Spiral Fiction Note’s diary

物書き&Webサイト編集スタッフ。

『泥棒役者』&『勝手にふるえてろ』

 20日ヒューマントラスト渋谷にて『泥棒役者』を観る。監督の西田征史さんは脚本家としても有名なのでどんな感じか観てみたかった。ある家の中でほとんど進んでいく展開のワンシチュエーションものなので、舞台とかでもできる感じ。主演の丸山さんが忙しいから家のセットだけあれば撮れるみたいな注文とかあったのかもしれない。でも、もともと西田さんはお笑い芸人だったし、今回の嘘に嘘を重ねて行く感じはどこかアンジャッシュのコントに近いかも。後半はストックホルム症候群みたいになったみんなである目的を果たそうとするいい話に持っていく。コンパクトにまとまってるのはさすが敏腕脚本家の仕事と言った所、ちょっと派手さはない。舞台でやったらいいのにね。




 土曜日から公開になった『勝手にふるえてろ』をヒューマントラスト渋谷で朝一の回を。松岡茉優がかわいいのはわかる、ファッションとか諸々。ただ、脳内妄想ひどい女子設定なのでから回ったり毒を吐いたりする部分で笑いは起きていた。原作を読んでいないが、10年間片思いしていた同級生の男子(1)と再会したあとに意気投合したかと思ったら実は自分の名前を彼が覚えていなかったことで幻滅し、狂ったのかみたいな行動を始める。会社の同僚である(2)と付き合ってるのか付き合っていないのかみたいな関係だったが、彼女の狂言や行動で距離ができるが(1)にもともと相手にされていなかった現実を突きつけられた上でラストの(2)とのあの感じって正直どうなんだ。結局、自分のことを好きって言ってくれる男が目の前にいたらそっちでいいっていうことじゃない。だったら、今までの妄想は終わりを告げて現実に無事帰還したという感じもするんだけど、何か解せない。メンヘラらしい彼女は彼と幸せになるのかなあ。まあ、可愛らしい作品だし、メンヘラちっくな女性の自意識の問題についての作品なので需要はあるだろう。多分。