NPO法人リトルターン・プロジェクト

東京都大田区昭和島にある都下水道局森ヶ崎水再生センター施設屋上に、東京都、大田区、NPO法人リトルターン・プロジェクトの3者協同で整備している人工営巣地でコアジサシ保護活動を行っています。活動の様子などをご覧ください。記事上の画像、図式などの無断使用をお断りします。

2017コアジサシ営巣調査まとめ

みなさま


2017年のコアジサシ営巣調査のまとめです。


調査講習会(4/29、5/21)を2回実施し、受講者は合計30名でした。
雨天で2回目が延期になってしまい、参加できなかった方、すみませんでした。


営巣調査は1回〜10回まで、LTPスタッフを含めのべ210名の方に参加していただきました。
暑い中、ご協力ありがとうございました。


今年は、4/15にコアジサシの飛来を確認(37羽)、
昨年に続き、4月中(4/30)に産卵を確認しました(2巣)。
その後、順調に個体数、営巣数は増え、成鳥最大数650羽(6/4)、営巣数最大858巣(6/4)、ひな数最大600羽(6/18)、幼鳥最大数200羽(7/2)を記録しました。



今年もカラスの侵入を防ぐ対策がうまくできませんでしたが、コアジサシが例年になく密集して営巣したため(最大10m四方に19巣)、侵入したカラスを追い払えることが多かったようです。そのため、卵を捕食されることが少なく、たくさんのヒナがふ化し、大きく育ちました。


しかし、ヒナや幼鳥を狙って今年もチョウゲンボウがやってきました。
ヒナや幼鳥が捕食され、推定ふ化数1400羽に対し、無事に森ケ崎から巣立っていった幼鳥は250羽程度かなと推定しています。
昨年よりも巣立った幼鳥数は多くなりました。コアジサシが密集して営巣したことと、シェルター増設の効果かなと思います。


コアジサシが密集して営巣したことで、卵の捕食が少なく、産みなおしの再営巣も少なかったことから、グラフのように、巣数、ヒナ数共に、ピークが一つの山型になりました。コアジサシがみんな揃って繁殖したため、終了時期も後ろに延びることなく、7月中旬で早々に終わったんだと思います。


2017年は、コアジサシがこれまでになく密集して営巣したり、新たな卵の捕食者としてキョウジョシギを確認したりと、変わった出来事がありました。


これまでの巣数、ふ化数の経年変化を図示します。

2017年の総営巣数は1292巣(過去4位)、推定ふ化数は1400羽(過去4位タイ)となりました。


ここ4年は1000羽以上のふ化数を維持しています。
今年は、コアジサシが密集して営巣してくれたおかげで、カラスによる卵の捕食を防ぐことができましたが、
来年も密集して営巣してくれることを願います。


調査研究部会リーダー