2007 12/31 『School Rumble』における反復・対比・暗示のリスト
■はじめに

- ※全てネタバレです
- ※「♯001」などのキーワードリンクから各話の解説に飛ぶことができます
- ※抜け報告はWeb拍手などにお願いします
- 反復と対比についての簡単なレクチャー
- 全記事一覧(ここから各話に飛べます)
- キーワード
更新情報
- Vol.21まで公開済み
- 未収録分を♯280まで公開
- 連載分をVol.22のリストに格納中(♭62まで)
エピソードタイトルの調べ方
- エピソードタイトル(サブタイトル)は、洋画あるいは洋楽の原題から付けられている
- 「邦題に直すとエピソードの内容を表している」ことが多い
- 大抵の洋画は、原題と邦題が(意味的に)一致していないので、「邦題を調べないと全く意味が通らない」サブタイトルが大半
- 邦題ではなく、「原題の直訳」や「映画のあらすじ,テーマ」がエピソードを表すサブタイトルも存在する
- ♯153・♭34までは、『School Rumble Treasure File』のカタログを参考にしてある(それ以降は独自調査)
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- このリストにおいて、各エピソードの一行目(「○○する話」といった解説)は、サブタイの意味とストーリー内容が重なる部分を記述している
反復と対比のキーワード
- 似たもの同士
- 雨やどり(相合い傘)
- お泊まり(居候)
- 添い寝
- 一緒にお風呂
- おんぶ(だっこ)
- 覆い被さり(押し倒し)
- 二人乗り(相乗り)
- 播磨拳児、理想のシチュエーション(景色の共有)
- 料理を食べてもらう/料理を食べさせてもらう
- プレゼント
- 善意や恩返しがそのまま伝わる/感謝がそのまま通じる(循環しない好意)
- 善意や恩返しがちゃんと伝わらない/感謝がちゃんと通じない(好意の好循環)
- 「循環しない好意」と「好意の好循環」の概念については、スクラン考3を参照
- 誤解に基づく自然な関係/理解に基づく不自然な関係
- わからない/わかりたい(ディテクティブ・ストーリー)
- 言葉による繋がり
- 言葉の無い繋がり
- 告白の誤爆
- 枷(超能力)
- 独りぼっち/独りぼっちからの救済
- 救済のカタチ
- 恋のカタチ(両想いのカップル)
- 片想いのカタチ
- 伊織との入れ替わり
- 私服デート
予測と暗示のチェックポイント
- 反復されているパターンやモチーフ(キーワード)を探す
- 頻繁に反復されるキーワードは、別のキャラクターにも発生する可能性がある
- このキャラクター同士の関係を「パラレル(平行関係)」と呼ぶ
- 消去法で「次にパラレルが発生するキャラクター」の目星が付けられる
- 対比されている(鏡となる)AとBを探す
- Aに発生したことは、Bにも(逆の価値でもって)発生する可能性がある
- 言葉にしたことはいつか実現される可能性がある
2007 12/30 反復と対比についての簡単なレクチャー
■リスト制作の切っ掛け

- 匿名希望の「通りすがりです。」氏との、mixiメッセージのログから(07年3月末頃)
通りすがり to いずみの
【作者は、最初からどこまで考えて作っていたのか? という話題から】
>増刊号自体は「新人漫画家に対するフォロー」という側面が
>強く感じられて、その主人公として八雲を選んだこと自体は
>割と思い付きレベルのような気もするのですが……。
この部分ですが、思い付きではない、と思います。
理由は、♭初期の話の内容です。
♭の1話目(♭01)が、見えない伊織の心の中を読みたいと願う話。
♭02が、播磨の弟が、伊織と似ている気がするという話。
♭04が、幽霊の女の子相手に、将来誰かを好きになる、という話。
重要な道しるべとなる最初の展開を読むと、
「心の見えない播磨に興味が湧く下地」を敷いている、
という意図が推測できます。
(でなければ、2話目に播磨の弟をつかまえて、
他の男の人と違う、なんてことは言わせません。
将来的に、播磨と八雲が会うことを想定して、
最初から予備線を張っていたものだと思われます。)
以上を単純に考えれば、初期の♭は、
播磨との絡みのための伏線を張るシリーズ、
だったのではないかと推測できます。
マガスペの連載が決まっていたからこそ、
本来は重要なキャラである八雲の展開を♭の軸にし、
♯では抑え目に書くことができた──、
つまり「他の主要キャラの展開に専念することができた」、
とも考えられます。
マガスペがなかったら♯での八雲話が増えたと思われます。
さて、その上で、私の印象論を述べます。
これは分析ではありません。
本格推理読みの私が、犯人を当てるように、
スクールランブルの展開を推測しながら読んだ場合の憶測です。
私は、作者の張った八雲周りのさまざまな伏線が、
【クライマックスの、重大な展開に関わる予想なので削除!】
――――と考えるとぴったりとはまるんです。
ですので、小林尽は最初から、
八雲を最終的なフォワードにする予定だったのでは、
との推測に繋がってしまうわけです。
(ただし、播磨と八雲が結ばれて終わるか、というのは別問題だと思います。
新学期に八雲が、転校もしくは退学を決意した播磨を
止めようとして終わり、という予測をしています。
第一話の、烏丸と天満と対比になるという予測です。)
いずみの to 通りすがり
なるほどと思いました。
サラとの出会いも含めて、裏主人公として「キャラを立てる」ことにどれ程の価値を与えていたか、という話になってきそうですね(ちなみにサラは連載前から出すことが決まっていたキャラのようです)。
ではお返しとして、ぼくが想定していたシナリオを提出してみます。
【こちらも重大なネタばらしになりかねない予想なので削除!】
――――この展開だと、「再び好きにならなければ」という関係回復のテーマ(沢近編と相似ですね)も織り込まれるでしょうから、「三人主人公」の物語としては引き締まるかもしれません。
> 新学期に八雲が、播磨が学校を辞めるのをとめようとして終わり、
> という予測をしています。
この「新学期」の終わらせ方をどうするか、という問題もありますね。
八雲と播磨が、天満と烏丸の関係をなぞるというのは説得力があると思います(問題は、播磨の場合フツーに落第か中退しそうな所ですけど)。
それとは別に大きなポイントとなるのは、♯001冒頭の「きっと言うから」が、果たして誰のモノローグなのか? という問題だと思います。
この「幸せだった」という過去形の言葉は、明らかに別れの言葉ですし、そしてどうやら新学期のタイミングらしいと分かる場面です。
このモノローグは誰によるもので、そして、誰に向けられているのか?
まず考えられるのは「天満→烏丸」で、順当ですが、それでは烏丸が救われませんし、残った八雲たちも救われない可能性が出てきます。
もう一つは「播磨→天満」ですね。男の台詞にしては「あなた」という二人称がミスリーディングな感じですが、割とポエットな播磨なら「あなた」も不自然ではないでしょう。
そして個人的な推測としては、これは「烏丸→天満」か、あるいは「八雲→天満」だとキレイにハマるんじゃないか、と考えています。
この台詞は烏丸が言う場合に限って、何故か「別れの言葉」にはならない。烏丸のようなキャラクターにとって「きっと言うから」「幸せだった」という言葉は重いので、むしろプロポーズの言葉のようになってしまうのが面白い所でしょう。
しかし、烏丸が天満を「あなた」と呼ぶことについては、少し違和感が残ります。
最後の可能性が八雲ですね。これこそ、天満からの精神的解放を象徴する言葉になるのかもしれません。
通りすがり to いずみの
> サラとの出会いも含めて、裏主人公として「キャラを立てる」ことにどれ程の価値を与えていたか〜
小林尽は構成ヲタさんだと思います。
構成ヲタさんなら、
最初から、ほぼ最後までをいきなり決める、
なんてことを自然にやってしまいます。
構成したり、設定することが楽しいですので、
日常の合間に、ひまを見つけては、展開を考えるでしょうし。
それなら、最後の落ちを考えた上で、
第一話を書いたとしても不思議ではありません。
(これは……私も構成ヲタの気配がありますので、言えることです。
そこらに転がっている作家志望のアマチュアでも、
普通の読者には信じられない先の話まで考え、
その上で作品を投入することは簡単なんです。)
ミスリードもどこかでやられていそうですよね。
構成好きな作者は、先が決まっているがゆえに、
それを隠そうとする展開をもってきたり、
サプライズの幅を大きくするための仕掛けをやりたがります。
(といっても……、私が念頭においているのは、本格ミステリですので、
ラブコメ作者の構成好きは、多少、毛色が違うかもしれません。)
【いずみのが説明した展開予想について】
> この展開だと、「再び好きにならなければ」という関係回復のテーマ(沢近編と相似ですね)も織り込まれるでしょうから、「三人主人公」の物語としては引き締まるかもしれません。
なるほど……。
それは大いにありえそうです。
小林尽はテーマを反復させるのが好きなようですから、
本当にありえる展開におもえてきましたw
> それとは別に大きなポイントとなるのは、♯001冒頭の「きっと言うから」が、果たして誰のモノローグなのか? という問題だと思います。
ああ……。やっぱり誰もが考えるポイントですよね。
私も、これはひっかけというか……、
わざとごまかしている部分なんじゃないかと思っていました。
「きっと言うから、あなたのことが好きだって」
じゃなく、あのようなごにょごにょとした言い方になっているのは、
何かしらの意図を隠しているのだと思っていました。
> この台詞は烏丸が言う場合に限って、何故か「別れの言葉」にはならない。
ええ。烏丸視点は私も押さえて考えていました。
> 最後の可能性が八雲ですね。これこそ、天満からの精神的解放を象徴する言葉になるのかもしれません。
ところが……。
この読み方の視点は、まったく想定していませんでした。
いや、すばらしい視点だと思います。
いずみの to 通りすがり
> 小林尽は構成ヲタさんだと思います。
小林尽がそういう資質の作者なのかどうかについては、なかなかボロを出さないので、自分としては判断保留している所なんですよね。
通りすがり to いずみの
> 小林尽がそういう資質の作者なのかどうかについては、なかなかボロを出さないので〜
あくまで推測の根拠にすぎないですが、
対比構造の多用と、将来の暗示となっているシーン
が目立つことですね。
(構成ヲタの作者は、この二点で遊ぶことが多いです)
♯001と♯002の最初のページの天満と播磨の言葉が同じこと。
♯001と♯005と♯006が、「名前の書き忘れテーマ」で統一されていること。
花井が八雲に、播磨が天満に一本背負いで投げられていること。
天満→烏丸、八雲→播磨の最初の手料理?がオニギリなこと。
(特に八雲、ケーキを用意した上で、
わざわざオニギリを作りなおしています。
シーン的にもあくまで無駄な部分ですから、
多少作者のメッセージ的なものも含まれているかもしれません。
後の沢近も、最初に播磨に食べさせるのはオニギリですし。)
♯007の烏丸が自転車に乗る回で、烏丸→天満→播磨の順で追いかけ、
そこに沢近が巻き込まれるのは、先を知っている作者の遊びだと思いますし、
♯056の肝試しの時に廃校で雨宿りして、「天満と播磨」の隣で
「沢近と八雲」がどきどきしながら聞く、というシチュエーションも、
将来の絡みを考えてのことでしょうし。
多分、いろいろと対比と暗示を使って遊んでいます。
私が創作したときも、そーやって遊ぶことは多いっすので、おそらく、
先がわかっているゆえに投入している部分だと思います。
(この感覚は、実際に物語を作らないとわからないかもしれません。
「実は、最初からかんがえていたんだよー、えっへっへ」
と、わかる人にだけ伝えたいがために、最初のほうから、
読者に伝わらない前提で、 こっそりと情報を仕込んでおく、
なんてことを平気でします。)
【再び、クライマックスの展開予想について】
再度読み直してみました……。いや……、可能性高いですよ。
というか、私の中でも、この設定は予想のトップになりましたw
私は、いずみのさん説を支持します。
いやあ……、すばらしいストーリーです……。
本当に、面白いですし、しっかりと作品を押さえた上でのすごい予想だと思います。
確かに、つらい展開ですよね……。
ただし、物語的にいえば、最高の対立になりうる関係ですし、
最悪の状況ともいえるシチュなんです。
つまり……。
もっと色々考えている作者なら、「思いついてしまう」であろう
おいしいネタでもあるんです。
(感覚で描く作家なら、全パターンの組み合わせとかは考えず、
流れで描く傾向が強いようですので、閃かなければ無理でしょうが、
構成好きの作者なら、簡単に思い当たるでしょう。)
個人的には、「わからない… わからないけど…」という、
小説版のイラストが、八雲の物語をワンシーンであらわした表現だと思っています。
(「わからない…」だけではなく、「けど…」がつくというのが、
とても重要な部分だと思っています。
強引に解釈すれば、♭01で展開が暗示されているように、八雲の物語は、
「わからないものを知ろうとする努力をする物語」、
である可能性が高いです。それを播磨の「見えない心」に繋げたのでしょう。)
いずみの to 通りすがり
> 強引に解釈すれば、♭01で展開が暗示されているように、八雲の物語は、
> 「わからないものを知ろうとする努力をする物語」、
> である可能性が高いです。それを播磨の「見えない心」に繋げたのでしょう。
これはその通りだと思います。
元々、沢近編も「沢近が真実を知ろうとする」探偵モノ(ディテクティブ・ストーリー)になっている、という見立てで読んでいたんですが、沢近の場合、本人が「無力な探偵」であることもありますが、真相を調べれば調べるほど、自分に不利な情報しか手に入らない。
この「真相を理解すればする程に泥沼にハマる」という物語パターンは、『オイディプス王』の構造に近いな、とか考えていました。
「理解」が決してハッピーエンドに結びつくわけではない、という側面の象徴だと思います。
沢近は、オイディプスが「自分の罪」を自覚した時点で自らを罰したのと同様、真実の理解と同時に「主役から降りた」キャラクターですね。
しかし、「情報」が重要な意味を持つという意味で、ディテクティブ・ストーリー(ミステリ)とラブコメは相通じるものがあるのかもしれません。面白いですね。
通りすがり to いずみの
> 「理解」が決してハッピーエンドに結びつくわけではない、という側面の象徴だと思います。
たしかにそうっす。
私の場合ミステリに置き換えていつも考えてしまいますが、
真相=ハッピーエンドではないケースも多いっすからね。
真相を知ったがゆえに、探偵役が隠す側にまわったり、
真相の開示=バッドエンドだったりするっすからね。。
> しかし、「情報」が重要な意味を持つという意味で、ディテクティブ・ストーリー(ミステリ)とラブコメは相通じるものがあるのかもしれません。面白いですね。
いや、今回のメッセージのやりとりで、
私も初めて気づいたっすよ。
基本的には、ミステリ一本槍でしたから……。
振り返ってみれば、恋愛とミステリには、
意外な親和性があるのかもですね……。
【対比構造の読み方について】
瑣末な予想や印象論はいっぱいありますが……。
伊織と播磨の入れ替えで、
八雲がその伊織をお風呂で洗うのではないか……とか。
間違いによる告白をテーマに置いている作者のことだから、
天満が烏丸に告白しようとして、間違えて播磨に告白するという、
超最悪なイベントがあるのではないか……とかですねw
ちなみに、お風呂に入る、というのは、
ライバル沢近との対比でやっている「恋人イベント」、
相合い傘(猫八雲ですが)、だっこ(おんぶ)、 添い寝、二人乗りなどなど、
……と、対比させた上での分析ですね。
「沢近が播磨としたイベント」を軸とすると、八雲の方には、
「ダンス」と「お風呂」だけが欠けています。
(ちなみに天満は欠けまくっています。)
対比構造のシステムは基本的に三つあって、
条件(背景、状況、キャラなど)が同一(もしくは類似)ならば、
1.A→A : 反復
2.AとB : 対比
3.A→A’: 変化(成長)
という風に分類できます。
これを踏まえて、今回スクランで私が使った予測法を解説すると、
AとBが類似しているなら、
A→A→A
B→B→?
の「?」の部分が将来くるであろうものであり、暗示されている部分、
というわけですね。
やり返しの鏡現象。
AがBを助けたら、後日BがAを助け返す、
というパターンもよく見られます。
恩や、復讐の均衡ですね。
次に、塗りつぶしの鏡現象。
片方でAというイベントを起こすと、
その対比の相手にもAというイベントを体験させようとします。
構成好きの作者は対比に偏りがでないよう、
バランスをとらせようと、イベントを行う傾向があります。
沢近と八雲を対比させ、
八雲に一緒にお風呂のイベントがないからー、
と予測しているのはそういうわけです。
とはいえ、一緒にお風呂イベントは、
かなりイレギュラーな気もしますので、
実際に起きるかどうかは謎なのですが……。
以上が、スクランで、超多用されている構造っす。
例えば♭01で、心が視えない伊織にお弁当をあげ続けて、
最後に心が見えるようになった。
なら、♯の方では、 心が視えない播磨にお弁当(愛情)をあげ続けて、
最後に心が見えるようになるのではないか。
というのが、以上の対比構造から可能な予測です。
■対比・反復の「キーワード化」について

- 匿名希望の「通りすがりです。」氏の手記から(07年9月初め頃)
対比・反復の「キーワード化」について。
対比・反復を行うと自然に「キーワード」というものが生まれてしまう。
スクランでいうなら、「お泊り」「雨やどり」「相合い傘」「おんぶ(だっこ)」「二人乗り」「景色の共有(播磨の理想のシチュエーション)」「自然な関係」など。
対比されているAとBだけではなく、対比軸とはまったく関係ないCやDにまで、「キーワード」は影響を与え、それらのイベントに意味を与えることになる。
なぜ、こんな現象が起きるのか?
たとえば、以下のパラレル(平行関係)がある。
最初のは、花井が八雲に投げられ、次のは播磨が天満に投げられている。
両方とも、恋愛対象になる相手に一本背負いされているという軸を持っている。
これはほぼ完全なパラレルである(受け身を取ったか取っていないか、という「対比」はある)。
が……。
もし、これとは別に、「ZがYを一本背負いする」なんて描写があったら、対比・反復構造が頭に入っている読者はなんて思うだろうか?
「ZがYに恋するようになる」、と思ってしまわないだろうか?
2パターンの一本背負いが見事に対比されて、しかも意味を与えられている以上、それ以降の「一本背負い」は恋愛(好意)に関して意味を持つことになる。
なので、作者としても、「一本背負い」をうかつには使えない。
また、読者としても、「一本背負い」がくれば、意味が与えられていると期待してしまう。
この制限が、結果として「キーワード化」という現象を生む。
一度、意味を与えたがゆえに使用に制限がつき、使用を制限しているがゆえに、またそれゆえに意味を持つというわけである。
また、この「キーワード化」は、軸が関係ないキャラにも影響を与え始める。
「お泊り」「雨やどり」「相合い傘」「おんぶ(だっこ)」「二人乗り」「景色の共有」などは、天満−烏丸、天満−播磨、沢近−播磨、八雲−播磨などの主役級組み合わせにとどまらず、八雲−花井、結城−花井、一条−今鳥など、さまざまな二人の間でそれぞれ意味を与えられて繰り返されることになる。
(いずみの註:例えば一条の「バックドロップ」や「変形フライングシュタイナー」は一本背負いではありませんが、ララに実力を認められたり、今鳥を振り向かせたりといった「好意」を生む切っ掛けになっています。)
以上が、対比・反復が「キーワード化」する理由。
2007 11/31 ■Vol.1(♯01〜16/♭01,02)
■カバー/口絵


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- カバー:天満(表)/八雲(裏)
- 塚本姉妹のカップリング
- 指さしポーズは、KC12巻と小説版の表紙が踏襲している
- 折り返し:天満(右)/美琴(左)
- 2巻とセットで、カバーイラストがメインヒロイン4人をコンプリートしている
- 12巻は「主人公と正反対の位置にいること」の象徴で、小説版は「主人公であること」の象徴?
■口絵カラーp1
- 意図不明のカットだが、「八雲が視てきた天満の気持ち」を表しているという読み方もできる(確証は無し)
■口絵カラーp2-3
- 「天満、八雲、播磨、烏丸」が描かれており、この作品の主要人物がこの四人であることが解る
- 雑誌掲載時にはそれぞれキャッチフレーズと決め台詞が付けられていた
- 塚本天満:主人公「烏丸くんが好きッ!!」
- 塚本八雲:見てるだけの妹「よしなよ姉さん…」
- 播磨拳児:横恋慕なアウトロー「好きだぜ天満ちゃん」
- 烏丸大路:何も考えてない男「…………」
- 八雲の「見てるだけ」という説明は、「天満の気持ちを見てるだけ」と解釈することもできる
- ちなみに烏丸の「何も考えてない」というフレーズは、後に作者本人がインタビューで「ああ見えて、烏丸君は烏丸君でいろいろ考えてることがたくさんあって…」と否定している
■口絵カラーp4
- また、もしスクランが八雲視点から始まる物語だとしたら、これは八雲が天満に向けたモノローグとしても解釈できる(天満のモノローグとしても読めるが)
- これも「見てるだけ」だった八雲が、「きっと言うから」と、自分から行動することを暗示しているという風にも読める
■♯001 PLAN1 FROM OUTERSPACE*1(プラン9・フロム・アウター・スペース)

- 第一話
■p1・1コマ目
- 天満のモノローグが♯002で播磨とパラレルになっている(そして背景が対比)
▼♯002/p1・1コマ目
- 頻繁に繰り返される「播磨と天満は似た者同士」という暗示の始まり
■p7・6コマ目
▼♯014/p1・3コマ目
- ♯014の中において、この格好自体に何の脈絡も無い
- 巻物の「行かないで下さい」だけでなく、「他の要望にも律儀に応えようとしている烏丸」が示唆されている
- この時点では「巻物の送り主」が不明なので、クラス全員にスキーウェアを見せている
▼♯165/p5・1-2コマ目
- この烏丸は、「巻物の送り主」が天満ではないかと勘付いている可能性がある
■p8・2-5コマ目
- 同じく「すきまに挟まって」を受けて(?)、♯189で烏丸が小窓にはまる
- スキップなどは未回収だが、スキルアップやスキンシップはクリア済み?
▼♯189/p9・5-6コマ目
- ♯165のスキーの時と同じく、この烏丸は「巻物の送り主」が天満ではないかと疑っている可能性が高い
■p11・8コマ目
- 天満が「自分が巻物の送り主だと名乗り出せない」のは、播磨が「自分は天満の恩人の変態さんだと名乗り出せない」(特別長編)ことと鏡になっている
- 烏丸は、「巻物の送り主=天満」だと勘付きつつある
- 逆に天満は、「変態さん=播磨」であることになかなか気付かない(思い出しかける描写は多い)
▼♯005/p3・4-6コマ目
- 「名前の書き忘れ」は♯005で反復
- このようにスクランでは、同じネタを何度も「異なるシチュエーション(人物)で繰り返す」のが作劇の基本構造になっている
- 故に、どんなに細かい描写でも、後で再利用(リサイクル)される可能性を疑いながら読むことに繋がる
- 今回は比較的「意味の無い反復」だが、使い方によっては無視のできない暗示や対比を生むことになる
■p12・10コマ目
- 天満が「転校しようとする烏丸」を引き止めるのは、「退学しようとする播磨」を引き止める(♯035)ことで反復される
▼♯035/p7・4-5コマ目〜p8・1コマ目
- 「私はやだよ」の台詞は、播磨への好意の暗示としても読める
■♯002 EASY RIDER(イージー・ライダー)

- 播磨がバイクに乗って登場する話
- サブタイはバイク映画から
■p1・1コマ目
- ♯001の天満のモノローグとのパラレル
- 播磨が「天満と似た者同士」であり、「もう一人の主人公」であることの示唆
■p4・3コマ目
- 名前だけのキャラ「ハリーマッケンジー」が、♯069でリサイクル
▼♯069/p9・2コマ目
■p5・9コマ目
- 「留年先生」が、♯139でリサイクル
▼♯139/p1・3コマ目
■♯003 DEEP SPACE NINE(ディープ・スペース・ナイン)

- 天満が「9」のクジを引く話
- 天満と播磨の行動(隣席に座ろうとする)がシンクロ
■p8・6コマ目
- 烏丸の「窓の外を良く見る」というクセが、小六の頃の八雲とパラレル(Private File参照)
■♯004 BOOK of LOVE(ブック・オブ・ラブ/あの日の恋)

- 図書館での話
■p3・9コマ目
- 『孫子』のネタが♯126の姉ヶ崎とパラレル
▼♯126/p3・2コマ目
- 孫子を「そんこ」と読むのはわざとボケてるのではという対比はある
- ハシラで♯004とのリンク示唆がある
■p7・6コマ目
▼♯055/p11・7-8コマ目
▼♯055/p12・2-3コマ目
「もうひとつの雨やどり」歌詞
確かに私が他のお友達とおなじ位に 白いドレスや口紅や赤い靴が 似合うすてきな娘だったらもっと上手な笑顔を あなたにあげられたのに だからあなたと街角でも一度出逢った時も あなたが覚えているなんて夢にも思わなかったし ましてやそれ以上の事なんて望みもしなかった だからこそこんなに驚いています
■♯005 ENTER THE DRAGON(燃えよドラゴン)

- 播磨がブルース・リーのマネ(「Don't think, FEEL」)をする話
■p2・3コマ目
- 八雲の播磨への「怖い」というイメージは何度も反復されている
▼♯067/p5-7
- 上から順番に、p5・6コマ目、p6・10コマ目、p7・9コマ目より
▼♯093/p7・5コマ目
■p3・4-6コマ目
- ♯001の「名前の書き忘れ」を反復
■p4・2-4コマ目
- 播磨から天満への口パクが伝わらないのは、♯057で反復
▼♯057/p3・8コマ目
■♯007 DEATH RACE 2003(デス・レース2000年)

- 自転車の話
- サブタイの元は『DEATH RACE 2000』
- ここでは「2003」だが、♯157から作中の時代設定は2005年に特定されている
- 天満と播磨の思考回路(「好きな人と自転車通学したい」)がシンクロ
■p7・1コマ目
- 男女が「一緒に乗り物に乗ることができない」ということは、様々なシチュエーションで反復・対比される
- また、「烏丸←天満←播磨」に巻き込まれて酷い目にあう沢近、という人間関係の暗示がこの時点で効いている
■♯009 THE GIRL WHO KNEW LITTLE*2(知らなすぎた男)

- 天満が烏丸の身体検査を知りたがる話
- サブタイは「少ししか知らなかった女」の意
- 天満と播磨の思考回路(看護師と医師に変装)がシンクロ
■♯009 p6・1コマ目
- 天満のナース変装を、♯204で沢近が踏襲
▼♯204/p9・4コマ目
- この時点で、「天満(=主人公)になろうとして挫折する沢近」を象徴する行動のひとつ
■♯010 LA BELLE NOISEUSE(美しき諍い女)

- 美術の授業の話
- サブタイの「諍い女」は「言い争う女」の意だが、冒頭の沢近と美琴を指しているのか?
- ちなみに原題のフランス語「Noiseuse」とは「トラブルメーカー」の意
- 烏丸が実は漫画家で、天満にも絵の才能があることを示唆する回
■♯011 THE TOWERING INFERNO(タワーリング・インフェルノ)

- 二階の体育用具室に閉じ込められる話
- 「窓から脱出する所を烏丸に見られる」のは♯008で反復
■p4・2コマ目
- 「烏丸のカレーパン」を天満が食べる
- スクランでは「好きな人に食べ物をあげる」「好きな人からもらった食べ物を食べる」というシチュエーションが頻繁に繰り返される。その最初の場面
- 天満の「辛いものが苦手だが、烏丸はカレー好き」と、播磨の「甘いものが苦手だが、天満は甘いもの好き」は対になっている
- この時点で辛いものを食べられなかった天満は、徐々にカレーが食べられるよう努力していく
■♯012 UNFORGIVEN(許されざる者)

- 許されざる痴漢を退治する話
- 播磨の必殺技のシーンは、『リングにかけろ』のパロディ
- 「天満を助けた播磨が名乗り出せない」のは、伊織を助けた時(♯030)に反復される
■♯014 SPEED(スピード)

- バスで遠足に行く話
- サブタイはバスジャック映画から
■p1・3コマ目
- ♯001の「スキーをしてる姿を見てみたい」の回収
■p3・5コマ目〜p4・1-2コマ目
- 「烏丸と相席(相乗り)している播磨」を見て、天満が残念そうに思うのは修学旅行の時(♯183)で反復される
▼♯183/p5・1コマ目
- 天満の仕草も♯014と同じ
■♯016 WILD PARTY(ワイルド・パーティ)

- パジャマパーティの話
- 天満と播磨の思考回路(告白作戦のイメージ)がシンクロ
- 「吊り橋効果」は田中永山が実現
■p3・3-5コマ目
- 「告白された回数」の対比。「美琴3<沢近5<八雲8」の順
- もっとも、新入生の八雲にはスタートダッシュがあると考えれば比較にはしにくい
■♭01 wonder woman(空飛ぶ鉄腕美女 ワンダーウーマン)

- 八雲の超能力の話
- 「心の声と言動が一致している(心が読めてもあまり意味が無い)」という共通軸から、「拒絶される花井」と「受け入れられる伊織」が対比されている
- 「心の視える花井」は「心の視えない播磨」との対比
- 伊織に対する「わからない心を知りたい」という感情は、播磨に対して反復される
- 「伊織をかばう八雲」は「伊織を助ける播磨(♯030)」や「伊織をかばう八雲を助けるサラ(♭03)」や、「伊織をかばう八雲を助ける播磨(♭40)」などで反復される
■p3・1-5コマ目
- 「食べ物を食べてもらうことで相手から好意を得る」パターンの始まり
■p8・4コマ目
- 表面的できちんとした、言葉の上での感謝(「循環しない好意」パターンの典型例)
▼♭11/p5・4コマ目
- こちらも「きちんとした言葉による感謝」なのだが、「不思議と継続する好意」が対比できる
■p12・4コマ目
- 「花井を一本背負いする八雲」はVol.2のオマケマンガ2で反復される
- また、「播磨を一本背負いする天満」(特別長編)とのパラレルになっている
▼特別長編/p16・2コマ目
- 花井は受け身を取っているが、播磨は受け身を取れてない

















































