詩編3編・逆境にあって示されたエホバに対するダビデの信頼

「わたしは声を上げてエホバに呼びかけます。すると、その聖なる山からわたしに答えてくださいます。・・・エホバご自身がわたしを支えてくださるからです。」(詩編3:4)


詩編3編の表題は、「ダビデが息子アブサロムのために逃げていたときの調べ」となっています。しかし、ダビデはその逆境の中でエホバに対する信頼を言い表しています。


ダビデが、詩編3編で述べている苦難の遠因は、ダビデのはなはだしい罪にありました。ダビデは、バテシバとの姦淫と彼女の夫ウリヤの殺人の件で大いにエホバを怒らせました。そのために、ダビデの家から剣が離れないという宣告をダビデ預言者ナタンを通して受けていました。(サムエル第二12:10)そして、ナタンの宣告通り、ダビデ自身の息子のアブサロムがダビデの王位を奪おうとして、内戦が生じ、ダビデの家から剣が離れず、戦いが起こりました。


アブサロムの側についたイスラエル人は大勢いました。しかし、詩編3編の中で、ダビデは、「エホバご自身がわたしを支えていてくださる。」「わたしを取り囲んで勢ぞろいした幾万の民をもわたしは恐れません。」と言ってエホバ神に対する信頼を言い表しています。(詩編3:5,6)


ダビデのエホバに対する信頼は無駄にはなりませんでした。ダビデは一時は、息子のアブサロムから王位と命をねらわれてエルサレムから逃げなければなりませんでしたが、アブサロムとの戦いに勝利し、エルサレムに無事王として戻ることができました。
しかし、ダビデは、エホバからの否定的な宣告が成就していた状況にあってどうしてエホバに対する信頼を保ち続けることができたのでしょうか。


ダビデは、バテシバの件でエホバに不忠実になることを除いては、エホバに忠実な歩みをしていました。それで、詩編4編のダビデの調べの中で、ダビデは「エホバがご自分の忠節な者を必ず見分けてくださることを知れ。」と述べ、自分がエホバに対して忠節な者であることを述べています。(詩編4:3)


それで、ダビデは罪を犯したものの、それ以降は基本的には、エホバに忠節を保っており、神の律法と神のご意志に従うように努力していました。それで、ダビデは自分のエホバに対する忠節な歩みをエホバが好意をもって見てくださることに確信を抱くことができました。(詩編18:25)


さらに、ダビデがエホバにそのような信頼を持つことができたのは、幾多の逆境を乗り越えさせてくださったエホバの愛ある親切をそれまでに経験していたからでしょう。ダビデは何度も、敵によって命を脅かされましたが、エホバによって救い出されていました。それでダビデは、エホバが愛ある親切の神であることに信仰を持っていました。(詩編6:4,5)


私たちも、エホバに対する忠節の歩みの中で、ダビデのように失敗することがあるかもしれません。人間的な弱さのゆえにエホバの律法から離れてしまったことがあったかもしれません。そして、私たちは逆境を経験することがあるかもしれません。私たちは、その中でエホバにどのように信頼を示せるでしょうか。


私たちは、悔い改めて、エホバに対する忠節な歩みを再び始めているなら、エホバは私たちの忠節を評価してくださり、ダビデにされたように忠節に私たちを支えてくださり、逆境から救い出してくださるということを信頼できるでしょう。(詩編18:25)


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