2010-05-20
「JJUG CCC 2010 Spring」行って来た 3
イベントレポート | |
Cloud Developer PanelDiscussion
今回のJJUGのセッションの中で一番のスマッシュヒットでした。クラウドサービスっていろいろあるけどぶっちゃけ使ってみてどうなの?ってのが、現場レベルの生の声で聞けて面白かったし、ためになりました。代表的な、Azure・GAE・AmazonEC2・Force.comの比較を交えての進行でしたので非常に分かりやすくて良かったです。
下記に、内容は一部誤ってるかもしれませんがなるべく比較出来る様にまとめたものを書いておきます。
デプロイについて
ローカルエミュレート環境の正確性について
Azureでローカルエミュと本番環境で挙動が変わることがあって困ったという話しから
- Azure:ローカル環境はあり。一番小さいSサイズならほぼ同じ。.Netの構成によって違ったりする。
- GAE:ローカル環境はあり。厳密には一緒ではないが気になる程度ではない。ただし、ローカルで使えちゃってるクラスがサーバで使えないというケースはある。ステージング環境もあり。リモートデバッグは出来ない。
- Amazon:環境自体をリソースで使用できるのでやりたい放題である。
- Force.com:ローカル開発という概念がそもそもない。エディションの違いはある。デベロッパはお試し環境。サンドボックスはビジネスで使う環境で、その後本番環境に移行する。ただし、すぐには移せない(一ヶ月間くらいの凍結が必要?)。リモートデバッグは出来ないため、デバッグコード埋め込みまくり。
計画停止について
GAEでサービスのトラフィックがピークになる時にGoogleの計画停止が入るとお手上げだから、事前にネゴる必要があるという話から
- Azure:起動時にバージョンを指定して起動させるため、バージョンアップ等の計画停止で止まることはない。セキュリティパッチはクラスタ構成から外して行り完了後元に戻す等の仕組みで行っているため、これもない。
- GAE:サイト自体がともるわけではなく、参照専用の状態になる。バージョンアップ等の内容によっては全停止もあり得る。
- Amazon:EC2はセキュリティパッチ等全て自己責任である。S3はレプリケーションを以って順次アップするため停止はない。上位レイヤのサービスをしようする場合、計画停止の影響があるかもしれない。
- Force.com:年3回バージョンアップ時に計画停止がある。数時間完全に使えなくなる。
課金の話について
- Azure:EC2と同程度だと思われる。使用上限がある。(ストレージ100T、データ転送量月10T、インスタンス20)MS側でロックを依頼もできる。定額サービスもある。ステージング環境も課金あり。
- GAE:無料利用帯があり、トラフィックに比例する従量課金制である。オプション付けると課金。プロセス単位での課金。
- Amazon:ビジネスで使用するようなエンタープライズレベルでは上限はあるが、個人レベルで使用するとクラウド破産の話でもあったようにパケ死はある。スポットインスタンス制(オークション形式で空きリソースを売り出して稼動させる仕組み)あり。
- Force.com:課金は契約制でエディション別に値段が変わる。ユーザ数分契約するような感じ。本来的には契約成立後に開発が始まるので、課金は開発中にも発生する。(が、実情は上手いこと調整してやっている)
機能的なことやオンプレミスとの連携等について
- Azure:オンプレミスとの連携可能。エンタープライズを相手にするSIerにとって使いやすいだろう。また、Azure自体の機能追加も多い。
- GAE:オンプレミスとの連携はなし。運用をサポートするような機能もない。データ移行もアップするアプリを作って地道に挙げるしかない。(バルクローダというインポート機能はある)今後APIで触れない部分のサービス公開はされていくだろう。
- Amazon:Azureと同じでオンプレミスとの連携可能。EC2関連のオープンソースは充実してきている。
- Force.com:オンプレミスとの連携可能。ユーザからの要求を積み重ねてきた結果、機能的にも充実している。エンタープライズ向けの要求も実現しやすいと思われる。AppleのようなAPStore的なアプリケーションをパッケージで販売も出来る。もちろん他社のアプリケーションも相互に使える。
生産性について
- Azure:.Net経験者のあまり変わらないだろう。もちろん、Azure特有の学習コストはある。
- GAE:生産性は四つの中で一番悪いだろう。開発者は苦労する。
- Force.com:マスタメンテナンス程度ならば、テーブルを作成するだけで完了。ワークフロー等もブラウザ上で設定するだけであれば生産性は高い。手を加える場合は生産性は変わらない。テストに関しては、ロジック的な面は保障されるが、設定の妥当性や業務的な側面のテストは必要。追加実装が不要なようにユーザ調整するのがベター。
ビジネス的な観点について
- Azure:クラウド・オンプレミスのハイブリッド開発として採用するのが良い。双方の連携もしやすい。オンプレミスの採用は技術的な側面よりも、法的な側面で置かざるを得ない(データは国内でなかればいけない等)ということがある。将来的なスケールアウトを睨みつつ、今すぐ動かしたい際に良いと思われる。
- GAE:エンタープライズには現在向かない。今後環境が揃うとブレイクする。強みとしては圧倒的なスケールアウトである。
- Amazon:Azureと同じでクラウド・オンプレミスのハイブリッド開発で採用するのが良い。急なテスト環境の用意や、ハードの調達を早めたい時にも使える。
- Force.com:ハイブリッド開発の要件がやはり多い。年3回のバージョンアップ時にユーザからの投票制で機能追加がされる。いつかは追加されるから使い続けようという中毒性がある。
その他のトピックとか個人的な印象
- Azure:エンタープライズとしてはまぁ採用されやすいのかなと思います。バージョン変更によるAPIの変更が激しかったという経緯、及びバージョン指定のアプリケーションの起動という点から長期的なシステムライフの場合は厳しいかな?ランニングコストが嵩みそうな印象です。
- GAE:話にも出ていましたが、現状エンタープライズでの使用はあまりないと思われます。ただし、従量課金制でシステム特性とマッチすればコストはかなり削減できそうな印象です。事例では、トラフィックが集中する期間が短期間であり、それ以外は閑散としているようなシステムで、実際の料金は「年間10円でした」という話でした。ソフト開発分は抜きとして考えて、(個人の趣味とかで)小さいサービスをやるなら一番安く上がりそう。タイムリーな話ですが、エンタープライズ向けにSQLとかに対応するみたいなので、これからの動向次第でしょうか。
- Amazon;エンタープライズとしては現状一番相性がいいのではないでしょうか。弊社の研修とかセミナーでもちらほら見かけますので、一番近しい存在になりそうな気がします。技術的な学習コストが少なくて済むのも良い点でしょう。データセンターが東京に来るというアナウンスもありますし。コスト削減については、事例では年間で5割程度のコスト削減だったという話です。
- Force.com:今まであまりForce.comについては分かりませんでしたが、お話を聞いた感じだとかなりの脅威になりそうな印象でした。ユーザ要求がマッチしたらエンジニアいらずな感じですね。ユーザからしても時間が経つと機能が追加されていくポイントオブユーズな特性があり、ビジネスモデルが上手いなと思います。ただ、実際の額は分かりませんがライセンス契約制の課金制度だと、やはりお高いんでしょう?といった印象があります。
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