気まぐれディスクレビューvol.2 syrup16g「darc」

今回はsyrup16gの「darc」（2016）のレビュー。彼らの最近作。

darc

darcはよくとっつきづらいとか、メロディーが不穏なアルバムと言われているけど、自分はあまりそうは思わない。

たしかに1、2曲目の「Cassis soda & Honeymoon」と「Deathparade」に関していえば不穏でとっつきづらさを感じる。でも3曲目の「I’ll be there」以降はむしろきれいなメロディーの曲が揃っていると感じた。

「I’ll be there」は透明感のあるサウンドと伝わりやすい歌詞、アウトロの美しさもあって本作でハイライトとも言える出来でしょう。なぜこれをPVにしなかったんだろう。

続く「Father’s Day」はどこか幻想的な曲で、終盤の激しくなる展開が印象的。最後の「Rookie Yankee」も名曲。心地よいコード感ざらついたサウンド、絞り出すように歌う五十嵐隆の声が耳に残る。

本人たちはdarcを「copyをもう一度作る気持ち」で製作したらしいけど、copyよりクーデターの頃を僕は思い出しました。透明感のある音像で、聴いていると白とか灰色っぽさをイメージする。

歌入れも仮歌とか、録音も一発録りで採用しているテイクもあるらしく、syrup16gというバンドの現在の衝動を詰め込んだアルバムということなんだろう。

ただこのアルバムをsyrupを初めて聴く人には勧めないな。。w あとこのアルバムでsyrupを知った人が彼らにハマるのかっていうと微妙な気もするw　初めてsyrupを聴くなら「Mouth To Mouse」とか「Hell-See」を勧めたい。

僕はsyrup16gというバンドがとても好きでアルバムは全部持ってる。一度解散した彼らがまたこうして音源を出してライブ活動をしているのが、本当に嬉しい。

去年のライブで来年もまた出すかもしれない、と五十嵐隆が言っていたので今年もまた動きがあるのかな。とても楽しみにしている。

この曲でdarcの印象を決めると良い意味で裏切られるはず。なんだかんだDeathparade好きだけどね。