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読書備忘録です。

「怖い絵」で人間を読む/中野京子

絵画、とりわけ十九世紀以前の絵は、「見て感じる」より「読む」のが先だと思われます。一枚の絵には、その時代特有の常識や文化、長い歴史が絡み、注文主の思惑や画家の計算、さらには意図的に隠されたシンボルに満ち満ちています。現代の目や感性だけではどうにもならない部分が多すぎるのです。(「はじめに」より)

確かに。ハプスブルク家の人々の肖像画などなど、本書に記されているような背景を知ると絵の印象が大きく違ってくる。
NHKのテキストを再構成したものということで、わかりやすいカラー図版多数。

「怖い絵」で人間を読む (生活人新書)

「怖い絵」で人間を読む (生活人新書)

貝と羊の中国人/加藤徹

 中国人とは何かを大づかみに(=本質を丸ごと大きく)把握しようとする本。
 中国人は、貝の文化(殷人的、農耕的、多神教的、道教的、物財重視)と羊の文化(周人的、遊牧的、一神教的、儒教的、無形の主義を重視)の双方の要素をもち、さまざまな場面で、これがタテマエとホンネのように現れると。

貝と羊の中国人 (新潮新書)

貝と羊の中国人 (新潮新書)