2014-12-07

　『新潮』最新号はいつも通り古川さんの連載『女たち三百人の裏切りの書』から。『源氏物語』の紫式部が甦り憑依した女人たちが書き出す源氏物語その後、オリジナルがさらに異なる物語たち生み出す、しかしそれのはオリジナルでありコピーとは違う。翻訳した体の『アラビアの夜の種族』の系譜にある作品。次号が最終回らしい。一冊の書物に綴じられた時にさらに幻惑さは増すと思う。
　あとは柴田さん訳のブライアン・エヴンソン『グロットー』は不気味でじわじわと来る恐怖、やがて陥る闇の中へ誘いとかダークで幻惑的なレイモンド・カーヴァーみたい。冷たい文章、冷静な暗がり。

　ワワフラミンゴ『ホーン』＠アトリエヘリコプター

　今日のアフタートークは前田司郎さんだった。
　ワワフラミンゴ『ホーン』観賞。ふわふわしていて物語ることは極力ないのだけど白昼夢みたいに急に輪郭ましたりボヤけるから不思議でウトウトする。主宰の鳥山さんはミランダ・ジュライに近いタイプの創作者じゃないかなあ、何度か観てるけどミランダの小説の読後感が一番近い感触がする。