Spiral Fiction Notes このページをアンテナに追加 RSSフィード

2018-11-25 『斬、』 このエントリーを含むブックマーク このエントリーのブックマークコメント

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塚本晋也監督『斬、』をユーロスペースにて。

塚本さんは生死のギリギリの狭間で揺れ動く感情やその刹那を撮り続けていたい人なんだと思う。出演している役者さんの顔つきが泥臭くてよかった。

きっと、撮りたいのはその表情にあらわれるものなんだろう。

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塚本晋也監督『斬、』をユーロスペースにて。

塚本さんは生死のギリギリの狭間で揺れ動く感情やその刹那を撮り続けていたい人なんだと思う。出演している役者さんの顔つきが泥臭くてよかった。

きっと、撮りたいのはその表情にあらわれるものなんだろう。

2018-11-23 『ハード・コア』 このエントリーを含むブックマーク このエントリーのブックマークコメント

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山下敦弘監督『ハード・コア』初日を鑑賞する。

政治活動を手伝っている、正しくない世界だから間違っていると言って何が悪いという兄の右近(山田孝之)と、商社マンで正しくない世の中だから妥協して生きているという弟の左近(佐藤健)、女性経験がなくほとんど話さない右近友達である牛山(荒川良々)と謎のロボットのロボオを中心に、家族もいない、あるいは頼ることもない彼らのコミュニティや関係性を描いていた。

山下さんの描くどうしようもない男たちの哀愁に似たもの、負け犬と呼ばれても仕方のない彼らの衝動やむなしさや人間関係はどうしてもなにかを掴まれたような気になる。きっと、どこにもいけない、なにものにもなれなかった者たちの鎮魂歌

途中で石橋けいさんが出てくるが、異様にエロい、それも監督や男性が求めてしまうある種都合のいい男性主観妄想的な女性像であったりもする。だけど、こういう女性はいることはいるのだと思う。映画の中ではすごい美人ではないがどこかエロティックであり、自分享楽のために男を誘い、彼らがハマって自らオチていくのをたのしんでしまうような、それがもしかしたら目的かもしれないような、昔だったら魔性の女って呼ばれていたのかもしれないそんな女性

この作品で出てくる女性って基本的に男性の性的な欲望の対象ではあるけど、メインキャラとそれを省いて関係を持つものがいない。そのためにホモソーシャルな関係は持続し、大切なものとして強固になる。

最後にスタッフロール見てたら、衣装伊賀大介さんだった! 

2018-11-17 『ア・ゴースト・ストーリー』 このエントリーを含むブックマーク このエントリーのブックマークコメント

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シネクイントで『ア・ゴースト・ストーリー』初日の上映を観る。

ゴーストは基本的には「過去」であり、そのメタファ。突如交通事故に遭い死んでしまった男はゴーストとして恋人と住んでいた家に帰ってくる。そして、彼女の側にいる。ここまではありふれたゴースト・ストーリー。

大切な人が死んでしまっていなくなった現実を受け入れるまでの期間を喪に伏す時間とも言えるけど、それは実際のところ人それぞれ違う。現在を生きているものはやがてそれを経て違う未来を歩き出す。しかし、この話は喪に伏される側のゴーストの大切だった場所と時間を巡る構造になり、場所や時間すらも越えて、やがて死んでしまった側の彼=ゴーストが知りたかったものを見つけるまでの『ア・ゴースト・ストーリー』になっていた。肉体を失い意識だけが残された者がその意識を失うための。

だから、とてもわかりやすい20世紀的な映像の想像力で作られてもいる。わたしたちが理解しやすい時間と空間を用いて。これに更なる次元を加えて物語るとクリストファー・ノーラン監督『インターステラー』になる。

2018-11-09 『生きてるだけで、愛。』 このエントリーを含むブックマーク このエントリーのブックマークコメント

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 公開初日に、渋谷のヒューマックスシネマで仕事帰りに鑑賞。10人ぐらいのお客さんだったような気がする。小説自体はだいぶ前に読んでいるが、鬱になっている主人公(趣里)と彼女の彼氏(菅田将暉)、彼女のわがままに見える、不器用さやどうしようもなさ、人の優しさが染み込んでくると壊してしまいたくなるのは、自己肯定力のなさやそれに応えることがきっとしんどくなってくるからなのだろう。だが、一緒にいる彼氏、いや恋人や同居人だったら耐えれないとも思う。彼もまたゆっくりと溜まっていたものを最後には爆発させる。彼女の最後の疾走と踊りのような行動は憂鬱の鬱から抜け出す儀式だった。しかし、彼女の行動に胸糞が悪くなるところもある。きっと、今の所自分だったら迷惑をかける側だからだ。しかし、いつ自分が鬱になってしまうかは誰にもわからない。ただ、このメンヘラ的な自意識の問題は本谷有希子さんが演劇で世に出て、小説を書いていくことになるゼロ年代的なものでもあり、いまでもこのことに苦しんだりしている人が多いのも知っている。だが、どこか見慣れてしまった光景でもあるように思えてしまう。もっともっと早く映像化していた方が突き刺さり方は違ったのかもしれない、とは思う。

 本谷有希子原作『生きているだけで、愛。』と山戸結希監督『おとぎ話みたい』の映画の主演が共に趣里が主演で、どちらも劇場で観たが、山戸監督の呪いですらある作品に出てた印象には勝てない。というのが観た印象だ。

2018-10-26 『あの頃、君を追いかけた』 このエントリーを含むブックマーク このエントリーのブックマークコメント

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仕事帰りにヒューマントラスト渋谷に寄った。TCGカードで千円dayなので、『あの頃、君を追いかけた』をば。

監督の長谷川康夫さんって『つかこうへい正伝』書かれた方だよな。本が出た頃にラカグで水道橋博士×樋口毅宏×長谷川康夫のトークイベントに行って、そのまま打ち上げに参加したときにお話をさせていただいた記憶が。

『サニー』といい『あの頃、君を追いかけた』の日本版共に松本穂香出てるね。齋藤飛鳥って乃木坂の人なのね。『あの頃、君を追いかけた』観に行ったら高校生ぐらいの子がたくさんいたのは、そのファンなんだろうな。

台湾のオリジナル版見てないけど、こういう映画なのかなあ、随所随所でおっさんが撮ってるのがもろに出てるけど、アイドル関連は若手に撮らそうよ。オリジナル版はきっといいのだろう、たぶん。

『あの頃、君を追いかけた』を観て35歳問題が発動してる身としては青春まぶしっ!であり、過去のありえたかもしれない可能性に追いたてられ、なにものにもなれないままなら当然ながら鬱になるしかなく、いや、人は生まれながら死に至る病を発症してるから、あまり気にしなくていいのではと思わなくない。

2018-10-23 『世界で一番ゴッホを描いた男』 このエントリーを含むブックマーク このエントリーのブックマークコメント

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シネマカリテで『世界で一番ゴッホを描いた男』鑑賞。

芸術家か職人か、オリジナルかコピー(orフェイク)かという自意識の問題は僕が二十代の頃にはまだあったような気がする。『多重人格探偵サイコ』や西島さんの『アトモスフィア』はオリジナルとコピー(orフェイク)を巡る物語だった。

最近話題になった『ドラゴンボール』はじめて読んだけど的なネタも、伊藤剛さんのかつての漫画家を若い世代がまったく知らないというツイートは、オリジナルはもはや当たり前の風景になりすぎて認識すらされなくなった状況を認識させるものだと思う。

どんなジャンルにおいても、そう。

サンプリングとオマージュは元ネタという文脈をわかるからこそ、それをする者のセンスや個性を見いだした可能性の先には、インターネットとコピー&ペースト、教養は金がないと繋がらないという本質。それはこの三十年で一気に加速して軌道から逸れてこっぱみじんになった。

この映画の主人公はオランダで本物のゴッホの絵を見る。ある意味彼は覚醒する。守破離の守を二十年以上生活のためにしていた男は、それまで培ってきたもので未来へ爪痕を残そうと破り始めていく。それだけで感動的だが、写真とかを学んでいたであろう監督たちのカメラワークも素晴らしい、一枚の絵画みたいな構図がある。

2018-10-18 『SUNNY 強い気持ち・強い愛』 このエントリーを含むブックマーク このエントリーのブックマークコメント

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大根監督『SUNNY 強い気持ち・強い愛』をば。大根作品だし伊賀大介さんスタリストで参加してるし、観ないとなあと思いつつ観てなかった。最後のかつてのサニーのメンバーが斎場で踊るシーンの前に哀しいほどに、彼女たちの現在が浮き彫りになる辺りは辛い。夫たち男性はまるで頼りにならずに金銭的にも追い詰められている数人を救うのは余命一ヶ月で亡くなってしまった芹香であり、現在の根本的なものを突きつけてくる。と同時にその後のエンディングに至るまでのダンスによる高揚感と多幸感でそれを覆い隠しているようにも見えなくない。

ダンスが小学校でも授業に取り入られたのは華やかさに満ちたように見えた90年代が終わった後のゼロ年代以降だったこと、エグザイル的なマイルドヤンキーのような都市部ではなく、地方で幅を利かせるような人たちが好むものが席巻したのは繋がってるんだろう、たぶん。

サニーというかつてのコミュニティが再集結することで、家族や親族には救われない人が救われるというのはたぶんインターネット黎明期にあったような趣味なんかが共通で繋がるゆるやかだけど、信頼がおけたものに近いのかもしれないなあ。

プロデューサーは川村元気さんだが、この作品をリメイクする時に男子版として早見和真著『95』も同時に作ればよかったのに。『95』はタイトルまんまな時代の話で『サニー』同様にいけてる男子高校生グループに主人公が入って仲間に恋に青春もの。野島伸司脚本『未成年』が作中で大きな意味を持つことになる作品でもある。『サニー』と『95』一緒にやって、90年代リバイバルに止めを指してほしかったなあ。

大きな物語を共有できたのが90年代までだし、三浦春馬がレッドウィング履いてるし、とか反応できるのもロスジョネ最後尾まででしょ。

わりと冒頭に主人公の奈美の引きこもりで90年代にエヴァにハマっていた兄貴について、現在の入院中の奈美の母が「あの子は今モー娘。にハマってんねん。なんか原点回帰や!ゆうて」みたいな台詞があって、この二十年近くのサブカルチャーを一言で言わせた大根監督はさすがだな、と思いました。

2018-10-16 『止められるか、俺たちを』 このエントリーを含むブックマーク このエントリーのブックマークコメント

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火曜日はTCGカード提示したら千円で鑑賞できるDayなんで、『止められるか、俺たちを』観にテアトル新宿に観に。若松監督作品で劇場で観たことがあるのはここ、テアトル新宿で上映してた『実録・連合赤軍 あさま山荘への道程』ぐらいだと思う。

主演の門脇さんや井浦さん、小路監督『ケンとカズ』に出演していた毎熊さんや藤原さんとかみんな面構えがよかった。居心地のいい、自分が好きな場所や関係性はいつか終わるし変わるから、過ぎ去ったあとに残された者には眩しくていとおしい。

音楽が曽我部さんだった。帰ってからエンディング曲をiTunesで購入した。

だいぶ前に園子温監督が「東京ガガガ」時代のことを園さん役を染谷将太さんで撮りたいなって言われていたことを思い出した。そのためにはかつて関わっていた人の協力も大事になるし、ある程度時が過ぎないとできない部分もあるんだろうか。

2018-10-14 『ブルー・マインド』 このエントリーを含むブックマーク このエントリーのブックマークコメント

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ヒューマントラスト渋谷にて『ブルー・マインド』鑑賞。

王谷晶著『完璧じゃない、 あたしたち』の一篇をダークファンタジーにしたような、岩井俊二監督の僕がすごく好きな小説『ウォーレスの人魚』のワンシーンのようでもあり、少女の時代を越えていく意味では枝監督『少女邂逅』と二本立てで上映したらいいなあ、と思った。

2018-10-01 『愛と酒場と音楽と』 このエントリーを含むブックマーク このエントリーのブックマークコメント

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仕事終わりに、映画の日なので『きみの鳥はうたえる』二回目を観て、そのまま続けてユーロスペースで『愛と酒場と音楽と』を。三作品それぞれタイプの違うオムニバス作品

作品目はセリフがほぼなく、裸の人間の髪を切るところから意外な感じになるのだが、すげえシンプル。

作品目はワンシチュエーションもので、登場人物がかなり癖のある話し方をする。みんなが同じようなスピードで話すので、流れていくけどセリフは残りづらい。間とテンポ、対比になるような人物がいたほうがもっといいのだろうということを終わった後にご挨拶した海老澤さんに伝えた。

作品目はメルマ旬報執筆陣の小川紗良さんが監督主演しているもの。こちらはムーラボ作品だったので、音楽が主体でラップのリズムとMVのように映像を編集しているので観やすい、頑固な父親とのやりとりなど、大まかに省力したかカットしているのだと思う。イワシ屋の息子の高校生の男の子が『リリイ・シュシュのすべて』の頃の市川隼人っぽかった。