マタイ6章・神のみ名が神聖なものとされるようにという祈り

「あなた方はこのように祈らなければなりません。『天におられるわたしたちの父よ、あなたのお名前が神聖なものとされますように。』」（マタイ6：9)

イエスは、ご自分の追随者のために模範的な祈りの仕方を教えてくださいました。イエスが第一に祈り求めるべき事柄として挙げたのは、神のみ名が神聖なものとされることを求める祈りでした。イエスは、何を祈り求めるように教えられたのでしょうか。

　エゼキエル書の中には、エホバのみ名を神聖なものにすることについて多くのことが述べられています。エゼキエル書によると、神の民が神のご要求に反する行動ゆえに神から裁かれる時、それを見て諸国民は、神の民に起こったことを見て、エホバを侮ることになります。結果として、エホバの「聖なる名を汚す」ことになります。（エゼキエル36：20)

一方、エホバが神の民のために行動される時、エホバのみ名は神聖なものとされます。エホバは、神の民を「すべての地から集め，あなた方の土地に導き入れ」、神の民が、「だれにもおののかされることなく安らかにその土地に住む」ようにされます。（エゼキエル36：24，28；39：25，26)そのようにして、エホバはご自分の「大いなる名を必ず神聖なものとする」行動を取られます。（エゼキエル36：23) 神の民が安らかに住んでいるのを諸国民が見る時、エホバのお名前は神聖なものとされることになります。

一方、エゼキエル書によると、エホバはもし神の民がエホバに仕え、供え物を捧げるならば、「わたしはあなた方の中で，諸国民の目の前で神聖なものとされる」と言われました。（エゼキエル20：41)反対に、イスラエル人が偶像に仕えるならば、「わたしの聖なる名を汚す」と言われました。（エゼキエル20：39)

Austria, Vienna, St. Charles's Church　The Tetragrammaton Yahweh intended to be pronounced Adonai
諸国民が神の民が神に仕えるのを見る時み名は神聖なものとされる

ですから、諸国民は、神の民が神に仕えるのを見る時、神は神聖なものとされます。反対に、神の民が偶像に仕えるならば、神の名を汚す結果になることを示しています。ですから、エホバのみ名が神聖なものとされるように祈るということは、自分がエホバに仕えると共に、できるだけ多くの人が偶像ではなくエホバに仕えることを願うことを意味しています。

また、エゼキエル書の中では、ゴグが神の民に総攻撃を加える時、エホバがゴグの軍勢を滅ぼすことによっても、「諸国民の前で，あなた（ゴグ）の中でわたし（エホバ）を神聖なものにする」ことになります。（エゼキエル38：16，21-23；28：22) ですから、ゴグの軍勢が滅ぼされる、今の事物の体制が終わり、楽園への道が開かれる時、エホバのみ名は神聖なものとされます。

こうしたエゼキエルの記述は、エホバが諸国民の間でのご自分の評判を気にかけておられることを示しています。神の民がどのように行動するか、またどのような処遇を受けるかは、エホバのみ名の評判に影響を及ぼします。神の民がエホバを崇拝し、神から救われて平安に生活するのを目撃する時、諸国民はエホバを恐れ高めることになります。ですから、神のみ名が神聖なものにされるようにという祈りは、エホバが神の民を救ってくださることにより、神のみ名が諸国民の間でよく言われることを求める祈りであることも分かります。

また、エホバのみ名が神聖なものとされるように祈ることは、エホバがご自分の預言の言葉を成就して、諸国民に裁きを執行し、神の民を救い楽園への道を開かれることによってエホバが高められるように求めることも意味します。

A child prays.
聖書の預言が成就して神のみ名が神聖なものとなるように祈れる

それで、エホバのみ名が神聖なものとされることを祈るためには、私たちはその祈りに調和して、諸国民の前でエホバに仕えなければならないことが分かります。また、その祈りは、エホバがご自分の民を救いご自分の神性を立証することを求める祈りでもあります。それは、神の王国が最終的に今の事物の体制を終わらせ支配を始めることを求める祈りでもあります。（マタイ6：10；ダニエル2：44)