夫婦の愛は取り戻せる(4)−口論を鎮める方法

先回「夫婦の愛は取り戻せる(3)−配偶者に対する話し方」をアップしました。今回は、結婚生活において口論を鎮める方法についてアップしたいと思います。


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口論を鎮める

ふたりの間で、時々口論が生じることは避けられないかもしれません。どうすれば、配偶者との間で生じた口論を鎮めることができるでしょうか。


「黙っているのに時があり,話すのに時がある」ということをいつも忘れないことです。(伝道の書 3:7)二人が同時に話すと,どちらも相手の言うことを聞いていないので,得るところは何もありません。ですから,自分が聞き手に回った時は,「聞くことに速く,語ることに遅く」あってください。つまり、配偶者に言うことによく耳を傾けましょう。また,「憤ることに遅くある」ことも同じほど大切です。(ヤコブ 1:19)




聞くことに早く語ることに遅くありましょう


さらに,配偶者の辛らつな言葉をすべて額面通りに受け取って、「自分の霊にせき立てられて腹を立て(る)」こともしないようにしましょう。(伝道の書 7:9)むしろ,配偶者の言葉の裏に隠されている配偶者の感情を読み取るよう努めてください。「人の洞察力は確かにその怒りを遅くする。違犯をゆるすのはその人の美しさである」と,聖書は述べています。(箴言 19:11)夫あるいは妻に洞察力があれば,配偶者の視点に立って物事に対処する助けになるでしょう。そうすると、配偶者に対する自分の怒りが鎮まるかもしれません。


例えば,妻が夫に,わたしと一緒に過ごす時間を取ってくれないとこぼす場合,それは単に時間だけの問題ではない可能性があります。むしろ問題は,妻が,わたしはなおざりにされている,あるいは感謝されていないと感じていることにあるのかもしれません。それで、配偶者に対して感謝を言葉や実際の形で表すようにすれば、配偶者の不満はなくなるかもしれません。


同様に,夫が妻の衝動買いに文句を言う場合,それは単にお金だけの問題ではないことが考えられます。むしろ問題は,自分に無断で買うことに決めたと夫が感じていることにあるのかもしれません。それで、高額のものであっても、配偶者に事前に申告しさえすれば、配偶者は、文句を言わなくなるかもしれません。洞察力のある夫あるいは妻は,裏に隠れている問題を探り,その核心に触れることでしょう。(箴言 16:23)


ある人たちは,配偶者の行動ではなく,自分の感情を強調するなら,怒りを抑えて根本的な問題に取り組むのがいっそう容易になることに気づきました。例えば,「あなたの言葉に傷ついた」と言うほうが,「あなたに傷つけられた」とか,「もっとましなことが言えないの」などと言うよりもずっと効果的です。


もちろん,自分がどのように感じているかを述べるときは,声の調子に苦々しさや嫌悪感を出さないように努めます。配偶者の人格を攻撃することではなく,問題をはっきりさせることを目標にすべきです。(創世記 27:46‐28:1)


言うは易く行なうは難しでしょうか。確かにそのとおりです。最善の努力を払ったのに,思いやりのない言葉が返ってきて,怒りが燃え上がるということもあるでしょう。そのようになりそうな時は,箴言 17章14節の次の助言に従う必要があるかもしれません。「言い争いが突然始まってしまう前にそこを去れ」。怒りの応酬になりそうだったら、いったんその場を離れるのが賢明でしょう。


気持ちが落ち着くまで話し合いを先に延ばすのは間違いではありません。話しているとどうしても収拾がつかなくなるというのであれば,しばらく時間を置いてみるのが賢明でしょう。



聖書の箴言の知恵


箴言 10:19: 「言葉が多ければ違犯を避けられない。しかし,唇を制する者は思慮深く行動しているのである」。
だれでもかっとなると,思わぬことを言ってしまい,あとで後悔するものです。かっとなった時はとりわけ言葉を慎みましょう。


箴言 15:18: 「激怒する人は口論をかき立て,怒ることに遅い者は言い争いを静める」。
怒りにまかせて辛らつな言葉で非難するなら,相手に徹底抗戦の構えを取らせかねません。一方,相手の言うことに辛抱強く耳を傾けるなら,それは二人が解決に向けて努力するのに役立ちます。


箴言 17:27: 「自分のことばを控える者には知識があり,識別力のある人は霊を冷静に保つ」。
怒りがこみ上げてくるのを感じたら,余計な口はきかないようにして,本格的な対立を避けるのが最善です。冷静を保てば問題の原因を見極めることができます。


箴言 29:11: 「愚鈍な者は自分の霊をさらけ出し,賢い者は最後までこれを穏やかに保つ」。
自制することが大切です。自分の感情をさらけ出すのは、愚かな人です。かっとして厳しい言葉をぶつけるなら,配偶者を遠ざけるだけです。賢い人は物事に穏やかに対処します。



現実的な見方を保つ


結婚生活が,求婚時代に思い描いたようなものではないとしても,幻滅を感じる必要はありません。ある専門家のグループは,「いつまでも幸福に暮らすというわけにいかないのが,大半の人の結婚生活だ。すばらしい時もあれば,たいへんな時もある」と述べています。


確かに,結婚はおとぎ話に出てくるロマンスのようなものではないかもしれませんが,悲劇である必要もありません。互いに忍耐し合わねばならない時も来ますが,意見の不一致など忘れて,共にいることをうれしく思い,楽しく過ごし,友達のように話せる時も来ることでしょう。(エフェソス 4:2。コロサイ 3:13)そうした時に,冷めていた愛をもう一度呼び覚ますことができるかもしれません。


そもそも二人が不完全である限り,完全な結婚生活を送ることはできません。それでも,ある程度の幸福を見いだすことはできます。実際のところ,問題がある場合でも,結婚関係は計り知れない満足をもたらすものとなります。一つのことは確かです。夫と妻の両方が努力を払い,進んで融通を利かせ,互いの長所を探そうとするなら,夫婦の愛を取り戻すことは可能なことなのです。(コリント第一 10:24)



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以上は目ざめよ!2001年1月8日号「夫婦の愛は取り戻せる」を再構成したものです。「夫婦の愛は取り戻せる」は(1)〜(4)のシリーズです。(1)結婚の誓いを果たす(2)結婚生活を守る努力を払う(3)配偶者に対する話し方(4)口論を鎮める方法です。


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