朗読空間

http://www.moonromantic.com/?p=13324


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 最初は古川日出男×小島ケイタニーラブで宮沢賢治の作品を朗読。タイトル忘れちゃったけど。この二人はもうコンビとして音として音楽と朗読の融合として単純に聞いていて楽しいしカッコいい。

 ああ、音楽が鳴っていると体に伝わる。


 ロロは初めて観たけど雰囲気や感覚が好きだった。『LOVE』にインスパイアされた猫の話だった。でも単語とか台詞が交互にあったり言い方だったりとかは今の演劇では当たり前な感じなのだろうか。僕は演劇そんなに観に行かないけど快快観てる時に感じる言葉のリズムとか遊びの感じに似ているなあとか思ったりした。


 開演して入ったら『新潮』の矢野さんが最初からDjしてた。

 佐々木敦さんと古川さんのトークは興味深い内容で、佐々木さんが古川さんと出会った頃は古川さんがちょうど人前に出始めて朗読を始めた頃でちょうど一次から二次のデビューしてからだとわけられる頃らしかった。『聖家族』は文学に対しての爆弾になると思ったら不発でガックリ来たっていわれていたけど爆発したらダメで時限爆弾みたいなものでそれでいいのではないかって。


 古川さんが15周年に出すのは『ロックンロール七部作』が十四部作になってさらに増えて、二十一部作に。

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古川さんの短編らせん型エスカレーターの誕生と消滅』。類推者と人生というもの、始まりのフロアは生まれた年かららせん型エスカレーターの上下、そのフロアで類推者がみるもの。『TYOゴシック』に近い語り口調の短編という感じがした。

あと『南無ロックンロール21部経』楽しみすぎます。


 トークの中で古川さんが東北の震災もあっという間に風化している。でやっぱり95年の事が頭に浮かんできて地震オウムもあっという間に風化した事について考えるようになったと。

 五月に出る新刊が『南無ロックンロール二十一部経』という作品で1995-2011について書かないとやはりいけないって言われていた。あの時代に起きたものについて書く事でいろんなものを今に繋ごうと、書かないといけないという共通認識というか意識せざるえないんだろうなってあの世代の作家にはあるんだろうなと勝手に聞きながら思っていた。

 サカキバラや九州のバスジャック犯や秋葉原事件の加藤やこないだのPC遠隔操作で捕まった人もなぜかみんな1982年生まれの学年。僕も同じ年生まれなんですけど早生まれなので学年は違うんだけども。

 昔からなぜあの学年の彼らはダークサイドに堕ちていったのかということを考えてはいるんですけどやっぱりわからない。彼らの同学年の女の子は宇多田ヒカルとかYUIとか大塚愛とかいて82年生まれの学年って男子のダークサイドの落ちかたが女性と比較しやすいのかもしれない。


 古川さんの15周年イベントは顔見知りの人もたくさんいらしていた。朗読はケイタニーラブさんとのコンビはやっぱりとんでもなくよくて。この二人が作る空間だから古川さんの朗読は柔軟に軽やかに速く強くマジメにふざけているような楽しさが伝わる。

 そしていつもように古川さんのイベントで会う人たちを見ると古川さんがいかに慕われているのかもわかる。

 終わった後には菅啓次郎さんからケーキが渡され入場時に僕たち客がノート古川さんにむけて書いた言葉が集まった猫が裏表に貼られたノートが渡されていた。古川さん少し泣きそうになっていてそれを見ると泣きそうになってしまった。


 未だに観れていない朗読劇『銀河鉄道の夜』をあの3月11日に観に行こうと思う。


Rainy Day Bookstore & Cafe 本・つながる・未来 vol.14

光のしずく流れる春の川 朗読劇『 銀河鉄道の夜

http://www.switch-pub.co.jp/rainyday/042131302.php