いわゆる標準的経済学は、認知や判断に関して完全に合理的であって、もっぱら自己の物質的利益のみを追求する「経済人(ホモエコノミカス)」を前提として理論を打ち立てるもの。これに対し、実際そんな人間は存在しないので、人間の感情や直感、記憶などの心理的側面を重視してより現実に即した経済学を再構築しようとするのが行動経済学ということのようだ。
物理の理論も、摩擦とか空気抵抗とかを考慮しないと現実のモノの振る舞いと違って見えるってことに似ている気もする。
心理学の適用とかゲーム理論の応用など、とても興味深い。素人向け行動経済学の入門書としてはとても良く出来ているのではないか。
この領域の第一人者でノーベル賞受賞者のカーネマンの一般向け著作が出たということなので、読んでみたい。
- 作者: 友野典男
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2006/05/17
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